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AWSの機械学習サービスを紹介|メリットややり方を学ぶ方法とは?

2023.10.23

AWS(Amazon Web Services)が提供しているサービスのなかには、機械学習サービスがあるのをご存じでしょうか。

AWSの機械学習サービスを利用することでどのような効果が得られるのか、各サービスの特徴などを確認すると良いでしょう。

本記事では、AWSの機械学習サービスについて、利用するメリットややり方を学ぶ方法をご紹介します。

記事終盤では、AWSが提供している機械学習サービスもお伝えするので、AWSでの機械学習を検討している方はぜひ参考にしてください。

AWSの機械学習とは?

AWS(Amazon Web Services)の機械学習とは、Amazonが提供するクラウドサービスの中のひとつです。機械学習やディープラーニングのモデルを構築・デプロイするための一連のサービス群を指します。

AWSの機械学習サービスは、個別の開発者から大手企業まで、多くのユーザーに対して、データの準備からモデルのトレーニング、最終的なデプロイまでの一連の流れをサポートしています。

そのほか、AWSはデータの収集、ストレージ、前処理、分析、モデルのデプロイなど、機械学習のライフサイクル全体をサポートするためのサービスが豊富です。

AWSの機械学習サービスを利用するメリット

AWSの機械学習サービスを利用しようか迷っている場合、機械学習を活用するメリットを確認すると良いでしょう。ここでは、AWSの機械学習サービスを利用するメリットを3つご紹介します。

コストを抑えられる

AWSは従量課金モデルを採用しているため、利用したリソースの分だけを支払うことになります。これにより、大きな初期投資をせずに必要なリソースを確保できるので、特にスタートアップや中小企業には有利です。

AWSのクラウドインフラストラクチャは、必要に応じて容易にスケールアップやスケールダウンが可能です。実際に必要な時だけリソースを拡張することができ、無駄なコストを抑えられる可能性があります。

またAWSの機械学習サービスのなかには、無料期間を設けているものがあります。一定期間無料で利用することで、自社に合ったものなのか、ほかのサービスに乗り換えるべきか、などの判断材料となるでしょう。

カスタマイズ性が高い

AWSはさまざまな種類のインスタンスを提供しており、CPU、メモリ、GPUのバランスや、ストレージタイプなどを自由に選択できます。この柔軟性により、特定のワークロードや要求に合わせた最適な環境の構築が可能です。

AWSの機械学習サービスは、データベース、ストレージ、分析、セキュリティなどのほかのAWSサービスとシームレスに統合されています。これにより、カスタムのデータパイプラインやワークフローを構築する際の柔軟性が向上します。

必要な機能が備わっている

AWSの機械学習関連のサービスには、データの収集から前処理、モデルのトレーニング、デプロイ、そしてモニタリングまで、機械学習のライフサイクル全体をサポートするための機能が備わっています。

クラウド上でのリソースのスケーリングが容易なため、大規模なデータセットでのトレーニングや多数のリクエストに対する予測も迅速に行えます。

またAWSはデータの暗号化、アクセス制御、監査のためのログ記録など、高度なセキュリティ機能も提供しています。トレーニングの進行状況やデプロイされたモデルのパフォーマンスをリアルタイムで監視したり、問題の診断や最適化のための情報を得たりすることも可能です。

AWSの機械学習について学ぶ方法

ここでは、AWSの機械学習について学ぶ方法を2つご紹介します。

AWSのチュートリアルを利用する

AWS公式のドキュメントには、各サービスの詳細な説明や使い方、チュートリアルなどが用意されています。

AWSのチュートリアルは、単に手順を示すだけでなく、背景情報や各ステップの意義、選択肢についての詳しい解説が含まれることが多いです。これにより、単なる操作方法だけでなく、背後にある考え方や仕組みを深く理解できるでしょう。

またAWSにはコミュニティがあり、公式のフォーラムやQ&Aセクションを利用して、疑問点やトラブルシューティングに関する情報を得られます。AWSのサービスや機能の更新に伴い、公式のチュートリアルも定期的に更新されるので、最新の機能やベストプラクティスを学べるでしょう。

AWSのラーニングプランを活用する

AWSのラーニングプランは、初心者から上級者まで、様々なレベルに応じたカリキュラムやリソースを提供しています。これにより、無駄なく効率的に学習を進めることができるでしょう。

AWSの機械学習に関連する多くの専門分野やトピックに対して、深く掘り下げた専門的なコースやモジュールが提供されています。さまざまな認定資格を提供しており、ラーニングプランは資格試験の準備としても非常に役立ちます。

AWSの機械学習サービスの一覧

ここでは、AWSの機械学習サービスを10個ご紹介します。どのサービスを利用すべきかわからない方や、無料枠を活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

Amazon Polly

Amazon Pollyは、テキストコンテンツをリアルタイムで自然な音声へ変換することができるサービスです。

さまざまな言語とアクセントをサポートしており、様々な地域や文化に適応した音声を提供します。発音のガイダンスや音声の速度など、音声の細かい部分をカスタマイズすることも可能です。

またリアルタイムでテキストを音声に変換できるため、動的なコンテンツやリアルタイムのインタラクションに対応するアプリケーションでも使用できます。生成された音声ファイルをストレージに保存して再利用することも可能です。

Amazon Pollyは、音声の最初のリクエストから12か月間は1か月あたり500万文字まで、音声またはSpeech Marksリクエストを利用できます。

Amazon Transcribe

Amazon Transcribeは、AWSが提供する自動音声認識サービスであり、オーディオファイルをテキストに変換します。使用すると、会議の録音、カスタマーサービスのコールログ、ビデオの字幕生成など、さまざまな用途で利用できます。

サービスは複数の話者を識別して、それぞれの発言を別々にテキスト化する能力があります。具体的には、会議やインタビューの文字起こしに役立つでしょう。

APIを通じてアクセスでき、アプリケーションやワークフローに簡単に統合することができます。AWSのセキュリティ基準に準拠しており、データの暗号化、アクセス制御、アクティビティの監査トレイルなどのセキュリティ機能が提供されています。

Amazon Transcribeは、1か月に60分まで、12か月間無料で利用が可能です。

Amazon SageMaker

Amazon SageMakerは、ユーザーが機械学習モデルの構築、トレーニング、およびデプロイを容易に、迅速に、そしてスケーラブルに行うことをサポートするサービスです。

組み込みの高性能アルゴリズムを提供しており、さらにTensorFlow、PyTorch、MXNetなどの人気のある機械学習フレームワークもサポートしています。大量のデータを使用してモデルをトレーニングする際、分散トレーニングを容易に行うことが可能です。

またVPC内での実行、KMSキーでのデータ暗号化、IAMロールとポリシーでのアクセス制御など、AWSのセキュリティ機能をフルに活用できます。デプロイしたモデルの監視とログの取得をサポートし、異常を検出する機能も提供しています。

Amazon SageMakerは、2か月間無料で利用が可能です。

Amazon Textract

Amazon Textractは、文書からテキストやデータを自動的に抽出できるサービスです。特に、スキャンされた文書やPDFのような非構造化フォーマットからの情報の抽出に特化しています。

フォームや表の中のキーと値のペアを認識し、抽出することができます。これにより、インボイス、アプリケーションフォーム、テーブルなどの情報を構造化された形式で取得が可能です。

また、文書内のページのレイアウトやデザインも認識します。そのため、テキストの位置、カラムの構造、ボックス、ページ番号などの情報も抽出が可能です。

Amazon Textractは、1か月1,000ページまで、3か月間無料で利用できます。

Amazon Kendra

Amazon Kendraは、機械学習を使用してエンタープライズの文書から情報を見つけられるサービスです。従来のキーワードベースの検索エンジンとは異なり、Kendraは自然言語の質問に対して直接的な回答を提供する能力を持っています。

またデータの暗号化、アクセス制御、VPC内での実行など、AWSのセキュリティ機能をフルに活用します。インフラのセットアップやスケーリング、インデックスの管理などの運用の手間を省く際に便利です。

Amazon Kendraは、最大750時間、30日間無料で利用できます。ただし、コネクタの使用は無料利用には含まれず、通常の使用時間とスキャン料金がかかります。

Amazon Personalize

Amazon Personalizeは、ユーザーの行動、歴史、およびその他のデータに基づいてパーソナライズされた推薦や個別のユーザーエクスペリエンスをリアルタイムで生成できるサービスです。長年にわたり、磨き上げられてきたパーソナライゼーション技術に基づいて開発されました。

ユーザーのリアルタイムの行動に反応して、パーソナライズされた結果を動的に更新します。新しいアイテムや、十分な行動データがないユーザーに対する推薦もサポートされます。

Amazon Personalizeは、データ処理とストレージは1か月最大20GB、トレーニングが毎月最大100時間、レコメンデーションが毎月最大50時間まで、2か月間無料で利用できます。

Amazon Rekognition

Amazon Rekognitionは、ディープラーニング技術を利用してさまざまな視覚的分析を行うサービスです。ユーザーは、独自の機械学習モデルをトレーニングすることなく、高度な画像分析をリアルタイムまたはバッチ処理で行えます。

画像内の顔を検出する際、年齢、表情、性別、眼鏡の有無などを分析できます。登録された顔の画像と新しい画像を比較して、同一人物かどうかも判定が可能です。

また大量の画像や動画から、特定の顔を迅速に検索できます。画像や動画内の有名人を自動的に識別する機能も提供しています。

Amazon Rekognitionは、画像分析を1か月5,000件、顔メタデータの保存を1か月1,000個まで、12か月間無料で利用できます。

Amazon Lex

Amazon Lexは、テキストと音声の対話インターフェースの作成に特化したサービスで、Amazon Alexaの技術を基盤にしています。

このサービスは、ユーザーの音声やテキスト入力を解析して意図を特定し、適切なレスポンスを生成できます。

また、多様なプラットフォームやデバイスとの統合が可能で、AWSのスケーラビリティを活用して大量のリクエストを処理することができます。

Amazon Lexは、テキストリクエストを1か月10,000件まで、音声リクエストを5,000件まで、12か月間無料で利用できます。

Amazon Comprehend

Amazon Comprehendは、テキストドキュメントを解析して深い洞察を提供します。ディープラーニングモデルに基づいており、独自の機械学習モデルのトレーニングやサーバーの設定なしにテキスト分析を行えます。

具体的には、テキスト内の人、場所、日付、ブランドなどの名詞や固有名詞を自動的に識別できます。また、大量の文書から共通のトピックやテーマを識別することも可能です。

Amazon Comprehendは、1か月50,000単位のテキスト、5つのトピックモデリングジョブを各最大1MBまで、12か月間無料で利用できます。

Amazon Translate

Amazon Translateは、テキストのリアルタイム翻訳とバッチ翻訳をサポートするサービスです。このサービスは、多言語のコンテンツの生成や翻訳が求められるさまざまなアプリやプロセスのために設計されています。

使用すると、リアルタイムでのテキスト翻訳と、大量のテキストデータをまとめて翻訳するバッチ翻訳の両方を選択できます。多数の言語と言語ペアに対応しており、そのリストは継続的に拡大されています。

Amazon Translateは、1か月200万文字まで、12か月間無料で利用できます。

まとめ

AWSの機械学習サービスは、コストを抑えられる可能性があります。

AWSでは、CPUやメモリ、GPUのバランスや、ストレージタイプなど、システム内容に応じて自由に選択が可能です。機械学習サービスを利用することで、カスタムのデータパイプラインやワークフローを構築する際の柔軟性をさらに高められます。

また本記事でご紹介したAWSの機械学習のなかには、12か月間無料で利用できるサービスがあるので、機械学習の活用を検討している方はぜひ参考にしてください。