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【初心者向け】AWSとは?使い方や導入手順を解説

2024.05.24

/最終更新日:

AWS(Amazon Web Services)を導入しようか考えている場合は、事前に使い方を確認しておくと良いでしょう。

本記事では、AWSの使い方について、代表的なサービスの紹介をはじめ、利用するメリットをご紹介します。

そのほか、利用する際の注意点や導入方法もお伝えするので、AWSの利用を検討している場合はぜひ参考にしてください。

目次

AWSとは?

AWSは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。AWSは、インフラストラクチャーサービス(IaaS)、プラットフォームサービス(PaaS)、ソフトウェアサービス(SaaS)などのさまざまなクラウドサービスを提供しています。

ユーザーは、必要なコンピューティングリソースを柔軟かつ効率的に利用することが可能です。

AWSは、企業や個人がインフラストラクチャーの構築、運用、スケーリングを容易にするための幅広いサービスを提供しており、世界中の多くの企業や組織がAWSを利用しています。

AWSの代表的なサービス

AWSは、200種類を超えるさまざまなサービスを提供しています。

ここでは、数あるサービスのなかから、AWSの代表的なサービスを6つご紹介します。

1. EC2

EC2は、仮想化技術を利用して、ユーザーに仮想サーバー(インスタンス)を提供するサービスです。活用することで、ユーザーは必要な計算リソースを柔軟に利用できます。

EC2では、さまざまなインスタンスタイプが提供されています。異なるCPU、メモリ、ストレージ、ネットワーキングなどの性能や構成があり、自身のアプリケーションやワークロードに適したインスタンスタイプを選択することが可能です。

また、EC2は、需要に応じてインスタンスの数やタイプを簡単にスケーリングできるため、ユーザーはビジネスの成長や変化する需要に迅速に対応できます。たとえば、必要に応じてインスタンスの起動や停止、変更を行えます。

EC2は、仮想プライベートクラウド内で実行されるため、セキュリティとプライバシーが重視されています。ユーザーは、セキュリティグループやネットワークアクセス制御リストなどの機能を使用して、インスタンスへのアクセスを制御することが可能です。

2. S3

S3は、データをオブジェクトとして保存するストレージサービスです。ファイルやデータをバケット(Bucket)と呼ばれるストレージコンテナに格納し、HTTP経由でアクセスできます。

AWSのインフラストラクチャーの一部として提供されており、スケーラビリティと耐久性が高い特徴を持ちます。データは複数のアベイラビリティーゾーンに分散され、冗長化されるため、高い可用性と信頼性が確保されるでしょう。

また、データのセキュリティとプライバシーを重視しており、さまざまなセキュリティ機能を提供しています。これには、データの暗号化、アクセス制御ポリシー、バケットポリシー、IAM(Identity and Access Management)ロールなどが含まれます。

3. RDS

RDSは、主要なリレーショナルデータベースエンジンを使用して、マネージドデータベースサービスを提供するサービスです。活用することで、ユーザーはリレーショナルデータベースを簡単に設定、運用、スケーリングできます。

また、自動バックアップ機能を提供し、データの保護と復旧をサポートする役割があります。マルチAZ(Availability Zone)構成を使用すると、データベースの高可用性を確保し、システムの耐久性を向上させられるでしょう。

RDSは、データベースのセキュリティとコンプライアンスを強化するためのさまざまな機能を提供しています。具体的には、データの暗号化、アクセス制御、監査ログの記録などが含まれます。

4. IAM

IAMは、ユーザーアカウントやグループを作成し、AWSリソースへのアクセス権限を管理できるサービスです。ユーザーごとに必要な権限を設定し、最小特権の原則に基づいてアクセスを制御できます。

IAMでは、ポリシーと呼ばれるJSON形式のドキュメントを使用して、アクセス権限を定義します。これにより、特定のユーザーやグループに対して、特定のAWSリソースや操作に対するアクセス権を精密に制御することが可能です。

また、IAMでは、マルチファクタ認証(MFA)を設定できます。ユーザーがログイン時に追加の認証要素を提供する必要があり、セキュリティを強化できるでしょう。

5. CloudFront

CloudFrontは、世界中に配置されたエッジロケーションを利用して、コンテンツを最も近いユーザーに高速に提供するサービスです。ユーザーの体験を向上させ、ロード時間を短縮する効果が期待できます。

CloudFrontは、AWSのグローバルインフラストラクチャーを活用して、スケーラビリティと耐久性が高い特徴を持ちます。大規模なトラフィックにも柔軟に対応し、高い可用性を提供します。

また、データの暗号化、SSL/TLSのサポート、アクセス制御などのセキュリティ機能を提供しています。AWS WAF(Web Application Firewall)と統合して、アプリケーションのセキュリティを強化することも可能です。

6. Lambda

Lambdaは、イベントに応じてコードを実行するサービスです。必要なときにのみコンピューティングリソースを使用し、アプリケーションのリアルタイムな処理を実現できます。

インフラストラクチャーの管理やスケーリングをユーザーが行う必要がないため、サーバーレスアーキテクチャの実現を可能にします。ユーザーは、コードをデプロイして実行するだけであり、サーバーのプロビジョニングや管理は不要です。

また、Lambdaは、多くのプログラミング言語をサポートしています。そのため、ユーザーは、好きな言語で関数を記述し、Lambdaで実行できるでしょう。

AWSの料金体系

AWSの料金体系は、主にサーバーの料金・ストレージの料金・データ転送の料金の3つの要素に分かれています。

ここでは、AWSの料金体系の各要素について解説します。

サーバーの料金

サーバーの料金の計算は、利用するコンピュータリソース(EC2インスタンス)の種類や使用時間が基です。

インスタンスタイプは、用途やパフォーマンスに応じたt3.micro、m5.large、c5.xlargeなどを選択できます。

インスタンスタイプによってCPU、メモリ、ストレージ容量が異なるので、料金も変動するでしょう。

オンデマンドインスタンスは、使用した分だけ支払う形式ですが、リザーブドインスタンスでは1年または3年契約で前払いで割引料金が適用されます。

スポットインスタンスでは、余剰キャパシティを利用する形で、低価格でインスタンスを使用できますが、リソースが必要になるとAWS側で停止されるケースがあります。

上記の要素から、サーバーの料金が計上されるので、毎月決まった金額になるとは限りません。

ストレージの料金

AWSのストレージサービスは、使用したストレージ容量とストレージタイプに基づいて料金が計算されます。

ストレージ容量はデータの保存に使う容量に基づいて課金され、Standard、Intelligent-Tiering、Glacierなどの使用するクラスによって料金が異なるでしょう。

例えば、Standardは高頻度のアクセス向けで高めの料金がかかり、Glacierはアーカイブ向けで安価ですがアクセスに時間がかかります。

EBSは、EC2インスタンスと連携して使用するブロックストレージで、ストレージ容量とI/O操作数に基づいて料金が発生する仕組みです。

データ転送の料金

AWSからインターネットにデータを送信する場合、転送量に基づいて料金がかかります。

例えば、最初の1GBは無料ですが、それを超えるデータ量には従量課金制で料金が発生するでしょう。

異なるAWSリージョン間でデータを転送する場合も、転送量に基づいて料金が発生します。

同じリージョン内での転送は、基本的に無料です。

コンテンツ配信ネットワークを利用してエンドユーザーにデータを配信する場合も、料金がかかります。

CloudFrontを使ってのデータ配信は、エッジロケーションと転送量に応じて異なる料金が発生するでしょう。

AWSではデータ転送の最適化を図るために、Amazon Direct ConnectやVPCピアリングなど、専用線やプライベートネットワークを使用でき、これにより転送料金の削減が可能です。

料金が決まる仕組み

AWSの多くのサービスは、使用した分だけ支払う従量課金制です。

例えば、EC2インスタンスを利用している場合、インスタンスを稼働させている時間や使用するリソースに基づいて料金が発生します。

AWSの料金は、使用する時間単位や容量単位で計算されることが多いです。

例えば、EC2インスタンスの場合は使用した時間に対して課金され、S3のストレージは保存したデータ量に基づいて料金が発生します。

AWSの使い方やできること

ここでは、AWSの使い方やできることを6つご紹介します。

1. サーバー環境の構築やWebサイトの運用

AWSは、サーバー環境を迅速に構築できる仮想サーバーや、管理が簡単なコンテナサービスを提供しています。

企業や開発者は物理サーバーを購入・管理することなく、迅速に必要なサーバー環境の構築が可能です。

例えば、EC2はAWSの仮想サーバーであり、必要な計算リソースを自由に選択できます。

需要に応じてサーバーのリソースを増減できるため、トラフィックの増加にも柔軟に対応が可能です。

用途に応じてさまざまなインスタンスタイプが選べるので、CPU負荷の高い処理には計算能力に優れたインスタンスを選び、ストレージが多く必要な場合は大容量のディスクを搭載したインスタンスを選択しましょう。

また、Webサイトの運用においても非常に有用なサービスを提供しています。

サーバーを利用したバックエンドの管理だけでなく、コンテンツ配信やデータベース管理など、さまざまなサービスが利用可能です。

例えば、Webサイトの静的コンテンツは、Amazon S3に保存できます。

これにより、コンテンツの配信が非常に効率的に行え、可用性やスケーラビリティの面でも優れたパフォーマンスを発揮するでしょう。

ユーザーがWebサイトにアクセスする際、最寄りのエッジロケーションからコンテンツが配信されるため、遅延を減らして高速なアクセスを実現します。

世界中のユーザーに対しても、安定したパフォーマンスでコンテンツを配信できるのが魅力です。

2. データ保存やコンテンツ配信

AWSは、さまざまなデータ保存サービスを提供しており、用途や必要な性能に応じて最適なサービスを選択できます。

オブジェクトストレージを提供しているAmazon S3は、データを簡単に保存・管理が可能です。

無制限にデータを保存でき、トラフィックや保存するデータ量に関わらず、自動的にスケールします。

99.999999999%という非常に高い耐久性を誇り、データが失われるリスクを極めて低く抑えられるでしょう。

また、AWSは、コンテンツ配信のためにさまざまなサービスを提供しており、特にコンテンツ配信ネットワークに関連するサービスが注目されています。

例えば、Amazon CloudFrontは、AWSのコンテンツ配信ネットワークサービスで、Webサイトやアプリケーションのコンテンツを世界中のエッジロケーションにキャッシュし、ユーザーに最適な速度でコンテンツを配信します。

ユーザーがコンテンツにアクセスすると、最寄りのエッジロケーションからデータを配信するため、低遅延で高速なアクセスが可能です。

さまざまなサービスを活用することで、データ管理とコンテンツ配信を最適化し、世界規模で効率的にサービスを運営できます。

3. データベース

AWSのリレーショナルデータベースは、テーブルにデータを保存し、SQLを使用してデータを操作するタイプのデータベースです。

AWSは、リレーショナルデータベースを管理するために便利なサービスを提供しています。

例えば、Amazon RDSは、リレーショナルデータベースのセットアップ、運用、スケーリングを簡単にするフルマネージドサービスです。

RDSを使用すると、データベース管理の煩わしい作業をAWSに任せ、アプリケーションの開発に集中できます。

またNoSQLデータベースは、リレーショナルデータベースとは異なり、非構造化データやスケーラビリティを重視したデータストレージを提供します。

例えば、Amazon DynamoDBは、フルマネージドなNoSQLデータベースサービスです。

スケーラブルかつ高性能なキー・バリュー型データストアを提供し、特に、モバイルアプリケーションやリアルタイムのアプリケーションに適しています。

AWSでは、リレーショナルデータベースやNoSQLデータベース、ビッグデータ分析向けのデータウェアハウス、グラフデータベースなど、多様なニーズに対応するデータベースをフルマネージドで利用できるため、インフラの管理を簡素化し、スケーラブルで高可用性なシステムを構築しましょう。

4. システム開発

AWSでは、システム開発に必要なインフラを簡単に構築し、運用するためのサービスが充実しています。

例えば、Amazon EC2は仮想サーバーインスタンスを提供するサービスで、開発環境、テスト環境、本番環境など、さまざまな用途に対応できます。

インスタンスのスペックを自由に選べるため、アプリケーションの規模に合わせて最適な環境の構築が可能です。

また、システム開発には、データの保存や管理が不可欠です。

AWSは、さまざまなデータベースサービスやストレージサービスを提供しており、開発者は用途に応じたデータ管理を効率的に行えます。

Amazon RDSはリレーショナルデータベースを簡単に管理できるフルマネージドサービスで、データベースのセットアップ、運用、スケーリング、バックアップ、復元などを簡単に実現できます。

システム開発においては、セキュリティを確保することも重要です。AWSは、アプリケーションのセキュリティを強化するためのサービスを提供しています。

AWS IAMを活用すれば、開発者はAWSリソースにアクセスできるユーザーやロールを細かく設定が可能です。

そのほか、AWS CodePipelineやAWS Cloud9などの開発の効率化ツールも提供しています。

5. IoTソリューションの構築

AWSでは、IoTデバイスを効率的に接続し、管理できるサービスが用意されています。

AWS IoT Coreは、IoTデバイスをクラウドに接続し、デバイスから送られるデータを安全に処理できるサービスです。

デバイス間の通信やデータ転送を簡素化し、アプリケーションに直接データを供給できます。

また、IoTデバイスから送信されたデータを収集し、効率的に処理するためのサービスも提供されています。

例えば、AWS IoT Analyticsは、IoTデバイスからのデータを処理・分析するサービスです。

膨大な量のデータを取り込み、必要な情報を抽出して処理できます。

IoTデータを保存した後で分析・活用するためのサービスを利用するなら、Amazon S3やAmazon DynamoDBなどもあります。

6. AI機能としての利用

Amazon SageMakerは、機械学習のモデルを簡単に構築、トレーニング、デプロイするためのフルマネージドサービスです。

これにより、開発者やデータサイエンティストは、膨大なインフラ構築なしに高度なMLモデルを活用できます。

SageMakerは、データ準備、モデル作成、トレーニング、チューニング、デプロイなど、機械学習の全プロセスをサポートします。

自動ML機能もあり、専門的な知識がなくても優れたモデルの構築が可能です。

またAWSは、自然言語処理(NLP)を活用したいくつかのサービスも提供しています。

活用することで、テキストデータの解析、感情分析、チャットボットの作成など、AIによる高度な言語理解が可能です。

例えば、Amazon Comprehendは、テキストの感情分析、トピック分析、エンティティ認識、言語の検出などを行うためのNLPサービスです。

文章の理解をAIに任せることで、膨大なテキストデータから価値ある情報を抽出できます。

これらのサービスは、インフラの管理が不要で、迅速かつスケーラブルに利用できるため、AIの導入ハードルを大きく下げています。

AWSを利用するメリット

ここでは、AWSを利用するメリットを4つご紹介します。

1. コスト削減につながる

AWSは、多くのサービスで従量制の課金モデルを採用しています。実際に使用したリソースに対してのみ課金されるため、不要なリソースを使用しない限り、無駄なコストを削減できます。

AWSでは、需要に応じてインフラストラクチャーを柔軟にスケーリングが可能です。たとえば、EC2インスタンスやデータベースのサイズを自動的に増減させることで、需要の変動に合わせてコストを最適化できるでしょう。

また、マネージドサービスを多数提供しており、インフラストラクチャーの運用や管理作業をAWS側が行います。その結果、システム管理やパッチ管理などの作業にかかる人件費や時間を削減できる可能性が高まります。

2. 最新のセキュリティを利用できる

AWSは、世界中で信頼されるセキュリティ機能を提供しています。これには、データの暗号化、ネットワークセグメンテーション、アクセス制御、DDoS対策などが含まれます。

AWSは、ハードウェアおよびソフトウェアのセキュリティパッチを自動的に適用できます。そのため、セキュリティの脆弱性が発見された場合でも、AWSは迅速に対応し、セキュリティのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

3. 拡張性が高い

AWSでは、需要の変化やビジネスの成長に応じて、リソースを柔軟にスケーリングできます。たとえば、EC2インスタンスの数を増減させたり、データベースの容量を変更したりすることが可能です。

AWSでは、インフラストラクチャーをコードで定義し、自動化することができます。リソースの作成・設定・管理を自動化することで、継続的なデプロイメントやスケーリングを容易に行えるようになるでしょう。

また、AWS CloudFormationやTerraformなどのツールを使用することで、インフラストラクチャーの変更を追跡し管理できます。

4. 管理・運用の負担を抑えられる

AWSが提供している多くのマネージドサービスは、AWSがインフラストラクチャーの管理や運用を行うため、ユーザーはアプリケーションの開発やビジネスに集中できるでしょう。

たとえば、RDSやElastiCacheなどのデータベースサービスを利用すると、データベースの設定やメンテナンスをAWSによって自動的に行われます。

AWSでは、インフラストラクチャーをコードで定義し自動化できます。そのため、リソースの作成・設定・管理を自動化し、人的ミスを防げるだけではなく、変更管理や環境の再現性も向上するでしょう。

AWSを利用する際の注意点

ここでは、AWSを利用する際の注意点を3つご紹介します。

1. コストを予測しにくい

AWSは、多くのサービスで従量制の課金モデルを採用しています。実際に使用したリソースに対してのみ課金されるため、利用状況やトラフィック量に応じてコストが変動し、事前にコストを予測することが難しいです。

それぞれのAWSサービスには異なる料金体系があり、どのサービスをどの程度利用するかによって、コストが大きく変わります。新しいサービスや機能が追加されることもあり、その影響を考慮する必要があるでしょう。

2. ノウハウや知識が必要である

AWSが提供しているサービスには、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、セキュリティ、人工知能、機械学習などが含まれます。それぞれのサービスや機能について理解し、最適な選択や設定を行うためには、豊富な知識や経験が必要です。

AWSを安全に利用するためには、セキュリティのベストプラクティスを遵守する必要があります。AWSのサービスや機能を正しく設定し、セキュリティに関するリスクを最小限に抑えることが重要です。

3. 特定の用途に対してのカスタマイズ性が低い

AWSを利用するとき、特定のEC2インスタンスタイプやストレージタイプ、ネットワーキング構成などに依存する傾向にあります。

特定のリージョンでのみ利用可能な機能や、一部のサービスでのみ提供される機能などが挙げられます。そのため、特定の要件やニーズに対応するための柔軟性が制限される可能性があるでしょう。

例えば、EC2ではインスタンスタイプが決められたものからしか選ぶことができません。

具体的には、CPUやグラフィックボードを特定のメーカーや製品のものにしたい、などという要望には応えられないケースがあります。

AWSの導入手順

ここでは、AWSの導入手順を5つのステップに分けてご紹介します。

すでにAWSアカウントを所有していることを前提で手順をお伝えするので参考にしてください。

1. コンソールにログインする

AWSの管理コンソールにアクセスし、ログインします。

ログインする際、AWSアカウントに関連付けられたユーザー名とパスワードを使用します。または、IAMユーザーアカウントや一時的なセキュリティ認証情報を使用してログインすることも可能です。

2. インスタンスを作成する

EC2のようなAWSサービスを使用して、インスタンスを作成して起動します。

このとき、インスタンスのタイプ、AMI・インスタンスのサイズ・ストレージの設定などを選択する必要があります。

3. インスタンスを設定する

インスタンスが起動されたら、必要に応じてセキュリティグループ・ネットワーク設定・IAMロールなどの追加設定を行います。これにより、インスタンスのセキュリティやアクセス制御を設定できます。

4. インスタンスに接続する

インスタンスにSSHやRDPなどのリモート接続ツールを使用してアクセスし、必要な設定やアプリケーションのインストール、データの転送などを行います。

また、AWS Systems ManagerやAWS CLIなどのツールを使用して、リモートでインスタンスを管理することも可能です。

5. インスタンスを終了する

インスタンスを使用し終えたら、不要な課金を避けるためにインスタンスを終了します。

このときは、EC2コンソールやAWS CLIなどのツールを使用してインスタンスを停止および削除すると良いでしょう。

AWSのサーバ構築で必要なサービス

ここでは、AWSのサーバ構築で必要なサービスを5種類ご紹介します。

1. ネットワーク

ネットワーク関連のサービスは、AWSインフラ内でリソース間の接続や通信、インターネットアクセスの管理に不可欠です。

AWSは、仮想ネットワークやトラフィック管理の機能を提供しています。

Amazon VPCは、ユーザーがAWSクラウド内に独自の仮想ネットワークを作成できるサービスです。

活用すると、サーバーやデータベースをプライベートなネットワーク内で隔離し、高いセキュリティを実現できます。

ELBは、アプリケーションやWebサーバーにかかるトラフィックを自動的に分散し、可用性を向上させるサービスです。

トラフィックが均等に複数のサーバーに分散されることで、システムの耐障害性が向上します。

Route 53は、AWSのDNSサービスで、ドメイン名の管理や、トラフィックのルーティングを行います。

ドメインの名前解決や、複数のインスタンスへのトラフィックルーティングが可能です。

2. セキュリティ

セキュリティは、クラウドでの運用において最も重要な要素のひとつです。

AWSは、リソースへのアクセス制御、データ暗号化、監視など、包括的なセキュリティ機能を提供しています。

IAMは、AWSリソースへのアクセス管理を行うサービスで、誰がどのリソースにアクセスできるかを細かく制御できます。

ユーザーやグループごとにアクセス権限を設定したり、ポリシーを使って特定の操作のみを許可したりなどが可能です。

AWS KMSは、クラウドでの暗号化キーの管理サービスです。

ストレージやトランザクションデータを暗号化するための鍵を管理でき、誰が鍵にアクセスできるかを制御し、不正アクセスからデータを守ります。

AWS Shieldは、DDoSからの保護を提供するサービスです。

すべてのAWS顧客に対して基本的なDDoS保護が提供され、追加の料金でより高度なDDoS攻撃防御を提供し、アプリケーション層の攻撃からも保護します。

3. コンピューティング

コンピューティングサービスは、実際にアプリケーションやサービスを動作させるための仮想サーバー環境の構築に便利です。

AWSは、柔軟なスケーリング、管理の簡便さ、コスト効率の良さを兼ね備えたコンピューティングサービスを提供しています。

Amazon EC2は、AWSクラウド内で仮想サーバーを起動・管理できるサービスです。

多様なインスタンスタイプを選択し、アプリケーションの必要に応じたリソースを提供します。

トラフィックの増減に合わせて、自動的にインスタンスを追加・削除が可能です。

AWS Lambdaは、サーバーレスコンピューティングサービスで、イベント駆動型の処理を実行できます。

サーバーを管理する必要なく、コードの実行が可能です。

4. ストレージ

AWSは、データの保管、バックアップ、アーカイブのために多様なストレージオプションを提供します。

データの性質や使用頻度に応じて、最適なストレージの選択が可能です。

Amazon S3は、スケーラブルなオブジェクトストレージサービスで、静的ファイルやデータを保存するためのサービスです。

データは複数の地域に分散して保存され、耐障害性があります。

EBSは、EC2インスタンスに接続するブロックストレージサービスで、データベースやファイルシステムをホストするのに適しています。

インスタンスが停止してもデータは保持され、高速な読み書きが必要なワークロードにも対応が可能です。

Amazon Glacierは、長期的なデータアーカイブ向けの低コストストレージサービスです。

データを復元するには時間がかかりますが、コストを抑えたアーカイブができます。

5. その他のソフトウェアサービス

AWSは、インフラだけでなく、アプリケーション開発や運用に役立つさまざまなソフトウェアサービスも提供しています。

Amazon RDSは、フルマネージドのリレーショナルデータベースサービスです。

MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Server、MariaDBなどのデータベースエンジンをサポートしています。

データベースのバックアップやリストアが簡単にでき、データベースの負荷に応じてリソースのスケーリングが可能です。

Amazon CloudWatchは、AWSリソースやアプリケーションの監視サービスです。

システムの健全性やパフォーマンスをリアルタイムで監視できます。

AWSでサーバを構築する方法と向いているケース

ここでは、AWSでサーバを構築する方法を2つと、各方法が向いているケースをご紹介します。

自社でサーバを構築する

自社でサーバーを運用する場合、すべてのハードウェアやソフトウェアに対して完全にコントロールが可能です。

カスタマイズや設定が自由にでき、特定のニーズに合わせた運用を実現します。

社内にデータを保管し、物理的にアクセス制限ができるため、セキュリティが高まります。

特に、敏感なデータを取り扱う場合や規制が厳しい業界では有利です。

ただし、ハードウェアの購入、データセンターの準備、ソフトウェアライセンスなど、初期費用が大きくなります。

これに加えて、運用に必要なスタッフの人件費やメンテナンスコストもかかります。

一度サーバを構築した後、リソースの追加が難しく、急な需要の増加に対応しにくい場合があるでしょう。

物理サーバーの増設やアップグレードが必要で、そのための時間やコストがかかります。

向いているケース

自社でサーバを構築することが適しているケースは、以下の通りです。

  • 高いセキュリティが求められる
  • 長期的に利用する大規模なワークロード
  • 独自のカスタマイズが必要
  • 法的・規制的な要件がある

例えば、金融業界、医療業界や、機密性の高いデータを扱う場合は、サーバーを自社で構築して物理的なアクセス管理ができる方が有利です。

サーバーの使用期間が長期にわたることが見込まれる場合や、すでに予測されるワークロードを十分に管理できるリソースがある場合には、初期投資を回収しやすいです。

特殊なアプリケーションやデータベースを運用するために、ハードウェアやソフトウェアのカスタマイズが必要な場合、自社構築の方が柔軟に対応できます。

サーバ構築を外部委託する

AWSやクラウドインフラに精通した専門業者の知識と経験を活用することで、最適なシステム設計や構築が可能です。

外部業者は、迅速に作業を進めることができるため、スピーディにサーバを構築できます。

サーバ構築に必要なリソースを節約でき、自社の他の業務に集中できるのも魅力です。

専門業者はセキュリティに関する最新のベストプラクティスを知っているので、高いレベルのセキュリティ対策を講じられます。

ただし、外部委託はコストが高くなる場合があります。

特に、高い専門性が求められる場合や、大規模なシステムの構築では、委託費用が高額になるでしょう。

サーバ構築を外部に委託すると、自社内に必要なノウハウが蓄積されにくく、今後の運用やトラブルシューティングにおいて困難が生じる可能性があります。

向いているケース

サーバ構築を外部委託することが適している場合は、以下の通りです。

  • 専門的な知識やリソースが不足している
  • 時間やリソースが不足している
  • 安全性やセキュリティを重視する
  • 大規模なインフラ構築が必要
  • 運用後のサポートが必要な

自社にAWSやクラウドインフラに関する専門知識を持ったスタッフが不足している場合、外部の専門業者にサーバ構築を委託すると、技術的な負担を軽減できます。

特に、AWSの設定や最適化、セキュリティ対策などは専門性が高いため、専門業者の力を借りることで、効率的に構築できます。

セキュリティに関して高度な対策が求められる場合、専門業者に委託すると、最新のセキュリティ対策やベストプラクティスに基づいたサーバ環境の構築が可能です。

例えば、サーバのファイアウォール設定、暗号化、アクセス制御など、AWSのセキュリティ設定についての専門的な知識が必要な場合に有効です。

サーバの運用やトラブルシューティング、定期的なアップデート・メンテナンスが必要な場合、外部委託業者に運用サポートを依頼できます。

これにより、運用に関する専門知識を自社で持たなくても、安心してシステムを運用できるでしょう。

AWSのサーバ構築の委託先の選び方

ここでは、AWSのサーバ構築の委託先の選び方を3つご紹介します。

1. AWS認定資格を持っているか

AWS認定資格は、業者がどれだけAWSに関する深い知識と技術を持っているかを示す重要な指標です。

AWS認定を持つ業者は、AWSの最新の機能やベストプラクティスに精通しており、AWS環境でのサーバ構築や運用に関して高い専門性を誇ります。

具体的なAWS認定資格は、以下の通りです。

  • AWS Certified Solutions Architect–Associate
  • AWS Certified Developer–Associate
  • AWS Certified SysOps Administrator–Associate
  • AWS Certified DevOps Engineer

これらの資格を持つ業者は、AWSでのシステム構築や運用に関する信頼性が高く、問題解決能力も優れています。

2. 過去に似たようなプロジェクトの実績があるか

過去の実績は、その業者が自社の要件に適したスキルや経験を持っているかを評価する重要な指標です。

サーバ構築の委託先が、過去に似たような規模や目的のプロジェクトを成功裏に完了している場合、自社のプロジェクトにおいても十分な成果を上げる可能性が高いです。

実績を確認する際、以下のポイントを押さえましょう。

  • 業種や規模の類似性
  • 成功事例の提供
  • 顧客の評価

実績を示す具体的な事例や成功事例を求め、その業者がどのように課題を解決したのか、どのようなAWSサービスを活用したのかを確認しましょう。

業者の能力や専門性をより正確に評価できるでしょう。

顧客の声を聞くと、信頼性や納期遵守、問題解決能力も確認できます。

3. 対応範囲が適しているか

AWSでのサーバ構築は、単にサーバを立てるだけではなく、システムの設計、セキュリティ設定、ネットワーク構築、バックアップ戦略、監視、運用管理まで多岐にわたります。

したがって、業者が提供するサービス範囲が自社の要件に合致しているかを確認することが重要です。

対応範囲を確認するポイントは、以下の通りです。

  • 設計から運用までの対応
  • スケーラビリティと柔軟性
  • セキュリティ対策
  • サポートとメンテナンス

サーバ構築の一環として、設計、構築、テスト、運用までの全てのプロセスをサポートしている業者が理想といえます。

定期的なバックアップやセキュリティアップデートの実施、システムの監視など、日常的な運用がどのようにサポートされるかも重要です。

まとめ

AWSを利用することで、コスト削減や高度なセキュリティ、柔軟な拡張性、管理・運用の負担軽減などのメリットが得られる可能性があります。

ただし、コストの予測が難しい、専門知識が必要である、オンプレミスに比べて柔軟性に欠けるなどの注意点もあります。

メリットだけではなく、注意点も把握したうえでAWSの利用を検討すると良いでしょう。

また、本記事でご紹介した導入手順を事前に確認しておくことで、スムーズに導入できるでしょう。