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AWSクラウド移行を外部委託すべきか?SIer選び方・費用相場・失敗しない進め方【製造業向け】

2026.06.29

/最終更新日:

基幹システムをオンプレミスからAWSに移行したい——そう考えながらも、「自社で進めるのは難しい」「どこに相談すればいいかわからない」と足踏みしている情シス担当者は少なくありません。

クラウド移行は一度きりの大型プロジェクトです。専門知識のないまま進めると、コスト超過・移行後の障害・セキュリティ事故といったリスクが高まります。一方、適切なSIerに外部委託すれば、これらのリスクを大幅に下げながら、移行後の運用まで安心して任せることができます。

本記事では、クラウド移行を外部委託すべきかの判断基準・SIerの選び方・費用相場・プロジェクトの進め方を、製造業の情シス担当者向けに解説します。

目次

想定読者

本記事は、次のような方を想定しています。

  • オンプレミスサーバーの老朽化・保守切れを契機にAWS移行を検討している情シス担当者
  • 自社でクラウド移行を進める技術力・リソースがなく、外部委託を検討している方
  • SIerに依頼する際の費用感や選定基準がわからない方
  • 移行後の運用保守まで含めて一括で任せたいと考えている方

1. クラウド移行を外部委託すべきか?判断基準4つ

まず「自社対応でいくか、SIerに外部委託するか」の判断基準を整理します。次の4項目に1つでも当てはまる場合、外部委託を強く推奨します。

① 社内にAWS・クラウドの専門知識がない

AWSはEC2・RDS・S3・VPCなど200以上のサービスで構成されており、移行設計には相応の専門知識が必要です。「クラウドは聞いたことがある」レベルでの自社対応は、設計ミス・セキュリティホール・コスト爆発のリスクを高めます。

② 移行中も通常業務を止められない

製造業では受発注・生産管理・在庫管理などの基幹システムが止まると業務に直結します。SIerへの外部委託では、本番移行を週末深夜に実施するなどダウンタイムを最小化する設計が標準的に組み込まれます。

③ 移行後の運用・監視体制を整えられない

移行して終わりではなく、クラウド環境の監視・障害対応・コスト最適化が継続的に必要です。社内に専任担当者を置けない場合は、移行後のマネージドサービス(運用代行)まで一括で依頼できるSIerが安心です。

④ セキュリティ・コンプライアンス要件が複雑

製造業では顧客データや設計図面など機密性の高い情報を扱います。業界固有のセキュリティ要件に対応した構成設計には、実績のあるSIerのノウハウが不可欠です。

2. SIerに外部委託するメリットと注意点

メリット

移行実績・ノウハウを活用できる
SIerはこれまでに多数のクラウド移行プロジェクトを経験しています。「どのサービスを組み合わせるか」「どの順番で移行するか」といった現場知見を活かした設計が可能です。

AWS公式の技術支援を受けられる(AWSパートナーの場合)
AWSが認定するパートナー企業は、AWS側からの技術的なサポートを直接受けられます。最新のサービスアップデートや移行支援ツールをいち早く活用できるため、移行品質・スピードが向上します。

失敗リスクを大幅に低減できる
移行前の要件整理・テスト設計・ロールバック手順の策定など、リスク管理が体系化されています。自社で進めた場合に起きやすい「テスト不足による本番障害」「設計ミスによるコスト超過」を防ぎやすくなります。

移行後の保守まで一貫して任せられる
移行プロジェクト終了後も、同じSIerがクラウド環境の監視・障害対応・月次レポートを継続して担当できます。担当者が変わるたびに引き継ぎが発生するリスクがなく、長期的な関係を築けます。

注意点

要件定義への主体的な関与が必要
「丸投げ」にすると、実際の業務要件が正しく反映されないまま設計が進むリスクがあります。要件定義フェーズでは、現場担当者も積極的に参加し、業務フローや制約条件をSIerに正確に伝えることが重要です。

複数社から相見積もりを取ること
費用感はSIerによって大きく異なります。1社だけに依頼すると相場観がつかめないため、最低でも2〜3社から提案を受けることを推奨します。

3. AWS移行の費用相場(外部委託の場合)

外部委託でのクラウド移行費用は、移行対象の規模・複雑さによって大きく異なります。以下は目安です。

規模対象の目安外部委託費用の目安
小規模サーバー3〜5台・社内業務システム中心300万〜600万円
中規模サーバー10〜20台・複数システム連携あり800万〜1,500万円
大規模基幹システム含む・100台超のサーバー群2,000万〜5,000万円以上

移行後の月額運用費(マネージドサービス)の目安:

内容月額目安
監視・障害対応のみ5万〜15万円/月
監視+コスト最適化+月次レポート10万〜30万円/月
運用代行(フルマネージド)20万〜50万円/月

費用を左右する主な要因:

  • 移行対象サーバー台数・データ量
  • 現行システムの複雑さ(カスタム開発・レガシー構成の有無)
  • 要件定義・設計フェーズの工数
  • 移行後の運用サポートの範囲

移行費用の概算を自分で試算したい場合は、AWS Pricing Calculatorが活用できます。

4. 失敗しないSIer選び5つのポイント

SIer選定は移行プロジェクトの成否を左右します。次の5点を確認してください。

ポイント1:AWSパートナー資格を保有しているか

AWSにはパートナープログラムがあり、技術力・実績・体制が審査されます。Advanced TierまたはPremier Tierのパートナーは、AWSから直接技術支援を受けられる信頼性の高い企業です。AWSのWebサイトで検索・確認できます。

ポイント2:同業種・同規模の移行実績があるか

「製造業の基幹システム移行経験があるか」は特に重要です。業種固有の要件(工場のネットワーク構成、生産管理システムの特性など)を理解したSIerと、そうでないSIerでは、プロジェクト品質に大きな差が生じます。

ポイント3:要件定義から運用まで一貫対応できるか

移行フェーズだけを担当して「あとはご自身で」というSIerもいます。移行後の運用・監視・障害対応まで一貫して任せられるか、契約前に確認してください。

ポイント4:移行後の保守・監視体制が明確か

24時間365日の監視体制があるか、障害発生時の連絡フロー・対応時間(SLA)が明示されているかを確認します。「担当者に電話する」だけの体制では、夜間・休日の障害に対応できない場合があります。

ポイント5:担当者の技術力と提案の具体性

提案書や打ち合わせの段階で、「なぜこの構成にするか」「どのサービスをどう使うか」を具体的に説明できるかを確認します。曖昧な回答しか返ってこない場合や、費用の根拠が不明確な場合は注意が必要です。


AWS移行について、まずは概算費用や対応範囲を相談したい方はこちら。


5. AWS移行プロジェクトの進め方(SIer活用型・5ステップ)

SIerに外部委託した場合の標準的なプロジェクトの流れを解説します。

ステップ1:現状調査・要件定義(目安:1〜2ヶ月)

現在のオンプレ環境(サーバー台数・スペック・ソフトウェア構成・ネットワーク)を棚卸しし、AWS移行後に何を実現したいかをSIerとすり合わせます。この段階で移行対象と移行しないシステムを切り分けます。

ポイント: 現場の業務担当者も参加させ、「このシステムが止まると何が困るか」を洗い出しておくと、移行優先度の整理がスムーズになります。

ステップ2:移行設計・コスト見積もり(目安:1〜2ヶ月)

要件定義をもとに、AWS上の構成設計(どのサービスをどう使うか)と費用見積もりをSIerが作成します。AWS Pricing Calculatorを使った詳細見積もりをこの段階で確認します。

ポイント: 見積もりには「初期費用(移行作業費)」と「月額ランニングコスト(AWS利用料+運用代行費)」の両方を含めて比較検討します。

ステップ3:環境構築・テスト(目安:2〜4ヶ月)

AWSの環境をSIerが構築し、現行システムとの並行稼働テストを実施します。性能テスト・セキュリティテスト・業務シナリオテストを段階的に行い、本番移行への準備を整えます。

ポイント: テスト期間を短縮するために、まず重要度の低いシステムや開発環境から移行し、知見を積んでから本番システムへ進む「段階移行」が一般的です。

ステップ4:本番移行・切り替え(目安:1〜2週間)

テストが完了したら、ダウンタイムを最小限に抑えた切り替え作業を実施します。製造業では週末深夜や連休を活用することが多く、切り替え後も一定期間はオンプレ環境を並行稼働させてリスクを分散します。

ポイント: 移行当日は、SIer担当者と自社担当者が連携できる体制(Teamsや電話)を準備し、問題発生時のロールバック手順を事前に合意しておきます。

ステップ5:運用定着・最適化(継続)

本番稼働後は、SIerが監視・障害対応・月次レポートを継続担当します。最初の3〜6ヶ月は利用状況を見ながらコスト最適化(リザーブドインスタンスの活用・不要リソースの削除)を行い、安定した運用コストに落とし込みます。

よくある質問

Q. クラウド移行にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 規模によって異なりますが、小規模(サーバー5台程度)で4〜6ヶ月、中規模(10〜20台)で6〜12ヶ月、基幹システムを含む大規模では1〜2年を要することもあります。要件定義・設計フェーズを丁寧に行うほど、後工程のトラブルを減らせます。

Q. 外部委託するとどのくらい費用がかかりますか?

A. 移行規模によって300万〜5,000万円以上と幅があります。概算を把握するには、まず移行対象のサーバー台数・データ量・システム数をリストアップした上でSIerに相談するのが最短です。AWS Pricing Calculatorで月額ランニングコストの目安も事前確認できます。

Q. AWSパートナーとそうでないSIerの違いは何ですか?

A. AWSパートナーはAWSから技術・営業両面でサポートを受けられる認定企業です。特にAdvanced/Premierクラスのパートナーは、移行支援ツールの提供やAWSエンジニアとの直接連携が可能で、移行品質・スピードの面で優位性があります。費用がやや高くなることもありますが、移行後の安定稼働を考えると投資対効果は高い傾向があります。

Q. 移行後の運用は自社でできますか?

A. AWSの監視・コスト管理・セキュリティパッチ適用を自社でまかなうには、クラウド専任担当者の育成が必要です。すぐに内製化が難しい場合は、SIerのマネージドサービスを1〜2年活用しながら、並行して社内スキルを育てるのが現実的なアプローチです。

まとめ

本記事のポイントをまとめます。

  • 外部委託を検討すべき条件: 社内にクラウド専門知識がない・移行中も業務を継続する必要がある・移行後の運用体制が整っていない
  • SIer選び5つのポイント: AWSパートナー資格・同業種実績・一貫対応力・保守監視体制・提案の具体性
  • 費用相場: 小規模300万〜・中規模800万〜・大規模2,000万〜(初期費用)+月額5万〜50万円(運用費)
  • プロジェクトは5ステップ: 要件定義→設計・見積もり→構築・テスト→本番移行→運用定着
  • 段階移行が基本: 重要度の低いシステムから先行移行し、リスクを分散する

AWS移行に関してご不明な点や、費用感・対応範囲のご相談はお気軽にc3indexまでお問い合わせください。


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c3indexは、製造業の基幹システム・AWSクラウド移行・保守運用を専門とするシステム会社です。AWSパートナーとして、移行設計から運用代行まで一貫して対応しています。「まずは概算費用だけ聞きたい」というご相談も歓迎です。