1. HOME
  2. ビジネスブログ
  3. 保守管理業務とは?維持管理との違いや役立つ資格を解説

保守管理業務とは?維持管理との違いや役立つ資格を解説

2024.04.24

保守管理業務とは、インフラストラクチャや機器、ソフトウェアなどの管理を行うことです。

本記事では、保守管理業務と運用管理・維持管理との違いをはじめ、業務内容の種類、保守管理で役立つ資格をご紹介します。

そのほか、適切な保守管理業務を行うメリットもお伝えするので、保守管理体制を整えるべきか迷っている場合や、これから保守管理業務を導入する場合はぜひ参考にしてください。

保守管理業務とは?

保守管理業務とは、企業や組織が持つ資産やインフラストラクチャ、機器、ソフトウェアなどの維持と管理を目的とした活動全般を指します。

資産の寿命を延ばし、運用効率を向上させ、障害やダウンタイムを最小限に抑えるために行われます。

運用管理との違い

運用管理は、システムやプロセスを日常的に運用し、ビジネス活動を継続するための業務です。運用管理の目的は、システムやプロセスを効率的に運営し、安定性と信頼性を維持することです。

保守管理も運用管理も組織の安定した運営に欠かせない要素ですが、保守管理は資産の維持と寿命延長に、運用管理はシステムの効率的な運用と安定性に重きを置いている点が異なります。

維持管理との違い

維持管理は、資産やシステム、施設、インフラなどを良好な状態に保つための継続的な活動です。維持管理の目的は、資産やシステムの機能を維持し、価値を損なわないようにすることです。

保守管理は、主に機器やシステムの故障を防ぐための活動を指し、維持管理は、資産や施設全体の機能と状態を維持するための活動を指します。保守管理は機器やシステムの稼働と修理に、維持管理は資産全体の継続的な良好な状態の維持に焦点を当てています。

保守管理業務の種類

ここでは、保守管理業務の種類を2つご紹介します。

ハードウェア保守

ハードウェア保守とは、コンピュータやネットワーク機器、サーバー、プリンター、ストレージデバイスなどの物理的な機器や装置の維持・管理を指します。ハードウェア保守は、機器の故障やダウンタイムを最小限に抑え、システムの安定稼働を確保するために重要です。

ハードウェア保守の主な目的は、機器の寿命を延ばし、システムの安定稼働を確保することです。定期的な点検やメンテナンスにより機器の故障を予防したり、機器が正常に稼働するように維持して業務の中断を最小限に抑えたりします。

ソフトウェア保守

ソフトウェア保守とは、システムの異常や障害に対処するためのプロセスです。ユーザーからの報告や監視ツールによる警告に基づいて、迅速に問題を特定し、解決策を実施します。

異常や障害の根本原因を特定するだけではなく、再発を防止したり、新しい機能や修正をソフトウェアに実装したりします。そのほか、システムの動作やパフォーマンスを監視し、異常や改善の機会を特定することも大切です。

保守管理業務に必要なスキル

ここでは、保守管理業務に必要なスキルを3つご紹介します。

ITシステム基礎的な知識

コンピュータのハードウェア構成やCPU、メモリ、ストレージなどの主要なコンポーネント、およびオペレーティングシステムの役割や構造についての基本的な知識が必要です。

ソフトウェア保守では、システム全体の理解が必要なため、ハードウェアとソフトウェアの基本的な仕組みを理解することが重要です。

また、ネットワークトポロジー、プロトコル(TCP/IP、HTTPなど)、ルーティング、スイッチングの基礎を理解することで、ネットワーク関連の問題に迅速に対応できます。

セキュリティリスクの認識と対策では、セキュリティの基本概念、脆弱性の特定、ファイアウォールや暗号化などのセキュリティ対策、認証と認可の仕組みを理解することが求められるでしょう。

正確な作業能力

保守管理業務では、細かい部分に注意を払うことが重要です。小さなミスや誤解がシステム全体に重大な影響を与えることがあるため、コードの正確な記述、設定ファイルの適切な管理、変更の詳細な追跡など、細部への注意が必要です。

ドキュメンテーションの誤りや不完全な情報は、将来的な問題の原因となるため、正確で詳細な記録を保つことが求められます。

また、正確な作業能力には、変更や修正のテストと検証が含まれます。作業がシステム全体にどのような影響を与えるかを確認し、潜在的な問題を未然に防ぐために、適切なテストと検証を行う必要があるでしょう。

コミュニケーション能力

保守管理では、技術的な情報を明確かつ分かりやすく伝える能力が求められます。

技術用語を適切に使い、必要な情報を簡潔に伝えることが重要です。また、技術者だけでなく、非技術者にも理解できるような説明をする能力も必要です。

チームメンバーと協力してタスクを進めるためにも、効果的なコミュニケーションを行う必要があります。

タスクの進捗状況や問題点を共有し、互いに助け合うことで、保守業務の効率と効果が向上するでしょう。

保守管理で役立つ資格

ここでは、保守管理で役立つ資格を5つご紹介します。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中でも基礎的な資格として知られているものです。情報技術の基礎からプログラミング、ネットワーク、セキュリティなど、多岐にわたる内容が試験範囲に含まれます。

コンピュータの基本原理やネットワークの基礎を理解しているため、保守管理業務の基盤として役立つでしょう。プログラミング問題はソフトウェアのトラブルシューティングや自動化スクリプトの作成などに活用でき、セキュリティの基礎知識はシステムのセキュリティ保守に役立つでしょう。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中でも、中級レベルの資格として位置付けられている資格です。IT分野においてより高度な知識とスキルを持っていることを証明する資格で、保守管理のプロフェッショナルを目指す人々にとって非常に役立つでしょう。

試験は、情報システムの設計や開発、ネットワーク、セキュリティ、プロジェクト管理など、IT分野のさまざまな側面を網羅しています。

基本情報技術者試験で学ぶ基礎知識に加えて、より高度なシステム設計やネットワーク技術、セキュリティに関する知識を持つことができます。

実践的なケーススタディにより複雑な問題の解決に向けたアプローチを習得できたり、保守管理プロジェクトの進行を効果的に管理するための知識やスキルを身につけたりできるでしょう。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士は、日本の情報処理技術者試験の1つで、セキュリティ分野において高度な知識とスキルを持つことを証明する資格です。セキュリティリスクの評価、対策の設計・実施、セキュリティ事故の対応など、セキュリティに関わる幅広い役割を担うことを示します。

保守管理において、セキュリティの確保とリスク管理が重要な役割を果たすために役立つでしょう。組織内のスタッフにセキュリティ教育を行う時も、セキュリティ意識を高める役割として活躍するでしょう。

Linux技術者認定試験

Linux技術者認定試験は、Linuxオペレーティングシステムに関する技術的なスキルを証明する資格試験です。最も基礎的なレベルはLPIC-1で、LPIC-2、LPIC-3と続きます。

保守管理の分野でLinuxは多くのシステムやサーバーで広く使用されており、Linux技術者認定試験の資格は、Linuxの専門的な知識とスキルを示す証拠として非常に役立ちます。Linuxシステムの保守と管理に必要なスキルを持っていれば、システムの安定稼働の確保にもつながるでしょう。

マイクロソフト認定資格プログラム

マイクロソフト認定資格プログラムは、マイクロソフト社の技術や製品に関するスキルを証明する資格制度です。Windowsオペレーティングシステム、Azure、Office 365、SQL Serverなど、マイクロソフト製品に特化したさまざまな認定資格が含まれています。

保守管理においてマイクロソフトの技術や製品を扱うことが多いため、MCP資格は非常に役立ちます。マイクロソフトの技術や製品に関する専門知識を活かし、Windowsシステムの保守やトラブルシューティングを行えるでしょう。

適切な保守管理によるメリット

ここでは、適切な保守管理によるメリットを3つご紹介します。

1. ビジネスが安定しやすい

システムやインフラの安定性が向上すると、業務運用が効率的になります。スタッフはトラブル対応に追われず、ビジネスの生産性を高められるでしょう。

システムの安定した稼働は、顧客サービスの質を維持するのに不可欠です。保守管理が適切に行われることで、顧客満足度の向上が期待できます。

予防的な保守管理によって、トラブルや障害を未然に防ぐことで、ビジネスのダウンタイムや修理コストを削減できます。その結果、ビジネスのコスト効率の向上にもつながるでしょう。

2. トラブルコストを抑制できる

トラブルコストは、システムや設備の故障、ダウンタイム、修理作業、データ損失、ビジネス中断など、予期しない問題が発生した際に発生する費用です。保守管理が適切であると、これらのトラブルコストを抑えられる可能性があります。

定期的な保守管理により、故障やトラブルを未然に防ぐことができます。適切な保守管理体制があると、トラブル発生時に迅速に対応できるため、ダウンタイムを最小限に抑え、コストの削減につながるでしょう。

また、保守管理によりシステムの安定性が向上するため、予期しないトラブルによるビジネス中断が減少する可能性が高まります。

3. 業務の安定化と高い汎用性が期待できる

適切な保守管理が行われると、システムやインフラの信頼性が向上し、業務プロセスが中断されるリスクが低減するため、業務の安定化と高い汎用性が期待できます。

また、保守管理によりシステムの柔軟性や拡張性も高まるため、さまざまな状況に対応できるようになります。

システムの拡張やアップグレードをスムーズに行うための基盤を整えると、ビジネスの成長や変化に柔軟に対応できるでしょう。定期的な保守とアップデートにより、ハードウェアとソフトウェアの互換性が維持され、さまざまな製品や技術を組み合わせて活用できます。

保守管理の柔軟性が高いと、新しい技術や製品に迅速に適応でき、ビジネスの競争力を高めることが可能です。

まとめ

保守管理業務は、システムやインフラの安定稼働を維持するための重要な活動です。

運用管理や維持管理と異なり、保守管理はトラブルの予防と迅速な修復に焦点を当てます。業務は主にハードウェア保守とソフトウェア保守の2種類に分けられ、それぞれの目的や業務範囲などが異なります。

また、適切な保守管理を行うことで、ビジネスの安定、トラブルコストの抑制、業務の安定化などのメリットにつながる可能性があります。これらにより、ビジネスの生産性と競争力が向上し、顧客満足度も高まるでしょう。