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販売管理システムをリプレイスする際のポイントとは?流れやシステムの選び方を解説

2023.11.28

販売管理システムを導入している企業のなかには、リプレイスしようと考えているところがあるのではないでしょうか。

販売管理システムをリプレイスするとき、事前に流れを把握しておくと、スムーズに移行できるでしょう。

そこで本記事では、販売管理システムをリプレイスする流れや成功させるためのポイントをご紹介します。

記事終盤では、リプレイスする販売管理システムの選び方もお伝えするので、リプレイスしたいもののシステム選びで悩んでいる企業はぜひ参考にしてください。

販売管理システムとは?

販売管理システムは、企業が製品やサービスの販売プロセスを管理、追跡、最適化するために使用するシステムです。システムを導入することで、販売関連の業務を効率化し、売上の増加をサポートします。

具体的には、顧客管理、注文管理、在庫管理、見積もり・請求、売り上げ分析・レポートなどの機能が備わっています。

顧客管理では、顧客のデータ管理、顧客とのコミュニケーション履歴の追跡、顧客関係の強化をサポートします。注文管理では、顧客からの注文の処理、追跡、履歴の管理を行うことが可能です。

在庫管理は、製品の在庫レベルの管理、在庫の最適化、在庫コストの削減をサポートします。見積もり・請求の機能が備わっていれば、見積もり作成、請求書の発行、支払いの追跡などの財務関連業務をシステム上で完結できるでしょう。

また売上分析・レポートは、売上データを分析し、売上の傾向、顧客行動、市場の機会などに関する洞察を提供します。経営者や営業チームに貴重なビジネスインサイトを提供し、戦略的な意思決定をサポートする重要なツールとなるでしょう。

リプレイスする重要性

販売管理システムをリプレイスする重要性は、ビジネス環境の変化や技術進化に対応するための必要性から生じます。既存のシステムが時代遅れになると、最新の技術基準や機能に適合しなくなります。そのため、最新のテクノロジーを取り入れるために、新しいシステムへのリプレイスが重要です。

新しい販売管理システムは、自動化、データ統合、リアルタイム分析などを通じて、業務の効率化と生産性向上を実現します。市場のトレンドや顧客の行動は常に変化するため、新しいシステムの導入により変化に迅速に対応し柔軟な戦略の実行をサポートします。

また最新のシステムは、顧客データのより良い管理と分析を可能にし、顧客満足度を高めるカスタマイズされたサービスや製品を提供するのに役立ちます。データのセキュリティを強化し、最新の法規制や規準に準拠するための機能も提供するでしょう。

販売管理システムをリプレイスする流れ

ここでは、販売管理システムをリプレイスする流れを4ステップに分けてご紹介します。

1.要件を洗い出す

販売管理システムをリプレイスする際、どのようにしてビジネスの全体的な目標に貢献するかを理解することが重要です。売上の増加、顧客満足度の向上、効率化など、具体的な目標を設定しましょう。

既存のシステムの機能や弱点、限界を分析し、どの機能がうまく機能しているか、または改善が必要な点は何かを把握することがポイントです。必要な機能が明確になれば、リストアップしていくと良いでしょう。

また、セキュリティやスケーラビリティ、性能、互換性などの非機能要件も重要です。システムがこれらの要件をどのように満たすかを検討します。そのほか、利用可能な予算とコストに関する期待を明確にし、システムの初期投資、運用コスト、メンテナンスコストを評価します。

2.計画を立てる

販売管理システムをリプレイスするうえで要点を洗い出せたら、どの機能やプロセスが新しいシステムに含まれるべきかを明確にしましょう。システム選定、導入、テスト、デプロイメントなど、プロジェクトの各フェーズのタイムラインを設定します。

計画を立てる段階では、プロジェクトに必要な人的、技術的、財務的リソースを割り当てます。具体的には、プロジェクトチームの構成、必要な技術的インフラ、予算の確保が含まれます。

また、プロジェクトに潜在するリスクを特定し、それらに対する対策を計画することも大切です。これには、技術的な障害、予算超過、タイムラインの遅延などが含まれます。

3.システムの導入方法を選ぶ

システムの導入方法は、スクラッチ開発でゼロからシステムを作ったり、パッケージタイプのシステムを導入したりする方法などがあります。なかには、物理的なサーバーを用いるシステムや、クラウド上で管理できるシステムなどがあります。

物理的なサーバーとインフラストラクチャを自社で管理する場合、システムを社内ネットワークに直接インストールします。セキュリティとコントロールが必要な場合に適していますが、初期投資と運用コストがかかります。

システムをクラウドサービスプロバイダーのインフラストラクチャ上で実行する場合、初期費用が低く、スケーラビリティと柔軟性が高いです。ただし、データのセキュリティとプライバシーに対する懸念があります。

4.実際に移行する

システムが正しく機能することを確認するために、詳細なテストを実施します。機能テスト、性能テスト、ユーザー受け入れテストを行い、テストを通過したら本格的に運用していきます。

販売管理システムをリプレイスする準備が整ったら、事前に策定した導入計画に基づいて、新しい販売管理システムの実装を開始します。

ただシステムをリプレイスするのではなく、新しいシステムの使用方法について、従業員にトレーニングを提供することが重要です。トレーニングは、ユーザーがシステムを効果的に使用できるようにするために不可欠です。

販売管理システムのリプレイスを成功させるためのポイント

ここでは、販売管理システムをリプレイスするとき、成功させるためのポイントを3つご紹介します。

システムベンダーと会話する前に要件整理ができている

事前に要件整理ができていると、スムーズにシステムの導入や移行が進めることができます。

要件を整理するには、既存の販売管理プロセスを詳細に理解し、何がうまく機能しており、どの部分の改善が必要かを特定することが大切です。

必要な機能、改善を望む点、組織の将来的な目標など、新システムに対する具体的なニーズを特定しましょう。

そのほか、セキュリティ基準と規制コンプライアンスの要件整理も重要です。

既存システムのカスタマイズ部分を反映させる

販売管理システムのリプレイスを成功させるためには、既存システムで行われていたカスタマイズを新しいシステムに反映させることが重要です。カスタマイズ部分を適切に反映させることで、ビジネスプロセスの継続性を保証し、業務の中断を避けられるでしょう。

従業員は既存のシステムのカスタマイズに慣れ親しんでいるため、従業員の新しいシステムへの適応を容易にするためにも大切です。その結果、トレーニングや移行にかかる時間と労力を削減できる可能性があります。

また既存システムのカスタマイズは、企業の独自のニーズに応えるために行われたものでしょう。新しいシステムにこれらのカスタマイズを適用することで、特定のニーズを引き続き満たせるといえます。

ほかのシステムと連携させる

ほかのシステムとの連携により、データの統合と一貫性が保たれるでしょう。重複入力を避け、データエラーを減少できる効果が期待できます。

異なるシステム間でスムーズにデータが流れることで、業務プロセスが効率化されます。たとえば、販売データが自動的に在庫管理システムに反映され、リアルタイムの在庫調整が可能になります。

また連携されたシステムからのデータを活用して、より迅速かつ正確なビジネス分析と意思決定ができます。これにより、市場の変動に迅速に対応し、競争上の利点を獲得できるでしょう。

リプレイスする販売管理システムの選び方

ここでは、リプレイスするときの販売管理システムの選び方を4つご紹介します。

導入形態が自社に合っているか

導入形態には主にクラウドベースとオンプレミスの2つがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。自社のニーズ、インフラ、予算、業務の特性に合わせて最適な選択をすることが必要です。

クラウドベースのシステムの場合、初期費用を最小限に抑えられ、スムーズに導入が完了します。メンテナンスやアップデートは、プロバイダーによって管理されるので、自社の業務負担を軽減できるでしょう。

オンプレミスのシステムの場合、データとシステムの完全なコントロールが可能です。インターネット接続に依存せず、社内ネットワークで運用されます。

セキュリティが万全であるか

販売管理システムには顧客情報、販売データ、金融情報などの機密性が高く重要なデータが含まれているため、データの保護はビジネスの信頼性と安全性を維持するうえで不可欠です。

システムは、ユーザーロールや権限に基づいたアクセス制御を提供する必要があります。アクセス制御により、機密データへのアクセスを適切に管理できます。

また、システムが業界のセキュリティ基準を遵守しているかを確認しましょう。セキュリティが万全なシステムは、二要素認証や多要素認証のような強化された認証メカニズムを持っているケースがほとんどです。

予算内におさまるか

システムの導入には初期投資がともなうため、予算内におさまるかを確認することが大切です。具体的には、ソフトウェアライセンス費用、ハードウェアの購入費用、導入支援やカスタマイズのためのサービス料金などが含まれます。

初期投資だけでなく、システムの維持管理にかかる継続的な運用コストも重要です。これにはメンテナンス料金、サポートサービス料金、必要に応じたアップグレードコストなどが含まれます。

サポート体制が整っているか

サポート体制が整っているシステムは、システム導入後の運用において発生するさまざまな問題に迅速に対応してくれるでしょう。それは、システムの継続的な安定稼働を保証するために必要です。

サポートは電話、メール、チャット、リモートアクセスなど複数のチャネルで提供されていることが望ましいです。問題発生時にユーザーが適切なサポートを容易に受けられるようになるでしょう。

まとめ

販売管理システムのリプレイスは、ビジネス環境と技術進化に対応するために重要です。

リプレイスの流れは、まず要件の洗い出しから始め、計画立案、適切なシステム選定、そして実際の導入へと進みます。

成功のためには、既存システムのカスタマイズ反映、クラウド対応システムの導入、他システムとの連携が重要です。

システム選定時は、導入形態の適合性、セキュリティの強度、予算内収容、充実したサポート体制を考慮することが求められます。これらを踏まえることで、効率的かつ効果的な販売管理システムのリプレイスが可能になります。