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スクラッチ開発とパッケージ開発の違いとは?メリットやデメリットを解説

2023.12.20

システム開発を進めるうえで、スクラッチ開発とパッケージ開発で迷われている方がいるのではないでしょうか。

本記事では、パッケージ開発との違いをはじめ、スクラッチ開発のメリットやデメリットを解説します。

そのほか、スクラッチ開発の流れもお伝えするので、これからシステム開発を進める企業はぜひ参考にしてください。

スクラッチ開発とは?

スクラッチ開発とは、システム開発の一形態で、既存のコードやライブラリを使用せず、すべてのコードを新たに書き始める方法です。

アプローチでは、プロジェクトの特定の要件や目的に合わせて、独自のソリューションを一から開発します。

パッケージ開発とは

パッケージ開発とは、特定の機能やモジュールをパッケージとして開発し、ほかのアプリケーションやプロジェクトで再利用可能な形で提供してもらえます。コードの再利用性を高めることが主な目的です。

一から開発するスクラッチ開発と比べると、パッケージ開発のほうがスムーズにリリースできます。時間と手間をかけたくない場合に、パッケージ開発がおすすめです。

ただし、パッケージの開発とメンテナンスには専門知識と時間が必要です。広く使われるパッケージの場合、互換性の問題やセキュリティの懸念に注意を払う必要があります。

スクラッチ開発のメリット

ここでは、スクラッチ開発のメリットを4つご紹介します。

自由度が高い

スクラッチ開発では、ソフトウェアのアーキテクチャ、データモデル、ユーザーインターフェースなど、すべての設計要素をプロジェクトの特定のニーズに合わせて最適化できます。

使用するプログラミング言語、フレームワーク、ツール、データベースシステムなど、プロジェクトに最適な技術スタックを自由に選択が可能です。

また、システムのパフォーマンスを最適化するために、必要な部分に特化したコードを書くことができます。既存のパターンや制約に縛られずに、新しいアイデアや革新的なソリューションを試す機会が増えるでしょう。

要件をすべて搭載できる

スクラッチ開発では、既存のプラットフォームやライブラリの制約に縛られずに、プロジェクト固有の詳細な要件や機能を正確に実装することができます。

プロジェクトの要件が複雑で特殊な場合、それらを正確に取り込むためには、ゼロから開発する方が効果的です。結果的に、ユーザーの期待に完全に応える製品を提供できるでしょう。

また開発途中での要件の変更や追加が発生した場合でも、スクラッチ開発では既存のコードやアーキテクチャに縛られることなく、柔軟に対応することが可能です。

拡張性が高い

スクラッチ開発では、特定の要件や将来の変化を見越して、独自のアーキテクチャを設計できます。その結果、新しい機能や技術の統合が容易になります。

コードをモジュール化して設計することが一般的であり、個々のコンポーネントや機能を独立して更新・拡張することが可能です。

またプロジェクトの初期段階では、将来的な成長や拡張を見越した設計を行うことで、大幅な変更や再設計の必要性を避けることができます。最新の技術トレンドや業界の進化に合わせて、ソフトウェアを柔軟に更新が可能です。

メンテナンス面で融通がきく

スクラッチ開発を行うことで、開発チームがコードベース全体に対する深い理解を持っているので、問題の特定や修正、改善が容易になります。既存のフレームワークやライブラリに依存せずに開発されており、必要に応じて特定の部分のみを変更することが可能です。

ほかのライブラリやフレームワークへの依存が少なく、外部の更新や非互換性による影響を受けにくいです。使用する技術やツールも自由に選択できるため、メンテナンスや将来の拡張に最適なものを選ぶと良いでしょう。

また、自分たちですべてを開発することにより、セキュリティの側面を自社のポリシーに完全に合わせられます。そのため、セキュリティアップデートも迅速に行えます。

スクラッチ開発のデメリット

ここでは、スクラッチ開発のデメリットを3つご紹介します。

開発に時間がかかる

既存のコードやライブラリを再利用する代わりに、すべての機能をゼロからコーディングする必要があるので、パッケージ開発と比べて時間がかかってしまいます。

スクラッチ開発では、既存のコードベースやフレームワークから得られる知見やソリューションに頼ることができません。開発中に予期せぬ問題に直面し、これを解決するのに時間がかかる恐れがあります。

また新規に開発されたコードは、既存のものに比べて未検証であるため、より広範囲で徹底的なテストが必要となります。

場合によっては、適切なスキルセットを持つチームを構築する段階から時間がかかってしまうこともあるでしょう。

初期費用が高い

スクラッチ開発では、プロジェクトの要件を定義し、適切なアーキテクチャを設計するために、専門的な知識と多くの時間を要します。それとともに、開発環境を整えるための初期費用もかかってしまいます。

新規に開発されたソフトウェアは、既存のソリューションよりも未検証な部分が多いため、広範囲にわたるテストが必要です。これにより、品質保証のための時間とコストが増加する傾向にあります。

また、高度な技術的スキルを持った開発者が必要なので、専門家やIT人材を雇用するための人件費も高くなります。予期せぬ技術的課題が伴うことが多く、問題に対処するために追加のリソースが必要となる場合があるでしょう。

開発ベンダーに負担がかかる

スクラッチ開発では、一般的なソリューションや既存のフレームワークを使用せず、独自の解決策を開発する必要があるため、高度な技術力と専門知識が必要です。システムの質や性能に関わるので、大きい負担がかかってしまうでしょう。

ただ初期開発を完了させるだけでなく、長期にわたるサポートやメンテナンスも重要です。開発ベンダーに継続して依頼するケースがあり、継続的な負担となります。

また、未検証のアプローチや新技術を採用する場合、予期せぬ問題や障害に直面するリスクが高まります。リスクを管理し解決する責任は、開発ベンダーにあります。

スクラッチ開発の流れ

ここでは、スクラッチ開発の流れを5つのステップに分けて解説します。

1. 要件定義

要件定義では、プロジェクトの主な目的や目標を理解し、達成するための全体的な方向性を設定します。プロジェクトに関わる関係者との協議を通じて、各関係者の要望を収集することが重要です。

ソフトウェアが実現すべき具体的な機能やタスクを明確にします。これには、ユーザーインターフェース、データ処理、セキュリティ要件などが含まれます。システムの性能、信頼性、拡張性、互換性などの非機能要件を定義することも必要です。

また、技術的、法的、予算的な制約など、プロジェクトの実行に影響を与える可能性のある要因を特定します。収集された要件を文書化して関係者間で共有することで、プロジェクトの進行中に参照される基本的な設計図として活用が可能です。

2. 設計

設計は、要件定義をもとに、システムの全体的な構造と各コンポーネント間の関係を定義します。使用する技術スタックには、フロントエンドやバックエンドなどの各層の機能が含まれます。

システムが使用するデータの構造を設計する際、データベーススキーマ、データの関連性、データの整合性のルールを決めることが大切です。そのほか、セキュリティ対策、データ保護、システムのパフォーマンス基準を設計に組み込みます。

3. 開発

設計文書にしたがって、開発チームがシステムのコードを書きます。ユーザーインターフェース、ビジネスロジック、データアクセス層など、システムのさまざまなコンポーネントを実装していきます。

効率的で品質の高い開発を行うためには、良いコーディング慣行の採用、チーム間の良好なコミュニケーション、そして適切な技術とツールの使用が重要です。

開発フェーズは動的であり、要件の変更や新たな課題への対応が必要な場合があるため、柔軟性と適応性も求められます。

4. テスト

テストフェーズは、システムの品質と信頼性を保証するための最終チェックです。徹底的なテストは、エンドユーザーにとって安全かつ効果的な製品を提供するために不可欠です。

また、テストフェーズでは、計画されたテストだけでなく、実際のユーザーの使用シナリオを模倣するテストも含まれることが重要です。実際の運用環境でのシステムの振る舞いをより正確に評価することができます。

5. リリース

リリースは、システムが実際に市場やユーザーに届けるフェーズです。システムの成功を確実にするために、スムーズなデプロイメント、適切なユーザーコミュニケーション、効果的なサポート体制の確立が重要になります。

また、リリース後の継続的な監視とフィードバックの収集を通じて、システムの改善とアップデートを行うことが重要です。

スクラッチ開発に向いているケース

スクラッチ開発に向いているケースは、以下のとおりです。

  • 独自かつ特殊なビジネス要件がある
  • 市場において差別化を図るために、独自の機能や性能が必要である
  • 長期的な視点で見たときの拡張性、カスタマイズ性、独立性を重視している
  • デザイン・機能・セキュリティなどにおいて完全なコントロールを求めている

特殊なプロジェクトを計画している場合は、パッケージ開発で対応できないケースがあります。スクラッチ開発を行うことで、ほかのシステムとの差別化が図れるでしょう。

また、開発からセキュリティ管理まで、自社で行う必要があります。システム運用に関するすべての業務を自社で請け負いたい場合には、スクラッチ開発がおすすめです。

スクラッチ開発に向いていないケース

スクラッチ開発に向いていないケースは、以下のとおりです。

  • ビジネスの要件が一般的である
  • 開発予算や時間が限られており、早期の市場投入が重要である
  • 専門的なスキルや十分な開発リソースが不足している
  • 高いリスクを避けたい場合や、確実性と予測可能性を重視している
  • 既存のソフトウェアフレームワークやライブラリが要件をほぼ満たしている

スクラッチ開発は、独自のシステムや機能を開発したい場合に適しているので、要件が一般的であればパッケージ開発で十分でしょう。コードがすでに書かれているパッケージ開発なら、予算や時間が限られていてもスムーズにリリースできる可能性があります。

また、スクラッチ開発は性能やセキュリティなどでリスクが生じやすいので、リスクを避けたい場合に不向きです。

まとめ

スクラッチ開発は、既存のコードやライブラリを使用せずにシステムを一から開発する方法です。

設計の自由度が高く、特定の要件を完全に搭載でき、拡張性やメンテナンスにおいても融通がききます。

しかし、開発に時間がかかり初期費用が高く、開発ベンダーへの負担が大きいというデメリットもあります。

開発プロセスは、独自のビジネス要件や競争上の優位性が求められるケースに向いていますが、標準的な要件や限られた予算・時間の場合には不向きです。