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AWSリザーブドインスタンスは料金削減につながる?購入時の注意点や利用例を紹介

2024.05.24

AWS(Amazon Web Services)のリザーブドインスタンスは、EC2インスタンスのコスト最適化オプションです。

本記事では、AWSリザーブドインスタンスについて、種類や利用するメリットをご紹介します。

そのほか、AWSリザーブドインスタンスを利用する際の注意点もお伝えするので、コストの最適化を目的にAWSリザーブドインスタンスの利用を考えている場合はぜひ参考にしてください。

AWSリザーブドインスタンスとは?

AWSリザーブドインスタンスとは、AWSが提供するEC2インスタンスのコスト最適化オプションのひとつです。

リザーブドインスタンスは、特定のインスタンスタイプ、リージョン、プラットフォーム、および購入オプションに基づいて、1年または3年間の期間で使用することを前提に予約購入することで、オンデマンドインスタンスに比べて大幅な割引を受けられます。

たとえば、毎月一定の負荷を持つWebサーバーを運用している場合、オンデマンドインスタンスを使い続けるよりも、リザーブドインスタンスを購入しておくことで長期的なコストを削減できる可能性があります。

リザーブドインスタンスを利用することで、AWSユーザーはコスト管理の効率を高め、長期的な予算計画を立てやすくなるでしょう。

AWSリザーブドインスタンスの種類

ここでは、AWSリザーブドインスタンスの種類を2つご紹介します。

スタンダード

AWSリザーブドインスタンスのスタンダードとは、特定のインスタンスタイプ、リージョン、プラットフォーム、およびテナンシーに対してコミットメントを行うオプションです。

オンデマンドインスタンスと比べて、最大で72%の割引が適用されます。一度購入すると、指定された期間中(1年または3年間)割引料金が適用される点が魅力です。

必要に応じて、AWS Marketplaceでリザーブドインスタンスを販売できます。他のアカウントに譲渡することも可能です。

ただし、購入時に選択したインスタンスタイプ、リージョン、プラットフォーム、テナンシーの設定に固定されます。途中でインスタンスタイプやリージョンなどを変更することはできません。

コンバーティブル

AWSリザーブドインスタンスのコンバーティブルとは、スタンダードリザーブドインスタンスと同様に、特定のインスタンスタイプ、リージョン、プラットフォーム、およびテナンシーに対してコミットメントを行うオプションです。

契約期間中に他のインスタンスタイプ、インスタンスファミリー、オペレーティングシステム、またはテナンシーに変更可能で柔軟性が高いです。使用するインスタンスの合計値が、元のリザーブドインスタンスの値以上であれば、変更を行うことができます。

スタンダードリザーブドインスタンスよりも削減できるコストは低いですが、オンデマンドインスタンスと比べて依然としてコスト削減が可能です。

AWSリザーブドインスタンスを利用するメリット

ここでは、AWSリザーブドインスタンスを利用するメリットを3つご紹介します。

1. 大幅なコスト削減が期待できる

リザーブドインスタンスは、オンデマンドインスタンスに比べて大幅な割引が適用されます。割引率はリザーブドインスタンスの種類や支払いオプションによって異なりますが、最大で72%の割引を受けることが可能です。

リザーブドインスタンスは、1年または3年の契約期間で利用することを前提としています。このため、予測可能な長期的な利用が見込まれる場合におすすめです。

リザーブドインスタンスを利用することで、インフラストラクチャのコストが予測可能になります。固定された料金でインスタンスを利用できるため、月々のコストが安定し、予算管理が容易になるでしょう。

コンバーティブルリザーブドインスタンスでは、契約期間中にインスタンスタイプやテナンシーの変更が可能です。この柔軟性により、将来のワークロードの変化に対応できます。

2. 支払い方法が複数ある

リザーブドインスタンスの利用料金の支払い方法には、全前払い・部分前払い・前払いなしの3つから選べます。

全前払いは、契約期間の全額を一度に支払う方法です。利用開始時にすべての費用を支払うことで、後々の支払いの心配がなくなります。この支払い方法は、最も高い割引率を提供します。

部分前払いは、契約期間の一部を前払いし、残りは後払いとなる支払い方法です。一部の費用を前払いすることで、後の支払い額を減らすことができます。しかし、前払い額に応じて割引率が変わりますが、全前払いよりも割引率は低くなります。

前払いなしは、契約期間中のすべての支払いを後払いで行う方法です。初期費用を最小限に抑えられるので、支払いを分散したい場合や初期負担を軽減したい場合におすすめです。しかし、支払い方法のなかで最も割引率が低いです。

3. 購入期間を選択できる

AWSリザーブドインスタンスでは、1年または3年の契約期間を選択することが可能です。ユーザーは、自身のニーズや予測に合わせて最適な契約期間を選択できます。

3年間の契約期間を選択すると、1年間の契約期間よりも高い割引率が適用される場合があります。そのため、将来的に長期間にわたってインスタンスを利用するケースが予測される場合には、3年間の契約期間を選択することでより大きな割引を得られるでしょう。

短期間のプロジェクトや一時的なワークロードに対しては、1年間の契約期間を選択することでコストを最小限に抑えられます。一方で、将来の長期的なプランに合わせて3年間の契約期間を選択することで、長期的なコスト削減が期待できます。

AWSリザーブドインスタンスを利用する際の注意点

ここでは、AWSリザーブドインスタンスを利用する際の注意点を5つご紹介します。

1. 途中で解約できない

リザーブドインスタンスを購入すると、契約期間の終了まで解約できません。

リザーブドインスタンスは、契約期間全体の支払いが一度に行われるか、部分的に前払いされた後、残りの支払いが後払いされます。そのため、契約期間中に支払いを停止することはできません。

また、リザーブドインスタンスの購入後、インスタンスタイプやリージョン、プラットフォーム、テナンシーなどの変更ができません。ワークロードやビジネスニーズが変化する可能性がある場合には、慎重に契約期間とインスタンスタイプを選択する必要があります。

2. 運用の柔軟性が劣っている

リザーブドインスタンスを購入すると、固定された契約期間の間、特定のインスタンスタイプ、リージョン、プラットフォーム、テナンシーが設定されます。契約期間中は、これらの設定を変更できません。

ワークロードやビジネスニーズの変化に対応するために、インスタンスのタイプや特性を柔軟に変更する必要がある場合、リザーブドインスタンスは制約をもたらす可能性があります。

AWSは、常にサービスのアップデートや新機能の追加を行っています。リザーブドインスタンスを購入すると、契約期間中に追加された新しい機能やサービスの利用が制限される可能性があるでしょう。

3. スポットインスタンスと混同する

AWSリザーブドインスタンスとスポットインスタンスは、それぞれ異なる購入モデルを持っています。

リザーブドインスタンスは、あらかじめ契約を結んで長期間利用することを前提としており、割引を受けて安定した価格でインスタンスを利用します。

スポットインスタンスは、AWSの未使用容量を利用して、オンデマンド価格よりも安価な価格でインスタンスを利用することができますが、いつインスタンスが終了するかは不確定です。

また、リザーブドインスタンスは、あらかじめ契約を結ぶことで割引を受けるため、固定された料金で利用します。一方で、スポットインスタンスは、オンデマンド価格よりも低い価格で利用できますが、市場の需要と供給によって価格が変動するため、予測が難しく、突然終了する可能性があります。

4. 割引の適用外になるケースがある

リザーブドインスタンスは、あらかじめ契約を結ぶことで割引を受けるため、一定の使用率が期待されます。しかし、契約したインスタンスが実際に使用されない場合、割引の適用外になる可能性があります。

例えば、リザーブドインスタンスを購入したにもかかわらず、実際にはスポットインスタンスやオンデマンドインスタンスを優先的に使用した場合などが該当します。

リザーブドインスタンスの契約期間中に、契約したインスタンスのタイプや特性を変更する場合、新しいインスタンスには契約した割引が適用されません。

リザーブドインスタンスの契約は特定のインスタンスに対して行われるため、契約の範囲外のインスタンスを使用する場合は、通常のオンデマンド価格が適用されます。

5. 間違って購入するとキャンセルできない

AWSリザーブドインスタンスを購入した後、契約期間中は基本的にキャンセルすることはできません。リザーブドインスタンスの購入はコミットメントを意味し、一度契約を結んだら、契約期間中にはインスタンスをキャンセルすることができません。

購入前に、利用予定のワークロードやビジネスニーズに合わせて適切なインスタンスタイプを選択し、契約期間や支払いオプションを慎重に検討することが重要です。

また、必要に応じてAWSのコスト管理ツールやコストエクスプローラーを活用して、予算やコストの見積もりを行うことも役立ちます。

まとめ

AWSリザーブドインスタンスは、あらかじめインスタンスを予約し、長期間利用することで割引を受けられるAWSサービスです。

種類にはスタンダードとコンバーティブルがあり、それぞれ異なる特性を持ちます。利用メリットは大幅なコスト削減、支払い方法の柔軟性、購入期間の選択が挙げられます。

しかし、途中での解約やインスタンスの変更が制限されるなどの注意点もあります。スポットインスタンスとの混同や、誤って購入した場合のキャンセル不可も慎重に考慮すべき点です。