サーバー移行の手順や注意点|ドメインそのままで移行できる?
サーバーを変更したい場合、サーバー移行の手順を把握しておく必要があります。
サーバー移行を検討している方の中には、どうやってデータを移行すれば良いかわからない、サーバー移行を行う前に手順を知っておきたいという方がいるでしょう。
そこで本記事では、サーバー移行の手順を10ステップでご紹介します。そのほか、サーバー移行で注意すべき点やよくある質問もお伝えするので、サーバー移行について疑問に思っていることがある方はぜひ参考にしてください。
多くの企業の間でサーバーのクラウド化が進む一方で、「AWSクラウドとは何か?」「どこから進めればいいか分からない」とお悩みの方も多くいるでしょう。
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サーバー移行とは
サーバー移行は、既存のWebサイトやアプリケーションを1つのサーバーから別のサーバーに移動することです。
Webサイトやアプリケーションのパフォーマンス向上、セキュリティ強化、スケーラビリティの向上、コスト削減などを目的に行うケースが多いです。
サーバー移行は、慎重な計画とテストが必要な作業といえます。データの損失やサービスの中断を最小限に抑えるために、専門知識を持つ技術者やサーバー管理者の支援を受けることがポイントです。
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サーバー移行の手順
ここでは、サーバー移行の手順を10つのステップに分けてご紹介します。
1.サーバー移転前に報告する
サーバー移行を行う前に、利用者にその旨を伝えておきましょう。
新旧サーバーの並行稼働期間の有無を確認し、移行中にWebサイトやメール受信が止まる場合があるかをチェックする必要があります。
Webサイトが止まることを報告せずにサーバー移行をはじめると、信用をなくしたり顧客満足度が低下したりする恐れがあるでしょう。
どれくらいの期間サーバー移行を行うのか、いつWebサイトやメール受信が可能になるのか、スケジュールを明確にしておくことが大切です。
2.データをバックアップする
データのバックアップは、移行中にデータの損失や破損を防ぐために大切なステップです。移行中に何か問題が発生した場合でも、元のデータを復元できます。
移行作業中にデータの損失を防ぐだけでなく、移行後の環境でのテストやトラブルシューティングにも役立ちます。
バックアップ後は、正常にバックアップされているかを確認しましょう。
またバックアップを安全な場所に保管し、移行中にアクセスできるようにしておくことが大切です。可能であれば、複数の場所にバックアップを保存しておくと良いでしょう。
3.新サーバーを契約する
新サーバーを契約する際には、ビジネスの要件や予算に合ったものを選びましょう。十分な調査と比較を行い、信頼性とパフォーマンスの両方を備えた適切なサーバープロバイダーを選ぶことが大切です。
また、ファイアウォール、侵入検知システム、データの暗号化など、データの保護を確保するためのセキュリティ対策が可能なのかも確認しましょう。
はじめてサーバー移行を行う場合や不安を抱えている場合は、24時間体制でのサポートや専門家のサポートが受けられるものがおすすめです。
4.新サーバーで独自ドメインを登録する
新しいサーバーで独自ドメインを登録する際には、正確な手順と適切な設定を行うことが重要です。
ドメインを登録する際、信頼性の高いドメイン登録プロバイダーを選びましょう。評判やサポート、価格などを比較し、適切なプロバイダーを選択します。
ドメインの有効期間を確認し、必要に応じて更新手続きを行う必要があります。ドメインの有効期限が切れると、Webサイトやメールなどのサービスが利用できなくなる可能性があるでしょう。
5.新サーバーにデータをアップロードする
新しいサーバーにデータをアップロードする際には、データの整理と準備、適切な転送方法の選択、データのエラーチェックと整合性の確認、テストと検証、インタラプションの管理などを適切に行うことが重要です。
一般的な転送方法には、FTP(File Transfer Protocol)、SFTP(Secure File Transfer Protocol)、SCP(Secure Copy Protocol)、rsyncなどがあります。データのサイズやセキュリティ要件に応じて適切な転送方法を選びましょう。
データの転送が完了した後、エラーチェックやデータの整合性を確認しましょう。転送中にデータが破損したり欠落したりしていないかを確認するために、チェックサムやハッシュ値の検証を行います。
データのアップロード後、新しいサーバー上で正常に動作することを確認するためにテストと検証を行いましょう。Webサイトやアプリケーションの動作テスト、データベースの接続確認、メールの送受信テストなど、移行後の動作を綿密に確認します。
6.新サーバーにメールアドレスを登録する
新しいサーバーにメールアドレスを登録する際には、正確な設定と適切な検証を行うことが重要です。メールサーバーとメールクライアントの設定を正しく行い、スムーズなメールの送受信を確保しましょう。
新しいサーバー上で正しくメールを送受信するために、メールサーバーの設定が必要です。メールサーバーの種類に応じて、設定を進める必要があります。
メールアカウントの登録と設定が完了したら、正常にメールが送受信できることをテストして検証しましょう。自分自身やほかのユーザーとのメールの送受信を確認し、問題がないかどうかを確認します。
7.新サーバーと独自ドメインを紐付ける
新しいサーバーと独自ドメインを紐付けるには、DNSレコードの設定が必要です。
一般的なDNSレコードには、ドメイン名をIPアドレスにマッピングするAレコード、ドメイン名を別のドメイン名に関連付けるCNAMEレコード、メールの送信元サーバーであるMXレコードがあります。
DNSレコードの設定は、ドメインを管理しているDNSプロバイダーの管理パネルやコントロールパネルを使用して行います。
DNSレコードの設定後、新しいサーバーにドメインが正しく紐付けられているかをテストして検証しましょう。ブラウザを使用してWebサイトにアクセスし、メールサーバーの設定も正常に機能しているか確認します。
8.SSL化をする
サーバー移行時にSSL化を行い、Webサイトやアプリケーションのセキュリティと信頼性を確保しましょう。
SSL(Secure Sockets Layer)とは、Webサイトの場合、WebサイトとWebブラウザ間の通信を暗号化し、セキュリティを強化することです。
新しいサーバーでSSLを使用するには、SSL証明書を取得する必要があります。SSL証明書は信頼性とセキュリティを提供し、Webサイトやアプリケーションの通信を暗号化します。証明書は信頼できる認証局(CA)から入手するか、自己署名証明書を使用することも可能です。
次に、取得したSSL証明書を新しいサーバーにインストールします。証明書のインストール方法は、使用しているWebサーバーソフトウェアによって異なります。一般的には、証明書をWebサーバーの設定に関連するファイルに配置し、適切な設定を行う必要があります。
SSL化後は、HTTPS経由で正常な動作をテストしましょう。すべてのページとコンテンツが正常に表示され、セキュリティ警告やエラーがないことを確認します。
9.Webサイトやアプリケーションの動作を確認する
ホームページやアプリケーションの動作を確認し、移行後の正常な運用を確保しましょう。
新しいサーバーにアップロードされたホームページなどが正常に表示されるか、ホームページ内などのリンクが正しく機能しているかなどを確認します。具体的には、各ページやコンテンツ、メニュー、内部リンク、外部リンクなどの動作が適切かをチェックしましょう。
また読み込み速度もテストすると良いでしょう。Webサイトの場合、Webページのパフォーマンステストツールを使用することで、ページの読み込み速度やボトルネックを特定できます。
10.旧サーバーを解約する
旧サーバーの解約手続きを行いましょう。重要なデータのバックアップや移行、DNS設定の確認などを忘れずに行い、円滑な移行プロセスを確保することが大切です。
旧サーバーと関連するDNSレコードやドメイン設定がある場合、それらの設定を解除しなければいけない可能性があります。旧サーバーとの関連を断ち切り、新しいサーバーのDNS設定が正常に機能するようにします。
また新しいサーバーが正常に稼働していることを確認した後に、解約手続きを行うことが重要です。契約解除に伴うデータの削除やサービス停止についても理解しておきましょう。
サーバー移行の注意点3つ
ここでは、サーバー移行を行う際の注意点を3つご紹介します。
業務の停滞期間がある
データ移行による業務の停滞期間は、移行の規模や複雑さ、事前の準備と計画の進捗状況、および移行プロセスの実施方法に依存します。
業務内容によっては、データ移行に伴う一時的な停止や制約が生じる場合があります。特に大規模なデータ移行では、データの整合性や一貫性を保つために一時的な業務の停止や制約が必要な場合があるでしょう。
またデータ移行における業務の停滞期間を最小限に抑えるためには、事前の計画と準備、適切なテストと検証、関係者への適切なコミュニケーションが不可欠です。
大きな損害につながる恐れがある
サーバー移行は、慎重に計画・実施すべき作業ですが、誤った手順や不適切な管理下で行うと損害やリスクが発生する恐れがあります。
データ移行中にデータが失われる場合は、データのバックアップが不十分、移行プロセス中のエラーなどが原因と考えられます。データの損失は重大な問題であり、ビジネスに対する影響が大きいといえるでしょう。
またオンラインビジネスやeコマースなどの場合は、一時的にサービスが中断することでユーザーアクセスやビジネスの運営に支障が生じる恐れがあります。売上や顧客満足度への影響が懸念されるでしょう。
潜在的な損害要因を最小限に抑えるためには、事前の計画と準備、適切なテストと検証、セキュリティ対策の実施、専門知識を持つ技術者のサポートなどが重要です。
完全に移行できるまで時間がかかる
サーバー移行にかかる時間は、移行の規模や複雑さ、データの量、業務の停滞の許容範囲などによって異なります。
実際のデータ移行プロセスには、データの転送や変換、データベースの移行、ファイルのアップロードなどが含まれます。データの量や複雑さによって異なりますが、大規模なデータベースや複数のWebサイトを移行する場合には、膨大な時間がかかるケースがあるでしょう。
サーバー移行にかかる時間を最小限に抑えるためには、十分な準備と計画、テストと検証の時間を確保することが大切です。
サーバー移行に関するよくある質問
ここでは、サーバー移行でよくある質問を4つご紹介します。
費用はどれくらいかかる?
サーバー移行の費用は、約5万円〜10万円が相場です。
ただし、移行の規模や複雑さ、移行元と移行先の環境の違い、専門知識や技術者の必要性など、多くの要素によって異なります。
また、移行作業に関わる追加の費用や予期せぬ費用も発生する可能性があります。事前に予算を設定し、プロジェクトの要件に基づいて費用を見積もることが重要です。
ドメインそのままで移行できる?
サーバー移行では通常、ドメイン名をそのまま使用することができます。
サーバー移行のプロセスでは、新しいサーバーにドメイン名を関連付けるためのDNSの設定変更が必要です。これにより、既存のドメイン名を新しいサーバーのIPアドレスに向けることができます。
ただし、移行にはDNSの伝播時間がかかる場合があります。DNSの変更はインターネット上で広まるまでに時間がかかるため、一時的に古いサーバーと新しいサーバーの両方からアクセス可能な状態を維持する必要があります。
メールは消える?
サーバー移行によってメールが消えることはありませんが、適切な手順を踏まない場合にはメールの一時的な中断やアクセスの問題が生じるケースがあります。
サーバー移行前には、メールデータをバックアップすることが大切です。これにより、移行中にメールが紛失するリスクの軽減が可能です。
ただし、正確なメールの移行手順や設定は、利用しているメールサービスやメールサーバーの仕様によって異なる場合があります。サーバー移行を行う前には、メールプロバイダーやサーバーサポートへの問い合わせ、ドキュメンテーションの確認をしておきましょう。
サーバー移行は代行できる?
サーバー移行は、代行業者への依頼が可能です。サーバー移行は技術的な手順や専門知識を要する作業なので、サーバー移行を専門の代行業者に委託することもおすすめです。
サーバー移行代行業者は、移行の計画と実施に関する経験と専門知識を持っており、スムーズな移行を支援することが期待されます。
代行業者に移行を委託する場合は、作業範囲、スケジュール、費用などの詳細を明確に話し合い、契約書にまとめることが重要です。代行業者の評判や実績を確認し、信頼できるパートナーを選びましょう。
まとめ
サーバー移行を行う際には、手順だけではなく注意点も把握しておきましょう。
業務の停滞期間が発生する場合や、大きな損害を引き起こすケースがあるため注意が必要です。
また完全な移行までに時間がかかる場合があり、想定していたよりも業務が停滞してしまう恐れもあります。
ただしサーバー移行は慎重に行う必要がありますが、適切な計画と手順を実施すればスムーズに移行できるでしょう。サーバー移行でお悩みの方は、サーバー移行を代行会社に依頼することもおすすめなので、ぜひ選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
サーバーのクラウド化を検討している方の中には、「AWSの導入を検討しているものの、何から始めればいいかよくわかっていない」という方も多いでしょう。
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