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Difyとは?できること・n8nとの違い・無料で始める方法を情シス向けに解説【2026年版】

2026.06.19

/最終更新日:

「ChatGPTのAPIを使って社内向けチャットボットを作りたい。でも、カスタマイズが難しそう…」「社内の規定集や手順書をAIに学習させて、社員が質問できる仕組みを作りたい」――。こうした相談が、製造業・中小企業の情シス担当者からも増えています。

そこで注目されているのがDify(ディファイ)です。Difyは、社内ドキュメントをAIに読み込ませた「RAGアプリ」や、業務に特化したAIチャットボットを、コーディングの知識がなくても構築できるオープンソースのLLMプラットフォームです。GitHubスター数は2025年に急増し、n8nやLangChainと並ぶAI開発ツールとして定着しつつあります。

本記事では、Difyとは何か・何ができるか・n8nやPower Automateとどう違うか・無料で始める方法を、情シス担当者向けに解説します。

目次

想定読者

本記事は、次のような方を対象に書いています。

  • 社内向けAIチャットボットや文書検索ツールを検討している情シス担当者
  • n8n・Power Automate・ChatGPTなどは知っているが、Difyについては初めて聞いた方
  • セルフホストでLLMアプリを構築したいが、何から始めればよいか分からない方
  • 自社データ(規定・手順書・FAQなど)をAIに学習させる方法を探している方

1. Difyとは?30秒でわかる概要

Dify(ディファイ)は、LLM(大規模言語モデル)を使ったAIアプリケーションを構築・運用するためのオープンソースプラットフォームです。2023年に公開され、2024〜2025年にかけて世界中のエンジニア・企業に急速に普及しました。

Difyの特徴を一言で言うと、「AIアプリの開発基盤」です。GPT-4やClaudeなどのLLMをバックエンドに使いながら、自社のドキュメントや知識を読み込ませたRAGアプリや、業務フローに組み込んだAIエージェントを、GUIで構築できる点が最大の強みです。

Difyの3つの基本機能

① チャットボット(RAGアプリ)
社内の規定集・手順書・FAQなどのドキュメントをアップロードし、「この文書の内容について質問できるAI」を構築します。ChatGPTの社内版をイメージするとわかりやすいです。ただし、回答は自社ドキュメントの内容に限定されるため、「ハルシネーション(AIの誤情報)」が起きにくい点が特徴です。

② AIワークフロー
テキスト入力→LLM処理→結果出力という処理のフローを、ノードをつなぐGUI操作で構築できます。「メールの文章を要約する」「報告書のフォーマットを整える」といった処理を自動化できます。

③ AIエージェント
ツール(Web検索・API連携・コード実行など)を組み合わせて、複数のステップを自律的に実行するAIエージェントを構築できます。「調査して→まとめて→報告書を作る」といった複合タスクを自動化する用途に向いています。

2. Difyとn8n・Power Automateは何が違うのか

Difyを知った方がまず疑問に思うのが「n8nやPower Automateと何が違うのか?」という点です。それぞれを「何のためのツールか」という軸で整理します。

ツール主な用途AI機能ノーコード度
DifyLLMアプリ・RAGチャットボット構築◎ 中心機能○ GUI操作が中心
n8nワークフロー自動化・API連携△ LLMノードあり○ ノーコード中心
Power AutomateOfficeや業務システムの自動化△ Copilot連携◎ ノーコード
LangChainLLMアプリ開発フレームワーク◎ 中心機能✕ コーディング必須

Difyが向いている用途:社内ドキュメントを学習させたAI問い合わせ窓口、業務特化のチャットボット、LLMを使った文書処理の自動化

n8nが向いている用途:異なるシステム・APIの連携自動化、定期バッチ処理、データ変換・転送

Power Automateが向いている用途:Excelや Teams、SharePoint などMicrosoft製品の操作自動化

つまり、Difyは「AIアプリを作るプラットフォーム」、n8nは「ワークフロー自動化ツール」という位置づけです。両方を組み合わせる使い方(n8nでデータを取得してDifyに渡す等)も実際に行われています。

3. Difyでできること:6つの主要機能

① ナレッジベース(Knowledge Base)

Difyの最も活用されている機能です。PDFやWordファイル、Webページ、テキストなどをアップロードし、「そのドキュメントについて質問できるAI」を作ります。

活用例:

  • 就業規則・社内規定集のAI問い合わせ窓口
  • 製品マニュアル・工場手順書の検索AI
  • 過去の障害対応記録をもとにした初期診断AI

RAG(Retrieval-Augmented Generation)という技術を使い、質問に関係する文書のチャンクを抽出してからLLMに回答させるため、ドキュメントの内容に基づいた正確な回答が得られます。

② チャットフロー(Chatbot構築)

会話の流れ(ノードとエッジ)をGUIで設計し、AIチャットボットを構築します。「最初に案件の種類を選ばせる→対応フローを分岐させる→最後にフォームに誘導する」といった複雑な会話設計も可能です。

③ テキスト生成ワークフロー

「入力テキストを受け取り、LLMで加工して出力する」処理をフロー図で設計します。文体の変換、要約、翻訳、特定フォーマットへの整形など、ドキュメント処理の自動化に活用されます。

④ AIエージェント(Agent)

LLMが複数のツールを自律的に使い、複雑なタスクを完遂するエージェントを構築します。「Web検索→情報を整理→メール文面を生成する」といった複数ステップの処理を任せられます。

⑤ 複数LLMの切り替え

OpenAI(GPT-4)、Anthropic(Claude)、Google(Gemini)、Meta(Llama)、Azure OpenAI など、多数のLLMプロバイダに対応しています。用途・コスト・精度に応じてバックエンドのLLMを切り替えられます。

⑥ API公開・外部連携

構築したDifyアプリはAPIとして公開できます。自社の既存システムや業務アプリから呼び出したり、n8nやMakeなどのワークフロー自動化ツールと組み合わせたりすることが可能です。

4. Difyの料金プラン:セルフホスト版とクラウド版

Difyには「クラウド版」と「セルフホスト版」の2種類があります。

クラウド版(dify.ai)

プラン月額料金主な制限
Sandbox(無料)$0200クレジット/月、チームメンバー1名
Pro$59/月5,000クレジット/月、チームメンバー3名
Team$159/月無制限クレジット(従量制)、チームメンバー無制限
Enterprise要問い合わせSSO・カスタムSLA等

クラウド版はアカウント登録するだけで即日使い始められます。データはDifyのクラウドサーバー(米国)に保存されるため、社内の機密情報を扱う場合は次のセルフホスト版を検討してください。

セルフホスト版(オープンソース)

GitHubで公開されているオープンソース版をDockerで自社サーバーや社内NW上に立ち上げる方式です。ライセンス費用は無料で、データは自社サーバー内にのみ保管されます

セルフホスト版が向いているケース:

  • 社内規定・顧客情報など機密性の高いデータを扱う
  • クラウドへのデータ送信をポリシーで禁じている
  • 社内ネットワーク内でのみ利用したい

セルフホスト版の構築には最低限のサーバー環境(Linux + Docker)が必要です。AWSのEC2やLightsailなどクラウドインフラを使って構築するケースが一般的です。

5. 無料で始めるDifyの使い方:3ステップ(クラウド版)

クラウド版(dify.ai)なら、登録後すぐに試せます。

ステップ1:アカウント登録とLLMの設定

  1. dify.aiにアクセスし、メールアドレスまたはGoogleアカウントで登録
  2. 「Settings → Model Provider」からOpenAI・Anthropic等のAPIキーを設定
  3. 使いたいLLMモデル(GPT-4o、Claude 3.5 Sonnet等)を選択

ステップ2:ナレッジベースにドキュメントをアップロード

  1. 左メニューの「Knowledge」→「Create Knowledge」
  2. PDFや Word、テキストファイルをアップロード
  3. チャンクのサイズや埋め込みモデルを選択して「保存」

ステップ3:チャットボットを作成・公開

  1. 「Studio」→「Create App」→「Chatbot」を選択
  2. 使用するナレッジベースを紐づけ、プロンプト(AIの役割・回答スタイル)を設定
  3. 「Publish」でURLを発行。社内メンバーに共有して利用開始

製造業・中小企業でのRPA/自動化について相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。


6. 製造業・情シスでのDify活用シーン

活用シーン①:社内規定・手順書のAI問い合わせ窓口

製造現場や管理部門では、「この作業の手順は?」「この申請はどの規定に該当する?」という問い合わせが情シスや総務に集中しがちです。Difyのナレッジベースに規定集・手順書・FAQをアップロードし、社内向けチャットボットを公開することで、問い合わせを自己解決できる仕組みを構築できます。

活用シーン②:障害・インシデント対応の初期診断

過去の障害対応記録(ログ、原因、対処法)をDifyに学習させ、「このエラーメッセージが出たときの対処手順を教えて」という問い合わせに自動回答するシステムを構築できます。深夜・休日の1次対応の負荷を下げることが可能です。

活用シーン③:提案書・報告書の自動生成

顧客情報・プロジェクト情報・テンプレートをDifyのナレッジベースに格納し、「この案件の提案書を作って」という入力から初稿を生成するワークフローを構築できます。n8nと組み合わせることで、データ収集→Dify処理→ドキュメント出力のフローを自動化できます。

活用シーン④:製品・サービスの問い合わせ対応

自社製品のカタログ・仕様書・FAQ・過去の問い合わせ事例をDifyに学習させ、Webサイトやチャットツールに埋め込む問い合わせAIを構築できます。一次対応を自動化し、担当者はより複雑な案件に集中できます。

よくある質問

Q. Difyはプログラミングの知識がなくても使えますか?

A. クラウド版のチャットボット・RAGアプリの構築は、ノーコードのGUI操作が中心のため、プログラミングの知識は必須ではありません。ただし、セルフホスト版の導入にはサーバー環境の構築(Docker・Linux)の知識が必要です。社内にサーバー管理の担当者がいない場合は、AWSなどクラウド上でのセルフホストを専門会社に依頼するか、クラウド版から始めることをお勧めします。

Q. 社内の機密データをDifyに学習させても安全ですか?

A. クラウド版(dify.ai)を使う場合、アップロードしたデータはDifyのサーバー(米国)に保存されます。社内機密・個人情報・顧客情報などを扱う場合は、セルフホスト版を自社サーバー上に構築し、データを社内ネットワーク内に留める方式を検討してください。

Q. Difyと ChatGPT(OpenAI)の直接利用は何が違いますか?

A. ChatGPTのAPIを直接利用する場合、プロンプト設計・RAG実装・UI構築などを自前でコーディングする必要があります。DifyはこれらをGUIで構築できるプラットフォームであり、「自社データを使ったRAGアプリ」を最短で構築できる点が最大の違いです。開発コスト・期間を大幅に短縮できます。

Q. DifyはどのLLMに対応していますか?

A. 2026年時点で、OpenAI(GPT-4o・GPT-4 Turbo)、Anthropic(Claude 3.5 Sonnet等)、Google(Gemini 1.5)、Azure OpenAI、Mistral AI、Llama(Meta)、Groqなど主要なLLMプロバイダに対応しています。バックエンドのLLMは用途・コスト・精度に応じて切り替えが可能です。

まとめ

Difyについて、以下のポイントを解説しました。

  • Difyとは、LLM(GPT-4・Claude等)を活用したRAGアプリ・チャットボット・AIエージェントをGUIで構築できるオープンソースプラットフォーム
  • n8nとの違い:n8nはワークフロー自動化、Difyは「LLMアプリを作るプラットフォーム」。用途が異なるため組み合わせて使うケースも多い
  • 料金:クラウド版は無料枠あり(月200クレジット)。機密データを扱う場合はセルフホスト版(オープンソース・無料)
  • 情シスでの活用:社内規定のAI問い合わせ窓口・障害対応初期診断・提案書自動生成など、開発コストを抑えつつ業務AIを導入できる

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「まずどんなことができるか聞きたい」「自社に向いているかどうか相談したい」という段階からでも歓迎です。