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Zabbix vs Datadog vs Mackerel 徹底比較|オンプレ混在の製造業はどれを選ぶか【2026年版】

2026.06.26

/最終更新日:

「監視ツールを見直したいけれど、Zabbix・Datadog・Mackerelのどれを選べばいいかわからない」という声を、製造業の情シス担当者からよく聞きます。3つともサーバー・ネットワーク監視の定番ツールですが、コスト構造・得意な環境・運用負荷がまったく異なります。

本記事では、Zabbix・Datadog・Mackerelを機能・コスト・オンプレ対応・製造業への適性の観点で徹底比較します。どのツールが自社に合うかを判断するための選定フレームワークも紹介します。

想定読者

本記事は、次のような方を想定しています。

  • オンプレサーバーとクラウドが混在する環境で監視ツールを選定している情シス担当者
  • 現行の監視ツール(JP1・PRTG・Nagios等)からの移行先を探している方
  • 製造業特有のネットワーク構成(工場・本社・データセンターの多拠点管理)に対応したツールを探している方
  • 無料から始めたいが将来的なスケールアップも見据えたい方

1. 3ツールの基本概要

Zabbix(ザビックス)

ラトビアのZabbix SIAが開発したオープンソースの統合監視ツールです。2001年から開発が続いており、国内外で最も広く使われている監視ツールの1つです。サーバー・ネットワーク機器・仮想環境・クラウドまで幅広く監視でき、エンタープライズ向けの有償サポートプランも用意されています。

一言で言うと: 自分でサーバーを立てて管理する「本格派オンプレ監視ツール」

Datadog(データドッグ)

米国のDatadog社が提供するSaaS型の統合監視・分析プラットフォームです。インフラ監視だけでなく、APM(アプリケーション性能管理)・ログ管理・セキュリティ監視・AIOpsまでカバーする、クラウドネイティブ向けの包括的なツールです。

一言で言うと: クラウド中心の企業向け「オールインワン監視SaaS」

Mackerel(マカレル)

株式会社はてなが開発・運営する国産のクラウド型サーバー監視ツールです。シンプルな設計と日本語サポートが特徴で、エンジニアリング文化の強いスタートアップから中堅企業まで幅広く使われています。

一言で言うと: シンプル・国産・日本語サポートの「中小〜中堅向けクラウド監視」

2. 機能・コスト・サポート 比較表

項目ZabbixDatadogMackerel
ライセンスOSS(無料)+有償サポートSaaS(従量課金)SaaS(プラン制)
月額コスト目安サーバー代のみ(数千円〜)ホスト数×数千円〜(高め)ホスト数×約500円〜
100台監視時の月額約1〜3万円(サーバー代)約30〜60万円約5〜10万円
オンプレ対応◎(得意)○(エージェント必要)○(エージェント必要)
クラウド対応○(設定必要)◎(得意)◎(得意)
SNMP監視◎(非常に強い)○(対応)△(限定的)
ネットワーク機器監視
APM(アプリ性能)
ログ管理
AIによる異常検知
日本語サポート△(有償のみ)△(英語が主体)◎(日本語専任)
初期設定の容易さ△(難しい)◎(簡単)
カスタマイズ性
多拠点管理◎(Proxy機能)

3. Zabbixの特徴と向いている企業

強み

Zabbixの最大の強みはオンプレミス環境・ネットワーク機器への対応力です。SNMP(Simple Network Management Protocol)を使ったルーター・スイッチ・プリンター・産業用機器の監視に特に優れており、工場の生産設備や老朽化したネットワーク機器も監視対象に含められます。

また、Zabbix Proxyという機能を使うことで、工場・本社・データセンターなど複数拠点を1つの管理画面で統合監視できます。これは多拠点展開している製造業にとって大きなメリットです。

コスト面では、オープンソースのためライセンス費用がゼロです。運用するZabbixサーバーの維持費(VPSなら月数千円〜)だけで始められます。

弱み

初期設定の複雑さが課題です。自分でサーバーを立てて設定ファイルを書く必要があり、Linuxの知識が必要です。テンプレートのカスタマイズや閾値チューニングには時間と専門知識がかかります。

クラウドサービス(AWS・Azureなど)の監視はAPIを通じて可能ですが、DatadogやMackerelと比べると設定の手間が多めです。

Zabbixが特に向いている企業

  • 工場・拠点が複数あり、オンプレサーバーやネットワーク機器を多く監視したい企業
  • ライセンスコストを抑えたく、社内に設定・運用できるエンジニアがいる企業
  • JP1・PRTGなど既存ツールからの移行でコストダウンを図りたい企業
  • 監視項目・アラート条件を細かくカスタマイズしたい企業

4. Datadogの特徴と向いている企業

強み

Datadogはインフラ監視・APM・ログ・セキュリティを1つのプラットフォームで統合管理できる点が最大の強みです。特にAWS・Azure・GCPとのインテグレーションが豊富で、クラウドサービスの監視はエージェントなしでAPI連携だけで始められるケースも多くあります。

AIを活用した自動異常検知(Watchdog)やダッシュボードの自動生成など、分析・可視化機能が充実しています。マイクロサービスや複数のシステムが絡む複雑なアーキテクチャの追跡に特に強みを発揮します。

弱み

コストが高いことが最大の課題です。監視ホスト数・ログ取り込み量・保存期間などすべてが課金対象になるため、規模が大きくなると月額が数十万〜数百万円になることも珍しくありません。製造業の大規模オンプレ環境で全台を監視しようとすると、想定外のコストになるリスクがあります。

SNMPによるネットワーク機器監視はDatadog NPM(Network Performance Monitoring)オプションで対応していますが、追加費用が発生します。

Datadogが特に向いている企業

  • クラウドネイティブなシステムを持ち、APM・ログ・セキュリティを一元管理したい企業
  • DevOps・SREチームが存在し、開発者向けの詳細な分析が必要な企業
  • 予算に余裕があり、監視・分析に関する全社的なオブザーバビリティ基盤を構築したい企業
  • AWS・Azureを中心に使っており、クラウドコストの可視化も合わせて行いたい企業

5. Mackerelの特徴と向いている企業

強み

シンプルさと日本語サポートがMackerelの際立った強みです。エージェントをインストールするだけですぐに監視が始まり、設定画面もわかりやすく整理されています。はてなが開発・運営しているため、ドキュメント・サポートがすべて日本語です。

料金プランも明瞭で、スタンダードプランでは1ホストあたり月額約500円〜と比較的リーズナブルです。小規模から始めて段階的に拡張しやすい設計になっています。

Slackとの連携が標準で用意されており、アラートをSlackに通知する設定が数クリックで完了します。エンジニアが少ない環境でも運用しやすいのが特徴です。

弱み

SNMPを使ったネットワーク機器・産業用機器の監視はMackerelの得意領域ではありません。オンプレのネットワーク機器を多数監視したい製造業には物足りない場合があります。

カスタマイズ性もZabbixと比べると限定的で、複雑な監視条件や独自のメトリクス取得には工夫が必要です。

Mackerelが特に向いている企業

  • LinuxサーバーやAWSインスタンスを中心に監視したいWeb系・SaaS系企業
  • 監視ツールの運用に多くのリソースをかけられない中小・中堅企業
  • 日本語サポートを重視し、スピーディーに導入したい企業
  • まず小規模から試して様子を見たい企業

6. 製造業はどれを選ぶべきか:3軸の判断フレーム

製造業での監視ツール選定は、以下の3軸で判断するのが実務的です。

軸1:オンプレの比率とネットワーク機器の多さ

工場のFA機器・PLC・産業用ルーターなどSNMP監視が必要な機器が多い環境では、Zabbix一択です。Datadogはコストがかさみ、MackerelはSNMP対応が限定的です。

軸2:社内のエンジニアリソース

設定・運用を担当できるLinuxエンジニアが社内にいない場合、Zabbixの運用は難しくなります。エンジニアがいない・または少ない環境ではMackerelが最もリスクが低い選択です。外部のSIerに運用を委託するならZabbixの有償サポートを組み合わせる方法もあります。

軸3:クラウドとオンプレの混在度

AWS・Azureをすでに本格活用しており、今後クラウド中心に移行する計画があるならDatadogへの投資が長期的に合理的です。現時点でオンプレが主体であれば、Zabbixで現状をカバーしながら将来的なクラウド化に合わせてDatadogを追加する「ハイブリッド監視」も現実的です。

判断早見表

状況おすすめ
オンプレ中心・SNMP機器多数・エンジニアありZabbix
オンプレ中心・エンジニア不足・コスト抑制Zabbix(SIer委託)またはMackerel
クラウド中心・APM・ログも一元管理したいDatadog
小規模・シンプルに始めたい・日本語サポート重視Mackerel
オンプレ+クラウド混在・段階的に移行中Zabbix+Mackerel の併用 または Datadog
監視ツールの選定・Zabbix導入・既存ツールからの移行についてお困りでしたら、c3indexにお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. ZabbixとDatadogを同時に使うことはできますか?

A. できます。Zabbixでオンプレサーバー・ネットワーク機器を監視し、Datadogでクラウドサービスのメトリクスとログを管理するハイブリッド構成は実際に採用されています。ただし2つのツールを維持する運用コストが増えるため、将来的にはどちらかに統一する移行計画を立てることをお勧めします。

Q. Zabbixの無料版と有償版(Enterprise)の違いは何ですか?

A. Zabbixのソフトウェア自体はすべて無料のオープンソースです。有償プランは「サポートサービス」に対して費用がかかります。日本語での技術サポート・バグ修正のSLA保証・移行支援などが提供されます。社内に技術者がいない場合は有償サポートまたは国内SIerへの委託を検討してください。

Q. Mackerelは製造業向けに使えますか?

A. Linux/Windowsサーバーの監視であれば製造業でも問題なく使えます。ただし、PLCや産業用スイッチなどFA機器のSNMP監視には対応が限定的です。IT側のサーバーはMackerel、OT(制御系)側の機器はZabbixで監視するという使い分けも選択肢の一つです。

Q. JP1から乗り換えるとしたらどれが適切ですか?

A. JP1はオンプレ向けの総合運用管理ツールで、監視以外にもジョブ管理・資産管理など多くの機能を持っています。純粋な「監視機能」の代替であれば、オンプレ環境が多い場合はZabbixが最も近い選択肢です。クラウド移行を進める計画があるなら、移行のタイミングでDatadogへの切り替えも検討に値します。

Q. 監視ツールの導入に外部SIerを使うメリットはありますか?

A. 初期設定の手間と学習コストを大幅に削減できる点がメリットです。特にZabbixは設定が複雑なため、SIerへの初期構築委託が一般的です。また、SNMPテンプレートのカスタマイズや多拠点への展開など、自社エンジニアが不慣れな領域はプロに任せることで品質と速度が上がります。

まとめ

本記事のポイントをまとめます。

  • Zabbix:オンプレ・SNMP機器多数の製造業に最適。ライセンス無料だが設定に専門知識が必要
  • Datadog:クラウド中心・APM・ログ統合が必要な企業向け。機能は豊富だがコストが高い
  • Mackerel:シンプル・国産・日本語サポートが強みの中小〜中堅向け。SNMP監視は苦手
  • 製造業では「オンプレ比率」「社内エンジニアリソース」「クラウド移行計画」の3軸で判断する
  • オンプレ中心の現状であればZabbix、将来クラウド移行を見据えるならDatadogへの段階的移行が現実的

監視ツールの選定は「今だけ」ではなく「3〜5年後の自社インフラ像」を見据えて判断することが重要です。迷ったときは、現在の課題を優先しつつ、将来の移行コストが最小になる選択肢を選んでください。

c3index に相談する

c3index は、製造業の基幹システム・インフラ運用・クラウド移行を専門とするシステム会社です。Zabbixの初期構築・多拠点への展開・既存監視ツールからの移行支援まで、貴社の環境に合わせてご提案します。まずはお気軽にご相談ください。