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AWSで何ができる?できないことや活用事例を紹介

2023.07.12

システム構築やアプリ開発を検討している方の中には、どのプラットフォームで開発を進めようか、自社開発で進めていこうか、迷っている方がいるのではないでしょうか。

システム構築やアプリ開発などができるプラットフォームには、AWSなどがあります。

しかし利用しはじめる前に、各プラットフォームで何ができるのか、自社の課題を解決できるものがつくれるのか、などを確認することが大切です。

本記事では、AWSで何ができるのか、できないことは何かを解説します。

またAWSの活用事例もご紹介するので、AWSを利用しようか迷っている方はぜひ参考にしてください。

AWSとは?

AWSとは?

AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。

AWSは、仮想サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーキング、機械学習、セキュリティなど、多岐にわたるクラウドサービスを提供しています。企業や個人が柔軟にスケーラブルなITインフラストラクチャを構築・運用できます。

また世界中で広く利用されているプラットフォームであり、企業のデジタルトランスフォーメーションやイノベーションを支援するものとしても注目されています。

AWSで何ができる?できること一覧

AWSで何ができる?

AWSを利用しようか迷っている方は、まずAWSで何ができるかを確認しましょう。できることを知って、自社がつくりたいものを実現できるかを確かめることがポイントです。

ここでは、AWSで何ができるのか、できることを8つご紹介します。

サーバー環境の構築および管理

AWSでは、さまざまなサーバー環境の構築および管理に関するサービスを提供しています。

EC2(Elastic Compute Cloud)は、EC2を使用して必要な数の仮想マシンを起動し、アプリケーションを実行できる仮想サーバーサービスです。サイズ、インスタンスタイプ、オペレーティングシステムを選択し、スケーリングやネットワーキングの設定を行えます。

Auto Scalingは、トラフィックの変動に応じて自動的にインスタンスの数の増減が可能です。これにより、需要の変動に対応し、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を維持できます。

Elastic Load Balancerは、トラフィックを複数のEC2インスタンスに均等に分散させられます。負荷分散と冗長性を実現し、アプリケーションのスケーラビリティと可用性の向上につながるでしょう。

AMI(Amazon Machine Image)は、EC2インスタンスの起動に使用される仮想マシンイメージです。AMIを作成してカスタマイズした環境を保存すると、複数のインスタンスで再利用できます。

CloudWatchは、AWSリソースのモニタリングと管理を行うためのサービスです。EC2インスタンスのパフォーマンス監視、メトリクスの収集、アラームの設定、ログの集約など、サーバー環境の監視とトラブルシューティングをサポートします。

AWS Systems Managerは、サーバーレスなインフラストラクチャの管理を提供するものです。パッチ管理、設定管理、セキュリティの自動化、ランブックの作成など、サーバーレス環境の効率的な管理を支援します。

ストレージサービス

AWSは、さまざまなストレージサービスを提供しています。

Amazon S3(Simple Storage Service)は、大容量のデータを安全に保存およびアクセスできるオブジェクトストレージサービスです。静的ウェブサイトホスティング、データバックアップ、メディア配信など、さまざまな用途に使用できます。

Amazon EBS(Elastic Block Store)は、EC2インスタンスに永続的なブロックベースのストレージボリュームを提供するブロックレベルのストレージサービスです。データベースやアプリケーションの永続ストレージに適しています。

Amazon EFS(Elastic File System)は、複数のEC2インスタンスで共有されるファイルストレージを提供するネットワークファイルシステムです。複数のEC2インスタンスからの同時アクセスやスケーラビリティが必要なアプリケーションに適しています。

AWS Storage Gatewayは、オンプレミス環境とクラウドの間でデータのシームレスな統合を可能にするハイブリッドストレージサービスです。ローカルでのキャッシュやデータのストレージ、バックアップ、災害復旧などに使用できます。

AWS Snow Familyは、大量のデータをオフラインでAWSに転送するためのサービスです。AWS SnowballやAWS Snowmobileなど、物理的なデバイスを使用してデータの移動と転送を容易にします。

データベースサービス

AWSは、さまざまなデータベースサービスを提供しています。

Amazon RDS(Relational Database Service)は、MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなどの主要なデータベースエンジンをサポートするサービスです。データベースのデプロイ、管理、スケーリング、バックアップなどを簡単に行えます。

Amazon DynamoDBは、高速でスケーラブルなアプリケーションを構築するための柔軟なデータモデルを提供するNoSQLデータベースサービスです。マイクロ秒レベルのパフォーマンス、自動スケーリング、耐久性などの特徴があります。

Amazon Redshiftは、大規模なデータセットの分析やクエリ処理を高速に実行できるデータウェアハウスサービスです。カラムベースのストレージと分散処理により、高いパフォーマンスとスケーラビリティを実現します。

Amazon Auroraは、Amazon RDSの一部として提供されている高性能で耐久性のあるリレーショナルデータベースエンジンです。MySQLとPostgreSQLの互換性を持ちながら、高速なパフォーマンスと高可用性を提供します。

Amazon DocumentDBは、スケーラビリティ、パフォーマンス、耐久性に優れたMongoDBと互換性のあるドキュメントデータベースサービスです。既存のMongoDBアプリケーションを移行せずに、AWS上で実行できます。

Amazon Neptuneは、関連性の高いデータの繋がりを表現するためのグラフ構造を使用するグラフデータベースサービスです。高いパフォーマンスとスケーラビリティを提供し、推論、推奨、ネットワーク分析などの用途に適しています。

コンピューティングサービス

AWSは、さまざまなコンピューティングサービスを提供しています。

AWS Lambdaは、コードを実行するためのインフラストラクチャの管理を不要とするサービスです。イベントに応じてコードが実行され、必要なリソースが自動的に割り当てられます。スケーラビリティとコスト効率が高く、マイクロサービスやリアルタイムデータ処理などの用途に適しています。

Amazon ECS(Elastic Container Service)は、Dockerコンテナを実行するための環境を提供するサービスです。スケーラブルで耐障害性のあるアプリケーションのデプロイと管理ができます。

Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)は、Kubernetesクラスタの設定、スケーリング、管理を簡素化するサービスです。コンテナ化されたアプリケーションのデプロイと管理において、スケーラビリティと可用性を向上させます。

AWS Batchは、コンピューティングリソースのプロビジョニング、スケジューリング、監視を自動化するサービスです。大量のジョブの処理やデータ処理のバッチジョブに適しています。

セキュリティとアクセス管理

AWSは、さまざまなセキュリティとアクセス管理に関するサービスを提供しています。

AWS Identity and Access Management(IAM)は、AWSアカウント内のリソースへのアクセスを管理するためのセキュリティサービスです。ユーザー、グループ、ロールの作成と管理、アクセス許可の付与、マルチファクタ認証など、細かいアクセス制御を実現します。

Amazon VPC(Virtual Private Cloud)は、独立した仮想ネットワークを構築できるサービスです。セキュリティグループやネットワークアクセス制御リスト(NACL)を使用してトラフィックの制御を行い、アプリケーションのセキュリティを確保します。

AWS Web Application Firewall(WAF)は、アプリケーション層のセキュリティを強化するためのサービスです。Webトラフィックに対するファイアウォールルールやカスタムルールを設定し、悪意のあるアクセスや攻撃をブロックできます。

AWS Shieldは、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃からのアプリケーションの保護を提供するサービスです。StandardはデフォルトでAWSアカウントに提供され、Advancedはより高度なDDoS保護とリアルタイムの攻撃通知を提供します。

AWS CloudTrailは、AWSアカウント内のアクティビティの監査ログを提供するサービスです。APIの呼び出し履歴やイベントの詳細を取得し、セキュリティ監査やコンプライアンス要件を満たすためのトレース性を提供します。

AWS KMS(Key Management Service)は、データの暗号化に使用されるマネージド暗号化サービスです。暗号化キーの作成と管理、データの暗号化と復号化を行い、データの保護とコンプライアンスを確保します。

モバイルサービス

AWSは、さまざまなモバイルサービスを提供しています。

Amazon Cognitoは、ユーザーの認証、登録、アクセス制御を提供するユーザー管理サービスです。ユーザーのアカウント情報やセッション管理を簡単に統合し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。

AWS Mobile Hubは、モバイルアプリケーションのバックエンドサービスを提供する統合開発環境です。データベース、ストレージ、ユーザー認証、プッシュ通知などの機能を迅速に統合できます。

Amazon Pinpointは、モバイルアプリのユーザーエンゲージメントを管理するためのマーケティングサービスです。ターゲットユーザーに対してパーソナライズされた通知やプッシュメッセージを送信し、ユーザーエンゲージメント向上につなげます。

AWS Device Farmは、モバイルアプリケーションのテスト環境を提供するサービスです。さまざまなデバイスやオペレーティングシステムでのアプリのテスト・デバッグを容易に行えます。

AWS Amplifyは、モバイルおよびウェブアプリケーションのフロントエンドとバックエンドの開発を迅速化するためのフレームワークです。認証、データベース、ストレージ、APIなどのバックエンド機能を統合し、モバイルアプリの開発プロセスをシンプルにします。

AIおよび機械学習

AWSは、さまざまなAIおよび機械学習に関するサービスを提供しています。

Amazon SageMakerは、機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイをサポートするサービスです。モデルの開発、自動ハイパーパラメータ調整、推論のホスティングまで、機械学習のフルライフサイクルをサポートします。

Amazon Rekognitionは、画像およびビデオの解析に特化したコンピュータビジョンサービスです。顔認識、オブジェクト検出、シーン分析など、さまざまなビジョンタスクを実行できます。

Amazon Pollyは、テキストを自然な音声に変換するテキスト読み上げサービスです。リアルタイムの音声合成や多言語サポートなど、多様な読み上げニーズに対応します。

Amazon Comprehendは、テキストデータの分析と洞察を提供する自然言語処理サービスです。感情分析、キーフレーズ抽出、固有表現抽出など、テキストの意味解析に役立ちます。

Amazon Forecastは、時系列データの予測モデリングを行うためのマネージドサービスです。需要予測、リソース最適化、在庫管理などのビジネスシナリオに使用できます。

Amazon Lexは、音声やテキストベースの対話型インタフェースを構築するためのサービスです。チャットボットや音声ベースのインタラクションを実現し、ユーザーエクスペリエンスの向上につなげます。

インターネットオブシングス(IoT)

AWSは、さまざまなインターネットオブシングスに関するサービスを提供しています。

AWS IoT Coreは、IoTデバイスとクラウドアプリケーションの間の通信と相互作用を可能にするサービスです。デバイスの接続、セキュリティ、データ処理、ルールベースのアクションなどを提供します。

AWS IoT Device Managementは、大規模なIoTデバイスフリートの管理を容易にするためのサービスです。デバイスの登録、監視、リモート操作、ファームウェアの管理など、デバイスのライフサイクル全体を管理できます。

AWS IoT Analyticsは、IoTデータの収集、処理、分析を行うためのサービスです。リアルタイムおよびバッチ処理のデータ分析、機械学習の統合、データの視覚化など、洞察の獲得をサポートします。

AWS Greengrassは、エッジデバイス上でのコンピューティングとデータ処理を実現するためのサービスです。デバイスからのリアルタイムデータ処理やアクションの実行を可能にし、遅延や帯域幅の制約を克服します。

AWS IoT Eventsは、イベント駆動型のルールベースのシステムを作成するためのサービスです。デバイスからのデータを監視し、カスタムイベントを検出してアクションを実行することで、リアルタイムのアプリケーション制御を実現します。

AWSでできないこと一覧

AWSでできないこと

AWSでできることだけではなく、できないことを把握しておきましょう。

ここでは、AWSでできないことを5つご紹介します。

物理的なハードウェアの管理

AWSはクラウドコンピューティングプラットフォームであるため、ユーザーは物理的なハードウェアの管理を直接的に行うことはできません。

物理的なハードウェアにアクセスできないため、ハードウェアの故障や障害に対して直接的に制御できません。利用者はAWSに依存し、AWS側が適切なハードウェアのメンテナンスと修理を行う必要があります。

また、AWSのデータセンターにアクセスできないので、物理的なセキュリティに関する直接的な制御ができません。セキュリティ対策やアクセス制御はAWSが管理していますが、ユーザーは物理的なセキュリティの実装や監視に関して完全な可視性を持つことはできません。

オフラインでの利用

AWSはクラウドコンピューティングプラットフォームであり、一部のサービスを除いてオンライン環境での利用に特化しています。

AWSの多くのサービスは、インターネット接続が確立された状態での利用を前提としています。AWSのリソースにアクセスし、データの送受信、管理、監視を行うために必要です。

またAWSは、データセンターを所有・運営しており、一般のユーザーが直接アクセスすることはできません。物理的なインフラストラクチャを管理し、仮想化されたリソースを提供します。

データセンターの管理

AWSはクラウドコンピューティングプラットフォームであり、データセンターの管理を直接的に提供することはありません。

AWSを利用する際、物理的なデータセンターの管理はAWSに委ねられます。AWSを利用していた場合、ハードウェアの配置、ネットワークの構成、電力管理など、ローカルインフラストラクチャ全体の制御が制約されてしまうでしょう。

特定のソフトウェアのライセンス管理

AWSの特定のソフトウェアには、ライセンスに関する制約があります。直接的にソフトウェアのライセンス管理を提供していないため、ユーザーは自身でライセンスコンプライアンスを確保する必要があります。ライセンス違反による法的なリスクや罰則を避けるために、ライセンス管理の厳格な実施が求められるでしょう。

AWSに移行する場合、オンプレミス環境で利用していた特定のソフトウェアのライセンス移行やハイブリッドアプローチに制約が生じることがあります。ソフトウェアベンダーとの協力やライセンス認証の手続きが必要となるケースもあります。

特定の国や地域への制約

特定の国や地域への制約があると、AWSのサービスやリソースをその地域での活用に制限が生じます。ビジネス展開や新規市場への進出が制限され、成長の機会が制限される恐れがあるでしょう。

特定の国や地域への制約により、AWSユーザーはレギュラトリーコンプライアンスの要件に従う必要があります。特定の業界や地域の規制や法的要件に準拠するための対策や監査が必要となり、それに伴いコストやリソースの追加が必要となるケースがあるでしょう。

AWSを利用するメリット

ここでは、AWSを利用するメリットを5つご紹介します。

初期費用を抑えられる

従来のオンプレミスのシステムでは、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などの物理的なインフラを購入し、設置する必要がありました。しかしAWSを利用すると、これらの物理的なインフラをクラウド上で提供されるサービスとして利用でき、大幅な初期費用の削減が可能です。

AWSでは、必要なリソースを必要な分だけ利用し、使用量に応じて課金されます。これにより、未使用のリソースに対する無駄な投資を防ぎ、初期費用を抑えることができるでしょう。

高いセキュリティ

AWSは、多数の国際的なコンプライアンス認証および基準に準拠しています。これにはISO 27001、HIPAA、PCI-DSSなどが含まれ、特定の業界や地域の法的要求に適応する能力を提供します。

AWSのデータセンターは、厳格な物理的セキュリティ対策によって保護されているので安心できるでしょう。具体的には、アクセス制御、監視、環境管理などが組み込まれています。

AWSでは、IAMを使用してユーザー、グループ、ロールに対する詳細なアクセスポリシーの設定が可能です。そのため、最小権限の原則に基づいたアクセス制御を実現できます。

また、セキュリティの監視と管理を自動化する機能も提供しています。不正アクセスや異常なパターンを迅速に検出し、その都度対処が可能です。

自由度が高い

AWSは、計算、ストレージ、データベース、機械学習、AI、IoTなど、幅広いカテゴリーにまたがる200以上のサービスを提供しています。これにより、ユーザーは特定のニーズに最適なサービスを選択できます。

AWSでは、さまざまなコンピューティングニーズに対応するために、多種多様なインスタンスタイプやストレージオプションを用意しています。各アプリケーションの要件に応じて最適なリソースの選択が可能です。

また、ユーザーは自身のアプリケーションやビジネス要件に合わせて、仮想環境を完全にカスタマイズできます。これには、ネットワーク構成、セキュリティ設定、オペレーティングシステムの選択などが含まれます。

継続的に値下げされている

AWSは、技術の進化に伴い、定期的にサービスの価格を見直し、料金を下げる傾向にあります。

AWSは世界最大級のクラウドインフラストラクチャを運用しています。この規模の大きさは、コスト削減の恩恵をユーザーにも還元することを可能にします。

また、インフラストラクチャの運用効率を継続的に改善しています。そのためコスト節約が実現され、その一部がサービスの価格低下に反映されることがあるでしょう。

AWSは最新の技術を積極的に採用しており、新しいコンピューティング手法、ストレージソリューション、ネットワーク技術などを導入することで、全体的なコストを下げているともいわれています。

価格の低下は、AWSを利用する企業や開発者にとってコスト効率の向上を意味します。特にスタートアップや中小企業にとっては、ITインフラに関する財政的な負担が軽減されます。

管理の負担を軽減できる

AWSのようなクラウドサービスを利用することで、物理的なインフラストラクチャの設置、運用、保守といった面での手間が大幅に削減され、より効率的なIT管理が可能になるでしょう。

AWSは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などの物理的なハードウェアの購入や設置の必要がありません。そのため、ハードウェアの設置に関わる時間とコストが削減されます。

またAWSでは、多くの運用タスクが自動化されています。たとえば、サーバーのパッチ適用、バックアップ、スケーリングなどが自動的に行われるため、手動での作業が減少するでしょう。

AWSはサーバーやストレージシステムのメンテナンスを定期的に行い、最新の状態に保ちます。これにより、企業は自社のITリソースに関するメンテナンス作業負担を軽減できます。

AWSを利用するデメリット

ここでは、AWSを利用するデメリットを3つご紹介します。

サービスの種類が多過ぎる

AWSは、200以上のサービスを提供しています。数あるサービスのなかから最適なものを選択することは、特に新規ユーザーにとっては圧倒的に感じられるケースがあるでしょう。

各サービスは特定のニーズや用途に特化しており、どのサービスが特定のビジネスケースに最適かを判断するのは難しい場合があります。

複数のAWSサービスを統合して使用する際、設定の複雑性や相互依存性が管理の難易度を高めることがあります。多様なサービスを使用することで、システムアーキテクチャが複雑になり、メンテナンスやトラブルシューティングが難しくなる場合があるでしょう。

ランニングコストを予測するのが難しい

AWSの多くのサービスは。使用量に基づいて課金されます。そのためリソースの使用量が予測よりも増加すると、コストもそれに応じて増加します。

AWSにはオンデマンド料金、リザーブドインスタンス、スポットインスタンスなど、さまざまな料金オプションがあります。これらのオプションの組み合わせによって最適なコストパフォーマンスを得るには、詳細な計画と理解が必要です。

特に、Webアプリケーションやeコマースプラットフォームのように、ユーザートラフィックに大きく依存するサービスの場合、トラフィックの予測が難しく、それに伴いコストの予測も困難になります。

またAWSは、定期的に新しいサービスや機能を追加します。追加された新しいサービスを適切に評価し、コスト予測に組み入れることが大切です。

ノウハウの習得が必要である

AWSは200以上の異なるサービスを提供しており、それぞれに特有の機能、設定オプション、使用方法があります。各サービスは非常に技術的に深い内容を持っており、効率的に利用するには、その機能と最適な使用方法を理解する必要があるでしょう。

AWSは頻繁に新しいサービスを追加し、既存のサービスをアップデートします。これにより、最新の機能やベストプラクティスを常に学び続ける必要があります。

AWSの学習には、公式のトレーニングコース、オンラインリソース、認定資格プログラムなどがありますが、これらを十分に活用するためには時間と労力が必要です。AWSを最大限に活用するには、クラウドコンピューティング、ネットワーキング、セキュリティ、データベース管理などの分野に精通した技術者を雇わなくてはいけないケースがあります。

AWSの主なサービス

AWSでできることを実践する前に、どのようなサービスがあるのかを把握しておくことが大切です。

ここでは、AWSのサービスの中から多くのユーザーに利用されているものを5つご紹介します。

Elastic Compute Cloud(EC2)

Elastic Compute Cloud (EC2)は、仮想サーバー(インスタンス)を提供し、オンデマンドでスケーラブルなコンピューティングリソースを利用できるようにします。使用すると、ユーザーは必要なだけの仮想サーバーを作成・起動し、アプリケーションを実行できます。

AWSでは、異なるインスタンスタイプの選択が可能です。AWSのインスタンスタイプは、異なるCPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク性能を提供し、さまざまな用途に適したものがあります。

また、アプリケーションの需要に合わせて自動的にスケーリングできます。負荷が増加した場合に自動的にインスタンスを増やすことで、アプリケーションのパフォーマンスの維持が可能です。

EC2は、インスタンスに永続性のあるブロックストレージや、一時的なストレージを使用できます。さらに、オブジェクトストレージサービスであるAmazon S3と連携することも可能です。

Relational Database Service(RDS)

Amazon Relational Database Service(RDS)は、オンデマンドでスケーラブルなリレーショナルデータベースインスタンスを簡単に作成・管理できるサービスです。一般的なリレーショナルデータベースエンジンをサポートしています。

RDSを利用することで、ユーザーはデータベースのデプロイ、設定、スケーリング、パッチ適用、バックアップなどのタスクを簡単に自動化できます。高可用性と耐障害性を提供し、データベースの冗長性と自動バックアップを管理できる点が特徴です。

またRDSはAmazon Virtual Private Cloud(VPC)と統合されており、セキュリティを強化してデータベースへのアクセスを管理できます。

これらの特徴から開発者や企業は、複雑なデータベース管理の負担やコストを軽減しながら、スケーラブルかつ信頼性の高いデータベースソリューションを利用できるようになるでしょう。

Workspaces

Amazon WorkSpacesは、仮想デスクトップ環境をクラウド上で簡単に作成・管理できるサービスです。仮想デスクトップを提供することで、ユーザーはクラウド上でリモートでデスクトップ環境にアクセスできるようになります。

デスクトップアプリケーションやデータにインターネットを介して、さまざまなデバイスからアクセスできるため、リモートワーカーやモバイルユーザーにおすすめです。

またAWSマネージドサービスであり、デスクトップインスタンスの作成、パッチ適用、バックアップ、監視などの管理タスクをAWSが自動的に処理します。

AWSのセキュリティ機能と統合されており、ネットワークセグメンテーション、データ暗号化、マルウェア対策などのセキュリティ対策が提供されます。必要に応じてスケーリングでき、複数のユーザーに対応する大規模なデスクトップ環境の構築が可能です。

Virtual Private Cloud(VPC)

Virtual Private Cloud(VPC)は、AWSクラウド内にプライベートなネットワーク環境を構築し、AWSリソースを安全に接続するために使用するサービスです。

VPCでは、ユーザーが自分自身のネットワーク範囲を定義できます。これにより、VPC内のサブネットやルーティングをカスタマイズしてネットワークの構成の制御が可能です。

また、AWSリソースをプライベートネットワーク内に隔離できます。セキュリティグループやネットワークアクセス制御リストを使用することで、トラフィックの制御やアクセス許可の設定も行うことが可能です。

VPCは、インターネットへのアクセスを制御するためのゲートウェイを提供します。これにより、インターネットに直接接続するか、プライベートサブネットを作成してトラフィックを制御できます。

必要に応じて拡張できるため、新しいサブネットやゲートウェイを追加し、AWSリソースのパフォーマンスや可用性を向上させられるでしょう。

Elastic Load Balancing(ELB)

Elastic Load Balancing(ELB)は、トラフィックを複数のAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)インスタンス、コンテナ、IPアドレスなどのバックエンドリソースに自動的に分散できるサービスです。利用することで、アプリケーションの可用性とスケーラビリティを向上させる役割を果たします。

自動的にスケールするため、負荷が増加した場合には自動的に新しいリソースを追加して対応できるでしょう。

またELBはヘルスチェックを行って、正常に動作していないインスタンスにトラフィックを送信しないようにしています。これにより、アプリケーションの可用性を高められます。

アプリケーションの冗長性と高可用性を確保するために幅広く利用されており、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、マイクロサービス、コンテナなどの多くのシナリオで重要な役割を果たしています。

AWSの活用事例

AWSの活用事例

AWSを利用してどのような効果が得られたのか知りたい方は、活用事例をチェックしてみましょう。

ここでは、注目されているAWSの活用事例を3つご紹介します。

引用:お客様のクラウド導入事例

任天堂株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー

任天堂株式会社は、「任天堂IPに触れる人口の拡大」を基本戦略に掲げています。開発において課題となったのがデータベースであり、大量のアクセスが発生しても快適に遊べるスケーラビリティ、ユーザー体験を損なわないパフォーマンス、サーバーとオペレーションコストの最適化が課題です。

AWSを導入してからは、予測が難しいワークロードであっても、瞬間的なアクセス増大に対応できるデータベースリソースが利用できるようになりました。ゲームリリース初日には、リクエスト急増時も安定したレスポンスを実現しています。

また、データベースの運用工数削減とエンジニアの心理的な負担軽減にもつながりました。

東京海上日動火災保険株式会社

東京海上日動火災保険株式会社は、2018年度からSoRのクラウド化をはじめた企業です。現在は、DX による価値創造・多様性と働き甲斐の向上・挑戦を支える企業風土や企業文化への変革を戦略の柱として事業に取り組んでいます。

AWSを導入してからは、実際に開発スピードが向上し、他社と連携したDXも容易に実現しました。AWSには継続的な安定稼働と大阪リージョンの拡充を期待しており、最終的には主要システムの多くをクラウド化することを目標にしています。

浜松市

浜松市は、AIをはじめとする先端技術やデータ活用などのデジタルの力を最大限に活かした、持続可能な都市づくりの推進を目的とする『デジタルファースト宣言』を行っています。少子高齢化や人口減少などの社会課題にいち早く対応することが目的です。

AWSを導入してからは、データ連携基盤の活用に関わる実証実験のための環境、環境変化に対し俊敏に追随していける基盤を実現しました。

またクラウドサービスの採用によるインフラコストの低減や、全国の自治体に対して有効なモデルケースの提示に発展しています。

AWSでできることを増やしたいなら資格取得もおすすめ

AWSを使いこなすには、AWSについて知識を身につけて理解を深めていくことが大切です。どのようなサービスがあるのか知りたい場合や、できることを増やしたいという場合には、AWSの認定資格を取得してみてはいかがでしょうか。

AWSの認定資格には、以下のようなものがあります。

  • クラウドプラクティショナー
  • デベロッパー
  • SysOps アドミニストレーター
  • ソリューションアーキテクト-アソシエイト
  • ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル
  • DevOps エンジニア
  • アドバンストネットワーキング
  • データアナリティクス
  • データベース
  • 機械学習
  • セキュリティ
  • SAP on AWS

まとめ

AWSはクラウドコンピューティングプラットフォームであり、サーバー環境の構築や管理、ストレージサービス、データベースサービス、コンピューティングサービスなどのさまざまなサービスや機能を提供しています。

ただし、物理的なハードウェアの詳細な管理やオフラインでの利用、ローカルデータセンターの管理など、一部の事項はクラウドプラットフォームの特性により違う可能性があります。

できないこともあるAWSですが、任天堂株式会社や株式会社ディー・エヌ・エー、東京海上日動火災保険株式会社、浜松市などの大企業や政府機関に利用されており、柔軟性、拡張性、セキュリティなどの利点を活かしたビジネスやサービスの展開に成功しています。

AWSの利用を検討している方は、AWSで自社の課題を解決できるのか判断するために、本記事でご紹介したできることとできないことをぜひ参考にしてください。