【初心者必見】システム構成図を作成するときのポイントとは?ネットワーク構成図やサーバー構成図との違いを解説
システム構成図を作成するとき、開発に関わる方々が理解できるようにつくることが大切です。
本記事では、システム構成図を作成するときのポイントや、わかりやすい構成図の特徴を解説します。
そのほか、システム構成図を作成するメリットもご紹介するので、これからシステム開発を検討している場合はぜひ参考にしてください。
目次
システム構成図とは?
システム構成図は、ITシステム内のコンポーネントや要素の相互関係を視覚的に表現した図です。
ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどが組み合わさり、システム全体の構造や動作を把握できます。開発者やエンジニアがシステム全体を理解し、問題解決や改善に役立てられるでしょう。
ネットワーク構成図との違い
ネットワーク構成図は、主にネットワーク内の機器や通信経路、接続方法を示す図です。ルータ、スイッチ、サーバーなどがどのように接続され、データがネットワーク内を移動するかを視覚的に表現します。
インターネット、イントラネット、LAN、WANなどのネットワーク構造を理解し、トラフィックの流れやセキュリティ対策を考えるのに役立ちます。
サーバー構成図との違い
サーバー構成図は、主にサーバーとその構成要素に焦点を当てた図です。特定のアプリケーションやサービスが実行されるサーバー、データベースサーバー、ウェブサーバーなどの要素が含まれます。
サーバーの物理的な配置や接続、役割、リソースの分配など、サーバーに関連する詳細な情報を提供します。
システム構成図はシステム全体の構造を表現するものですが、ネットワーク構成図やサーバー構成図はシステムの一部を表しています。より詳細を示したい場合には、ネットワーク構成図やサーバー構成図を活用すると良いでしょう。
わかりやすいシステム構成図の特徴
ここでは、わかりやすいシステム構成図の特徴を3つご紹介します。
役割が記載されている
システム構成図を作成する際、できるだけ簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。冗長な情報や複雑な詳細を排除し、役割の理解を妨げないようにすることがポイントです。
また、役割が階層的に表現されるケースがあります。例えば、サーバーが複数のアプリケーションをホストしている場合、それらのアプリケーションがどのサーバーに属しているかを示す階層構造が明示されることがあります。
データの流れ・制御を線で表している
データの流れは通常、線や矢印を使用して示されます。これにより、データがどの方向にどのように移動しているかが視覚的に理解できるでしょう。
線の途中で分岐や合流がある場合、データが変換や処理される箇所を示すことができます。データがどのように変わっているか、どのような手順を経ているかがわかりやすくなるでしょう。
システム構成図を作成するメリット
ここでは、システム構成図を作成するメリットを3つご紹介します。
開発状況を把握しやすい
システム構成図は、プロジェクト全体のアーキテクチャや構造を一覧できるため、開発者や関係者は全体像を把握しやすくなります。具体的には、個々の部品やモジュールがどのように連携しているかを理解しやすくなるでしょう。
また、システム構成図は変更があった際に、その変更がどの部分にどのような影響を与えるかを容易に評価できるため、変更管理やリファクタリングの際に役立ちます。
情報共有や伝達がしやすい
開発者や関係者は、システム構成図を通じて情報を共有し、理解しやすくなります。異なるバックグラウンドや専門性を持つメンバー同士でも共通の理解が得られるでしょう。
システム構成図を使った情報伝達は言葉だけでなく、視覚的な要素も含むため、コミュニケーションが効果的になります。プロジェクトの進捗や構造の変更が視覚的に共有され、迅速かつ効果的なコミュニケーションが可能です。
また、新規メンバーがプロジェクトに参加する際、システム構成図はプロジェクトの全体像を迅速に理解するのに役立ちます。これにより、新メンバーは素早く業務に取り組むことができます。
システム構成図を用意しておくことで、プロジェクトの進捗やシステムの構造をステークホルダーに対して視覚的に説明しやすいです。問題発生時でも、特定のコンポーネントや依存関係が視覚的に理解されるため、問題の原因を特定しやすくなります。
システム改善の資料として活用できる
システム構成図はシステム内の要素や関係を明示的に示すため、問題が発生した際に問題が発生した場所や関連する要素を素早く特定しやすくします。これにより、システムの問題をより迅速かつ効果的に分析できます。
システム構成図を利用して、システム内のボトルネックや性能の制約がどこにあるかを把握することが可能です。これにより、改善のポイントを的確に特定し、性能向上の施策を計画できます。
また、システム構成図は新しい技術やツールの導入を計画する際に役立ちます。どの部分に新しい技術を統合するべきか、その導入が他の部分に与える影響を視覚的に確認しやすいです。
システム構成図を作成する際のポイント
ここでは、システム構成図を作成する際のポイントを4つご紹介します。
簡単にまとめる
システム構成図を作成する際、何を伝えたいのか、どの情報を強調するのかを把握することが、シンプルな図を作成する第一歩となります。システム全体を包括的に描くことが難しい場合、主要な要素やコンポーネントに焦点を当てましょう。目的に応じて、重要な構成要素だけを取り上げることでシンプルさが保たれます。
システム構成図は、階層構造を活用して、詳細な情報を必要に応じて参照できるようにすることがポイントです。上位層では全体像を示し、下位層では詳細な情報を提供することで、情報の階層性が確保されるでしょう。
また、図の周りに余白を確保することで、情報が詰まりすぎずに読み手にとってわかりやすくなります。他のチームメンバーや関係者にシステム構成図を見せ、フィードバックを取り入れることで、改善の余地を見つけやすくなります。
色やアイコンを使い分ける
システム構成図を作るとき、シンプルで効果的なシンボルや色を使うと、異なる要素や関係性を視覚的に区別できるようになります。
必要最低限の情報を表現するために、冗長な要素や色の使用は避けましょう。図内での表現や記号、線のスタイルなどに一貫性を持たせることで、見た人が混乱することなく理解しやすくなります。
異なる要素やコンポーネントを異なる色で表現することで、視覚的な区別がつきます。例えば、サーバー、データベース、クライアントなどを異なる色で示すことで、各要素の種類が一目で理解できるでしょう。
また、データの流れや依存関係を表す線にも色を使うと、わかりやすく示せます。例えば、特定の色の線でデータの流れを示すことで、情報の移動経路を明示的に表現できます。
色を使う際、特定の状態や重要な要素を強調するときにも便利です。異常な状態や重要なサーバーに赤色を使って目立たせることで、問題や重要な要素がすぐに分かります。
別紙に詳細を記載する
システム構成図は、主要な要素や構造を抽象的に示すことが求められるため、全体像が見やすくなりますが、詳細情報が不足する可能性があります。そのため、各要素やコンポーネントの詳細な情報は、別の用紙や文書に詳細を記載することがポイントです。これにより、必要な詳細情報にアクセスでき、図は依然としてシンプルなまま保たれます。
別紙に詳細を記載する際に、テキストや表を活用すると良いでしょう。具体的な説明やデータをテキストで提供し、表を使って要素やコンポーネントの属性やパラメータを整理します。
別紙に詳細を記載する場合、システム構成図には詳細を示すためのリンクや参照情報を追加します。関連する別の文書やデータソースに簡単にアクセスできるようになり、検索に時間がかかってしまうという事態を避けられるでしょう。
また、別紙に詳細情報をまとめる場合、これらの詳細情報が変更される可能性があります。変更があれば、詳細情報のバージョン管理を行い、最新かつ正確な情報を保つようにしましょう。
テンプレートを活用する
テンプレートを使用することで、同じプロジェクトや組織内で一貫性のあるシステム構成図を作成できます。統一されたスタイルや要素配置が保たれ、プロフェッショナルな外観が期待できます。
テンプレートには、一般的な要素や構造が事前に組み込まれているため、ゼロからすべてを作成する手間が省けるでしょう。そのため、効率的にシステム構成図を作成し、時間と労力を節約できます。
また、作成したテンプレートは、他のプロジェクトや類似の構成にも再利用が可能です。同様のシナリオや要素を持つプロジェクトにおいても、素早くシステム構成図を作成できるでしょう。
テンプレートには、見やすさや理解しやすさを向上させるための最適なレイアウトや色彩が組み込まれている場合があります。視認性が向上し、システム全体の理解が容易になるといえるでしょう。
まとめ
システム構成図は、システムの構造や要素の関係を視覚的に示した図で、ネットワーク構成図やサーバー構成図とは異なり、システム全体の構造を包括的に表現します。
特徴的なわかりやすさとして、役割やデータの流れを明示し、データと処理を視覚的に区別し、制御の流れを線で表現します。シンプルに記載されているものは、開発に関わる関係者全員が理解しやすいといえるでしょう。
システム構成図を作成することで、開発状況の把握や情報共有、システム改善の資料として活用できるメリットが得られます。
ただし、色やアイコンを使い分けながらも統一しなければ、かえってわかりづらくなってしまうので注意しましょう。