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システム開発の工程とは?開発工程モデルや覚えておきたい略語を紹介

2023.04.29

システム開発を検討している方の中には、「どのような工程で進めれば良いかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

システム開発の工程を事前に確認しておくことでスムーズに開発を進められ、結果的にユーザーへの提供を早められる可能性があります。

本記事では、システム開発工程についての説明をはじめ、システム開発に必要な工程や開発工程モデルを紹介します。

記事終盤では、システム開発の工程で覚えておきたい略語を紹介しているので、打ち合わせや会議をスムーズに進めるためにもぜひ目を通しておいてください。

システム開発工程とは?

システム開発工程とは?

システム開発工程とは、システム開発においてどのような流れで作業を進めるのか手順のことです。

システム開発の工程は、上流工程と下流工程の2種類に分かれています。はじめに行う要件定義に近い工程が上流工程、保守や運用に近い工程が下流工程です。

工程を明らかにすることで、特定の工程に必要な人材やどのようなことをすべきかを明確にできるメリットがあります。工程ごとに期限を決めると、システム開発完了までのスケジュールがより明確に立てやすいです。

またシステム工程の一つひとつの工程の質を高めることで、システムが完成したときの精度をより高められる可能性があります。

システム開発に必要な10工程

システム開発に必要な10工程

システム開発を進める前に、あらかじめどのような工程があるのかを把握しておきましょう。事前に開発工程を確認しておくことで、少しでもスムーズに開発を進められます。

ここでは、システム開発で必要な10工程を紹介します。

1.要件定義

要件定義とは、どのようなシステムを開発するのか、どのような開発手法を用いるのか、などのポイントを確認する工程です。この工程では、予算や開発期間、システム導入後の運用方法なども決めます。

システム開発を代行会社に依頼する場合は、依頼先と一緒にシステム内容を確認するために要件定義を行います。双方の認識に違いがないか確認するためにも重要な工程です。

またシステム開発では、要件定義に基づいて開発を進めます。上流工程の中でも重要な部分であり、ここを怠るとイメージと違ったシステムになってしまう恐れがあります。

2.基本設計

基本設計とは、要件定義で決めた内容に基づいてインターフェースを決定する工程です。インターフェースとは、ユーザー側が見える部分を指します。

システム開発代行会社を利用する場合、基本設計の資料は発注側が確認するものなので、プログラマーやエンジニアが用いる専門用語などの難しい情報は掲載されていないことがほとんどです。

基本設計が完成したらこの工程が完了になるわけではなく、フィードバックと改善を繰り返すケースが一般的です。

また基本設計の工程を怠ると、業務効率を低下させたり、顧客満足度が低下したりと、さまざまなデメリットにつながる恐れがあります。

3.詳細設計

詳細設計とは、エンジニアが確認するための資料を作成する工程です。

具体的には、機能の仕様書やデータベース物理設計書などがあります。詳細設計で完成したものをもとに、プログラミングやコーディングを進めていきます。

この工程で不備があった場合、システムの機能性にも影響してしまうのでミスや抜け漏れがないか入念に確認することが大切です。

4.プログラミング

プログラミングでは、システムエンジニアやプログラマーが詳細設計書をもとにコード入力していきます。

一気に一つのシステムとしてプログラミングするケースは少なく、パーツごとに分けてプログラミングを行うケースがほとんどです。

システムの種類によって必要なプログラム言語が異なるので、社内にプログラミングに詳しい人材がいなければ外部への依頼を検討すると良いでしょう。

またシステム開発にかかる費用の大部分が人件費なので、優秀な人材を新たに雇うことを検討している方は予算を多く見積もっておくことがポイントです。

5.単体テスト

単体テストとは、作成したプログラムが正しく作動するのかを確認する工程です。

不具合があれば、その都度修正や改善を行います。

しかし、この工程ではパーツごとの作動を確認するので、テストでクリアしても一つのシステムとして作動するとは限りません。

6.結合テスト

結合テストとは、パーツごとに作成したプログラムを組み合わせて、一つのシステムとして正しく作動するのか確認する工程です。

複数のプログラムを組み合わせる際、正常に噛み合わせられず正しく作動しないケースがあります。単体テストをクリアしてもしっかり連携しない場合もあるので、結合テストも怠ってはいけない重要な工程です。

7.システムテスト

システムテストとは、一つのシステムとして正しく作動したのを確認した上で、システム上に不具合がないかを確認する工程です。

具体的には、アクセス数が多いときの耐久性や処理速度に問題がないかを確認します。この工程でも、要件定義を満たせているのかをチェックします。

8.運用テスト

運用テストとは、システムを納品する前に運用していく中で問題がないか確認する工程です。

この工程では、それぞれの機能が正常に作動するか、誤った操作をしにくい仕様なのか、改善箇所がないかなどを確認します。システムテストまで確認できなかった部分を細かく確認するテストといって良いでしょう。

また運用テストに力を入れることは、システムのパフォーマンス向上に直結するといっても過言ではありません。システムのクオリティを少しでも上げたい場合には、最終テストまで気を抜かないことが大切です。

9.システム移行

システム移行は、一斉移行と順次移行の2種類があります。

一斉移行とは、旧システムから新システムに一気に切り替えることです。システムをはじめてリリースする際に行う移行方法です。

順次移行とは、徐々にシステムを切り替えていくことです。機能ごとに改善を行ってシステムを切り替えていくので、システム全体を停止する必要はありません。

旧システムを一気に切り替えたい場合、一斉移行を行う必要があります。その際、システムを一定期間停止しないといけないので、売上や顧客満足度の低下につながってしまう恐れがあるので注意しましょう。

システム全体のリニューアルを急いでいない方は、順次移行がおすすめです。

10.運用・保守

システムの稼働を開始したあとは、運用・保守業務を行う必要があります。

ただ運用していくのではなく、稼働する中で不正アクセスやサーバーダウンなどのトラブルがないか監視することが大切です。トラブルが生じたときには、直ちに対処しましょう。

またさまざまデータを扱う中で、情報に合わせてシステムのアップデートを行わなくてはいけないケースがあります。古い情報を掲載すると、顧客満足度の低下につながる恐れがあるでしょう。

とはいえ、24時間ずっとシステムを監視することはできないという方もいるのではないでしょうか。その場合は、運用・保守代行サービスの利用をおすすめします。

システムの開発工程モデル4つ

システムの開発工程モデル4つ

システム開発の工程をスムーズに進めたい場合には、工程モデルを決定しましょう。工程モデルに基づいてシステム開発を進めることで、次に行うべきことを明らかにできるメリットがあります。

ここでは、システムの開発工程モデルを4つ紹介します。

ウォーターフォールモデル

ウォーターフォールモデルとは、上流から下流に向かって前の工程に戻ることなく作業を進める工程モデルです。

この工程モデルのメリットは、一つの工程を完了してから次に行うべき工程が明らかになるという点です。進捗の把握がしやすいので、スケジューリングもしやすいというメリットもあります。

特に、計画通りにシステム開発を進めたい方におすすめです。

一方で工程途中でミスが生じた場合、計画通りに開発ができない、スケジュールを変更する必要がある、などrデメリットがあります。

結果的には、ミスが重なることで予想していたよりもコストがかさばってしまう恐れもあるので把握しておきましょう。

アジャイルモデル

アジャイルモデルとは、前の工程に戻れることを前提にシステム開発を進めていく工程モデルです。

この工程モデルは、後戻りを前提にシステム全体を構築していくので、余裕を持ってスケジュールを組む点が特徴です。

また開発スピードが早い工程モデルでもあるので、急いでシステムをリリースしたい方に適しています。

ただし、改善点の有無によって後戻りができるので、進捗状況を把握しづらい点がデメリットです。

プロトタイプモデル

プロトタイプモデルとは、システム開発の本番を行う前に試作品を作成する工程モデルです。

この工程モデルでは、試作品を確認してから本番に進めるので、認識のずれを防ぎ失敗しづらいという点がメリットです。試作品の時点で修正点があっても、本番で修正を行えば問題はないでしょう。

ただし、大規模システムを作成する際、試作品をつくるための時間やコストがかかってしまいます。通常のシステム開発よりもコストがかかると考えられるので、予算を多めに見積もっておくと良いでしょう。

スパイラルモデル

スパイラルモデルとは、サブシステムごとのプロトタイプを確認しながら開発を進める工程モデルです。

サブシステムの構築は、ウォータフォールモデルで進めていきます。開発を進めながらシステムの詳細を決めていくので、要件定義で細かく項目を決定する必要がありません。

また、部分ごとに開発を進めていくので、開発途中でシステム内容に変更があっても、システム全体を修正する手間を省けます。

一方で何度もプログラムの作成と確認を繰り返す必要があるので、時間と手間がかかってしまう点がデメリットです。そのため、予算と開発期間に余裕がある方に適しています。

システム開発の工程で覚えておきたい略語

システム開発の工程で覚えておきたい略語

システム開発の工程では、さまざまな略語が用いられるケースがあります。特に、システム開発代行会社に依頼する場合、会議や打ち合わせなどで略語が使われることが多いです。

システム開発の工程でよく使われる略語は、主に以下の通りです。

  • SP(System Planning):企画
  • SA(System Architectural design・Service Analysis・System Analyze):要求分析・システム方式設計要求分析
  • RD(Requirements Definition):要件定義
  • UI(User Interface):UI基本設計
  • BD(Basic Design):基本設計
  • SS(System Structure Design):構造設計
  • FD(Function Design):機能設計
  • DD(Detail Design):詳細設計
  • PD(program design):詳細設計・プログラム設計
  • PS(Program Structure Design):詳細設計
  • M(Manufacture):製造
  • UT(Unit Test):単体テスト
  • CD(Cording):コーディング
  • PG(Programing):プログラミング
  • IT(Integration Test):結合テスト
  • ST(System Test):システムテスト
  • OT(Operation Test):運用テスト
  • PT(Product Test):総合テスト

システム開発を成功させるためのポイント

はじめてシステム開発を行う際、事前に成功させるためのポイントを把握しておきましょう。ここでは、システム開発を成功させるためのポイントを3つご紹介します。

システム開発の目的をはっきりする

システム開発の目的を明確にすることで、プロジェクト全体の方向性やゴールが明確になります。これにより、プロジェクトのメンバー全員が同じ目標に向かって努力できるでしょう。

システムの目的が明確であれば、具体的な要件を洗い出しやすくなります。さらにステークホルダーもシステムの目的を理解しているため、要求やフィードバックが効果的に行われるようになります。

自社に合った開発手法を選ぶ

システム開発のプロジェクトは、規模や要件、期間、チームの構成など、多岐にわたる特性を持っています。自社やプロジェクトに合わせて、開発手法を選ぶことが大切です。

たとえば、短期間での迅速なフィードバックが求められるプロジェクトにはアジャイル型開発が、より計画的で段階的な進行が望まれる場合にはウォーターフォール型開発が向いています。

適切な開発手法を選ぶことで、プロジェクトにおけるリスクの低減につながるでしょう。また自社に合った開発手法により、プロジェクトの進行状況の共有や認識のすり合わせが効果的に行える可能性があります。

外部委託を検討する

システム開発は、自社で行うだけではなく、外部委託して一任することも可能です。特に、社内にIT人材がいない場合やメイン業務に人的リソースを当てたい場合におすすめです。

外部の委託業者は、多くのプロジェクトを手掛けてきた経験を持ち、専門的な知識や技術を持っています。高品質のシステムを迅速に開発でき、システム開発を急いでいる場合に適しているでしょう。

また必要な期間やプロジェクトの規模に応じて、外部のリソースを柔軟に調整してもらえます。これにより、不必要な人件費やインフラコストの削減につながります。

ただし、外部業者とのコミュニケーションの障壁や、ミスアンダースタンディングが生じるケースがあります。定期的に作業品質を確認し、期待する水準を維持するための監督や品質保証が必要となるでしょう。

システム開発を外部委託するメリット

システム開発を自社で行うべきか、外部委託すべきか迷っている場合、まず外部委託するメリットを確認してみましょう。ここでは、システム開発を外部委託するメリットを4つご紹介します。

人材がいなくても開発を進められる

システム開発を進めるには開発に詳しいIT人材が必要ですが、社内にIT人材がいない場合があるでしょう。その際、外部委託すると人材を確保することなく、システム開発を進められます。

社内での採用プロセスは、時間とコストがかかります。特に短期間のプロジェクトや一時的なニーズに対して新しい人材を採用するのは非効率的でしょう。

また外部委託すると、プロジェクトの規模やフェーズに応じて、必要な人材を迅速に増減させられます。一時的なプロジェクトや特定の技術ニーズに応じて、外部から即座に専門家を確保することも可能です。

開発設備への投資が不要である

システム開発を進めるには、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク環境など、さまざまな設備とリソースが必要となります。外部委託すると、これらの設備への投資が必要なくなります。

専門的な開発業者は、最新の開発ツールや技術を取り入れていることが多いです。そのため、委託先が持つ最新の開発環境やツールを利用して、効率的に開発を進められるでしょう。

またシステム開発に使う設備のアップデートやメンテナンスも、外部業者が担当します。これにより、継続的な設備の維持や更新にかかるコストや手間を省けます。

知識がなくてもプロに任せられる

システム開発は、特定の技術や業界知識、最新の技術トレンドなど、多岐にわたる知識が必要です。開発業者はすでに知識とノウハウを蓄積しているので、プロフェッショナルな経験を活かして、高品質なシステムを効率的に開発できるでしょう。

適切な知識や技術がないまま開発を進めると、品質の問題や適切でない設計などのリスクが生じる恐れがあります。専門業者に委託することで、これらのリスクを大幅に低減できるでしょう。

開発後の運営・保守も対応してもらえる

システム開発のライフサイクルは、単に開発フェーズだけで終了するものではありません。開発したシステムは、適切な運営や保守を行うことで、長期間にわたり安定して機能し続ける必要があります。

外部の開発業者は、システムの運営や保守に関する専門的な知識や経験を持っています。これにより、システムが円滑に動作し続けるための適切なサポートを受けることが可能です。

また運営・保守に関する専門家を社内に雇用することなく、外部業者にこれらのタスクを任せることで、人件費や教育・研修費の削減が期待できるでしょう。システムやソフトウェアのアップデート、アップグレードが必要な場合、これを外部業者に依頼することでスムーズに対応してもらえます。

まとめ

システム開発では、要件定義から運用や保守までどのような工程で進めていくのか把握しておくことが大切です。

さらにどのように開発を進めていくためにも、開発プロセスである開発モデルを決めておくことをおすすめします。

代表的な開発工程モデルにはウォーターフォールモデルとアジャイルモデルの2つがありますが、そのほかの開発工程モデルもチェックしておきましょう。

またシステム開発の工程では、打ち合わせや会議などでさまざまな略語を使う場合があるので、本記事で紹介した覚えておくべき略語を確認しておいてください。

これからシステム開発を検討している方の中で、はじめてのシステム開発でどのように工程を踏んでいくべきかわからない方は、外部にシステム開発を依頼することもおすすめです。