システム障害の事例5選|障害の原因や対策とは?
システム障害は、コンピュータシステムやネットワークシステムなどが正常に動かなくなる状態です。
本記事では、実際に起こったシステム障害の事例をご紹介します。
そのほか、システム障害の原因や対策もお伝えするので、万が一システム障害が起きた時に備えておきたい場合は参考にしてください。
システム障害とは?

システム障害とは、コンピュータシステムやネットワークシステムなどの情報システムが正常に動作しなくなる状態です。
システム障害が発生すると、システムの一部または全体が停止したり、機能が低下したりし、データの損失や破損が生じることがあります。
システム障害が発生すると、業務に大きな影響を及ぼすことがあり、迅速な対応が求められます。
システム障害の原因

ここでは、システム障害の原因について、内的要因と外的要因に分けてご紹介します。
内的要因
システム障害の内的要因は、企業や組織の管理範囲内で発生するものです。
ハードウェアの故障においては、電源装置、CPU、メモリ、ディスクドライブなどのコンポーネントが故障すると、システムが停止する可能性があります。
ハードディスクやSSDの故障により、データの読み書きができなくなる場合もあるでしょう。
また、プログラムコードのエラーや欠陥により、アプリケーションが正しく動作しなくなるケースがあります。OS自体に問題があると、システム全体が不安定になる可能性があります。
設定ミスや操作ミスなどの人為的なミスは、システム障害の原因となるケースがあるでしょう。内部の関係者による悪意ある行為や不正アクセスがあれば、システムに障害を引き起こす恐れが高まります。
そのほか、トラフィックの急増による過負荷、電源障害などの設備の問題なども挙げられるでしょう。
アクセスの急増や大量のデータ処理要求により、システムが過負荷となり、応答が遅くなったり、停止したりするケースがあります。
電源障害や冷却設備の故障は、電源の不安定や停電がシステムの運用に支障をきたしたり、機器の過熱によってシステム障害が発生したりする場合があります。
外的要因
システム障害の外的要因は、システムの外部からの影響によって引き起こされる問題です。
例えば、自然災害やサイバー攻撃、通信インフラの障害などの問題が挙げられます。
自然災害には、地震や洪水、台風、雷などがあります。地震によって物理的なインフラが破壊されたり、水害や強風によってデータセンターや通信インフラが被害を受けたりするケースがあるでしょう。
また、外部からの不正アクセスにより、システムが停止したり、データが損失したりすることがあります。
サイバー攻撃は、大量のアクセスを一斉に送りつけてシステムを過負荷にするDDoS攻撃や、ウイルスやランサムウェアなどの悪意のあるソフトウェアがシステムに侵入するマルウェアなどです。
通信インフラの障害では、インターネットサービスプロバイダーの障害やネットワーク回線の切断などが挙げられます。
インターネットサービスプロバイダーの障害では、ISPのトラブルにより、インターネット接続できなくなってしまいます。ネットワーク回線が切断されると、ケーブルの物理的な損傷や設備の故障によって通信が途絶え、システム障害が起こってしまうでしょう。
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システム障害の事例

ここでは、システム障害の事例を5つご紹介します。
事例①銀行の法人ネットシステムで障害
某銀行は、法人向けインターネットバンキングシステムで障害が発生したことを発表しました。
具体的には、法人顧客がシステムにログインできず、ネット経由の振り込みや残高照会などができなくなるという内容です。
某銀行と契約している企業は40万社超えであり、謝罪のコメントとともに復旧に向けて対応を急いでいる状況でした。
ただし、個人向けネットバンキングシステムでは障害は発生していないとのことです。
事例②有名企業の主要サービスに一時障害
有名企業が提供している主要サービスが、システム障害により一時的に使えなくなった事例がありました。
システム障害の原因は、自社サーバーに対する外部からのサイバー攻撃であると発表したものの、情報漏えいなどは確認されていません。
また、別の主要サイトでもアクセスしづらい状況が確認されていましたが、3時間ほどで障害が解消されたと発表しています。
事例③電子書籍配信サービスでシステム障害
電子書籍配信サービスで、Webサイト内の一部にアクセスができず、漫画や雑誌などが読めなくなった事例がありました。
Webサイト内の一部にアクセスできなかったものの、アプリ内にダウンロードしていたコンテンツは閲覧できたと報告されています。
システム障害の原因は、調査中であるといわれています。
事例④コーヒーショップのECサイトが不正アクセスで障害
某コーヒーショップは、システム障害によりECサイトを一時的に停止した事例がありました。
システム障害の原因は、同社の電子商取引サイトへの第三者による不正アクセスだといわれています。
会員の個人情報が流出した可能性があったため、流出の有無を調査するとともに、ECサイトも一時的に停止していました。
事例⑤食品メーカーのシステム障害
某食品メーカーは、システム障害により商品の出荷を延期したことを発表しました。
出荷延期の原因は、出荷や会計を一元管理する基幹システムの正常化の遅延です。
自社商品だけではなく、委託商品の出荷も止まってしまうほどの影響が出ています。
実際とシステム上の在庫数が一致していない状況が続いており、常温品や冷凍品は手作業で修正を行いながら出荷を継続していると報告しました。
システム障害の対策

ここでは、システム障害の対策を5つご紹介します。
システム構成を見直す
システム障害の対策としてシステム構成を見直すことは、システムの信頼性、可用性、パフォーマンスを向上させるために非常に重要です。
サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などのハードウェアを冗長化することで、1つの機器に障害が発生してもシステム全体が停止しないようにします。
例えば、RAIDを使用してディスクの冗長化を行う、複数のサーバーをクラスタリングするなどの方法があるでしょう。
複数のネットワークパスを設定することで、一方のパスに障害が発生した場合でも通信が継続できるようにします。負荷分散装置や冗長ルーティングプロトコルを使用することが効果的です。
また、データの定期的なバックアップを行い、障害発生時に迅速に復旧できるようにすると良いでしょう。
バックアップデータは異なる場所に保管したり、クラウド化を選択したりし、災害対策を講じることが大切です。
ソフトウェア側の観点でみると、複数の独立した小さなサービスを組み合わせて連携させるマイクロサービス化を行うと良いでしょう。
予防するための仕組みを強化する
システム障害を予防するための仕組みを強化することは、システムの信頼性と可用性を高めるために重要です。
予防的な対策を講じることで、障害発生のリスクを減少させ、システムの安定運用を確保できます。
具体的には、定期的にハードウェアの点検とメンテナンスを実施し、故障の兆候を早期に発見・修正します。
定期的な点検は、老朽化対策にもつながるでしょう。
アプリケーションやオペレーティングシステムの定期的なアップデートを行い、バグ修正やパフォーマンスの向上を図ると良いでしょう。
また、システムの設定や運用手順を詳細に文書化し、誰でも理解できるようにすることがポイントです。
システムの変更を管理し、変更がシステム全体に与える影響を最小限に抑えるためのプロセスを確立します。その際、変更の前後で十分なテストを実施し、問題が発生しないようにしましょう。
障害の早期検知に力を入れる
システム障害の早期検知に力を入れることは、障害発生時の影響を最小限に抑えるために非常に重要です。
早期に問題を発見し、迅速に対応することで、システムのダウンタイムを短縮し、サービスの継続性を維持できます。
CPU使用率、メモリ使用率、ディスクI/O、ネットワークトラフィックなど、サーバーの主要なパフォーマンス指標をリアルタイムで監視すると良いでしょう。
AWSのCloudWatchなどを利用して、システムやアプリケーションのログを一元管理し、リアルタイムで解析できるようにすることがポイントです。
ログデータをリアルタイムで解析し、異常なパターンやエラーメッセージを検知することで、問題の兆候を早期に発見できるでしょう。
復旧する流れを把握しておく
システム障害が発生した場合、迅速かつ効果的に復旧するためには、復旧手順と流れを事前に把握しておくことが非常に重要です。
復旧プロセスを明確にしておくことで、障害発生時に混乱を避け、迅速な対応が可能となります。
システム障害発生時の具体的な復旧手順を文書化するとき、障害の種類ごとに対応策、必要なツール、連絡先などの詳細を記載しておきましょう。
システムの変更や新しい障害対応方法が導入された場合には、手順書を定期的に更新することがポイントです。
また、定期的に障害シミュレーションを実施し、復旧手順の有効性を確認すると良いでしょう。
シミュレーションを通じて、対応チームのスキルと連携を強化するとともに、シミュレーションの結果をもとに復旧手順をレビューして必要に応じて改善することも大切です。
システムデータの定期的なバックアップの実施では、バックアップデータが正常に保管されていることを確認します。バックアップデータからのリストア手順を定期的にテストし、実際にデータを復旧できることをチェックしましょう。
プログラム言語やサーバーOSのサポート期限を確認する
サポートが切れたものを使い続けると、サイバー攻撃などのリスクが発生してしまいます。
そのため、サポートが切れる前に最新のバージョンに更新することでリスクを軽減できるでしょう。
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障害管理とは?障害対応との違い
障害対応が「いま起きている障害を復旧させる」活動であるのに対し、障害管理は「発生した障害を記録・分類・分析し、同じ障害を二度と起こさない状態をつくる」継続的な仕組みを指します。
現場でよく起きるのが、復旧した時点で対応が終わってしまうケースです。復旧報告は残っていても、原因が分類されておらず、半年後に同じ原因の障害が再発する。この状態を防ぐのが障害管理の役割です。
障害管理が機能している組織では、「今期はネットワーク起因の障害が全体の4割を占めている」といった傾向が数字で見えるようになります。傾向が見えれば、限られた保守予算をどこに配分すべきかを根拠を持って判断できます。
障害の原因を分類する6つの区分
障害管理の出発点は、原因を決まった区分で分類することです。分類がぶれると集計できず、傾向分析ができません。以下の6区分が実務では扱いやすい粒度です。
| 分類 | 具体例 | 代表的な再発防止策 |
|---|---|---|
| ハードウェア障害 | サーバー・ストレージ・電源の故障、ディスク不良 | 冗長構成、保守契約による部材確保、EOSL管理 |
| ソフトウェア障害 | プログラムの不具合、メモリリーク、想定外の入力値 | テスト観点の追加、コードレビュー、監視項目の追加 |
| ネットワーク障害 | 回線断、機器故障、DNS障害、帯域の逼迫 | 回線の冗長化、経路監視、帯域の定期見直し |
| データ・設定起因 | 設定ミス、データ不整合、証明書やライセンスの期限切れ | 設定変更の承認フロー、期限の一元管理、構成管理 |
| 人的要因 | オペレーションミス、手順書の不備、引き継ぎ漏れ | 手順書の整備、作業前後のダブルチェック、権限設計 |
| 外部要因 | サイバー攻撃、クラウド事業者の障害、災害、停電 | 多層防御、マルチAZ・DR設計、BCP策定 |
分類に迷う障害は必ず出てきます。その場合は「再発防止策を打つとしたら、どこに手を入れるか」で判断すると、実務上ぶれにくくなります。
障害管理表に記載すべき項目
障害管理表は、障害1件ごとの記録を蓄積する台帳です。項目を増やしすぎると記入されなくなり、少なすぎると後から分析できません。最低限、次の項目を押さえておくことをおすすめします。
| 項目 | 記載内容 | この項目がないと困ること |
|---|---|---|
| 障害ID | 連番などの一意な識別子 | 同じ障害の重複起票を発見できない |
| 発生日時・復旧日時 | 検知した時刻と復旧完了時刻 | 復旧までの所要時間(MTTR)を集計できない |
| 検知方法 | 監視アラート、利用者からの申告など | 監視でどれだけ拾えているかを評価できない |
| 影響範囲 | 影響した業務・システム・利用者数 | 優先度の判断根拠が担当者の主観になる |
| 緊急度・優先度 | 業務停止の有無と復旧の急ぎ度合い | 対応順序が属人的になる |
| 原因分類 | 前掲6区分のいずれか | 傾向分析ができず、投資判断の根拠が作れない |
| 直接原因・根本原因 | 何が起きたか/なぜ起きたか | 表面的な対処で終わり再発する |
| 暫定対応・恒久対応 | その場の復旧策と抜本策 | 恒久対応の未実施が放置される |
| 再発防止策と期限 | 誰がいつまでに実施するか | 「対策検討中」のまま風化する |
| 担当者・クローズ日 | 対応者と完了承認の日付 | 完了の定義が曖昧になる |
とくに抜け落ちやすいのが「根本原因」と「再発防止策の期限」です。直接原因(ディスクが故障した)までは書かれていても、根本原因(EOSLを過ぎた機器を使い続けていた)まで踏み込めていない管理表は、蓄積しても再発防止につながりません。
アプリケーション障害とハードウェア障害では管理の勘所が違う
同じ障害管理表で扱っていても、押さえるべきポイントは異なります。
アプリケーション障害では、再現条件とログが命です。「特定の条件でのみ発生する」障害は、その条件を記録できていないと調査が振り出しに戻ります。発生時の入力値・操作手順・エラーログの保存場所を、管理表に紐づけて残しておく必要があります。
一方ハードウェア障害では、保守契約と部材の可用性が命です。故障そのものは避けられないため、「壊れたときに何時間で交換できるか」が実質的な影響度を決めます。管理表には対象機器の保守契約区分とサポート期限を併記しておくと、EOSL到来前に手を打てるようになります。
障害管理を形骸化させないための3つのポイント
障害管理表は作ったものの、いつの間にか更新されなくなる——これは多くの現場で起きています。形骸化を防ぐには次の3点が効きます。
- 記入を軽くする:項目を欲張らず、まず10項目程度から始める。分析したい項目が増えたら後から足す
- 定例で棚卸しする:月次で「未クローズの障害」と「未実施の再発防止策」だけを確認する場を15分でも設ける
- 傾向を経営に報告する:件数と原因分類の推移を報告資料に載せると、保守予算の議論が「なんとなく高い」から「この分類に効く投資」に変わる
障害管理の仕組みづくりや、既存システムの障害傾向の可視化についてお困りの場合は、c3index にご相談ください。運用の実態に合わせた管理項目の設計から、監視の見直しまでご支援しています。
まとめ
システム障害は、企業の運営やサービスに重大な影響を与えるため、迅速かつ効果的な対策が求められます。
障害の原因は内的要因(ハードウェア故障、ソフトウェアバグなど)と外的要因(サイバー攻撃、自然災害など)があり、様々な事例が存在します。
対策として、システム構成の見直し、予防策の強化、早期検知の強化、復旧手順の把握が重要です。
これらの対策を講じることで、システムの信頼性を高め、障害発生時の影響を最小限に抑えることができます。
企業は常にこれらの対策を見直し、改善を続けることが求められます。
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