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RPAで自動化できる業務一覧|メリットやデメリットとは?

2024.04.26

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は、ソフトウェアロボットを使って、ルーティン的な業務を自動化できる技術のことです。

本記事では、RPAの自動化レベルの違いやツールで自動化できる業務をご紹介します。

そのほか、RPAを導入して業務を自動化するメリットやデメリットもお伝えするので、導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは?

RPAは、ソフトウェアロボットを活用して、反復的でルーティン的な業務を自動化する技術です。定型的なタスクを人間の代わりに実行し、企業の業務効率を向上させる役割があります。

RPAの主要な特徴は、プログラミングの専門知識が不要なことです。ビジネスユーザーでも、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でロボットを構築でき、システムへの入力やデータの抽出、レポートの作成などが可能です。

RPAの自動化レベルは3つに分けられる

ここでは、RPAの自動化レベルについて、3つに分けて解説します。

クラス1:RPA(Robotic Process Automation)

クラス1のRPAは、単純なタスクやプロセスを自動化するためのものです。決められたルールや手順に従ってタスクを実行する点が特徴です。

高度な判断や分析を必要とせず、明確なフローに沿って動作します。

また、既存のソフトウェアやシステムに対して、ユーザーインターフェースを通じて操作を行います。特別なAPIを必要とせず、ユーザーが行う手順を模倣します。

データ入力、ファイルの移動、定型レポートの作成など、繰り返し行われる単純なタスクの自動化に最適です。

クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)

クラス2のEPAは、RPAに比べてより高度な自動化が可能です。単一のタスクではなく、複数の業務プロセスを統合して自動化します。

クラス1のRPAが単一のシステムに対して動作するのに対し、EPAは異なるシステムをまたいで連携できます。これにより、複数のアプリケーションやデータベースを組み合わせた自動化が実現するでしょう。

EPAは、特定の条件や状況に基づいて判断を行い、その結果に応じて自動化プロセスを変化させます。

クラス3:CA(Cognitive Automation)

クラス3のCAは、従来のRPAやEPAよりも高度な自動化を実現します。AIやMLを活用して、データの分析やパターン認識、予測などを行います。

また、NLPを使用して、テキストや音声から意味を理解し、対話的なインターフェースを提供することが可能です。これにより、ユーザーとの自然なコミュニケーションが実現します。

CAは、AIによって意思決定も自動化できるので、ルールベースでは対応できない複雑な状況にも柔軟に対応できるでしょう。

の開発や導入には高い技術的専門知識が必要であり、初期の導入コストが高いことも考慮すべきです。

RPAで自動化できる業務

ここでは、RPAで自動化できる業務を5つご紹介します。

部門共通

部門共通の業務とは、組織内の複数の部門や部署で共通して行われる業務のことです。これらの業務は、ルーティン的で標準化されていることが多く、RPAを導入することで自動化が容易です。

たとえば、顧客からの問い合わせ対応、データベースの更新、フォローアップなどは、複数の部門で行われることがあります。RPAは、これらの作業を自動化し、カスタマーサービスの効率を高めます。

また、システムの監視、アラートの処理、データバックアップなどは、IT部門だけでなく、ほかの部門でも関与するケースがあります。これらのタスクを自動化し、ITサポートの負担を軽減します。

経理・財務業務系

請求書の受領、内容確認、データ入力、支払いの承認など、請求書処理のプロセスをRPAで自動化することで、手作業によるミスを減らし処理スピードを向上させる効果が期待できるでしょう。

従業員の経費精算においては、領収書のデータ入力や承認プロセスを自動化することも可能です。RPAは、定型的な作業を迅速かつ正確に処理します。

また、給与計算におけるデータの取り込み、計算、支払い処理などをRPAで自動化すると、給与計算の効率を高めエラーを削減できます。

人事業務系

RPAは、給与計算において、従業員情報の収集、給与計算の実施、税金や保険料の処理などの繰り返し作業を自動化できます。これにより、処理のスピードと正確性が向上するでしょう。

採用活動においては、応募者のデータの収集、履歴書や職務経歴書のスクリーニング、面接のスケジューリングなど、繰り返しの多いタスクをRPAが自動化します。¥採用プロセスが効率化され、採用担当者の負担の軽減につながります。

また、従業員の勤怠情報の収集、労働時間の計算、休暇の申請や承認などのプロセスの自動化が可能です。これにより、勤怠管理が効率的かつ正確に行われます。

従業員情報の更新、昇進や異動の記録、人事評価など、人事データの管理業務をRPAで自動化すると、データ管理が効率化され人的ミスを防げるでしょう。

受発注業務系

RPAは、オンライン注文システムやメールを通じて受け付けた注文を自動的に処理します。注文内容の確認、在庫のチェック、発送手配などを自動化することで、注文処理のスピードと正確性を向上させます。

在庫レベルの監視、発注点に達した際の自動発注、在庫の更新など、在庫管理のプロセスをRPAで自動化すると、在庫不足や過剰在庫のリスクの軽減につながるでしょう。

また、サプライヤーへの発注や見積もりの取得、発注書の作成などもRPAで自動化できます。サプライヤー情報の管理、価格の比較、納期の追跡などの作業を効率化するのに有効です。

CRM系

顧客情報の収集、データベースへの入力、重複データの削除などのプロセスを自動化することで、顧客データの正確性と信頼性が向上します。

営業活動においては、顧客とのコミュニケーションの記録、見積書や契約書の作成、商談のスケジューリングなどを自動化すると、営業担当者は本来の営業活動に集中できるでしょう。

また、マーケティングキャンペーンにおいては、顧客セグメントの選定、メール送信、SNS投稿、キャンペーンの効果測定などを自動化します。これにより、キャンペーンの効率と効果の向上につながります。

カスタマーサービスでは、顧客からの問い合わせの受信、チケットの発行、対応状況の追跡など、繰り返し作業をRPAが自動化します。カスタマーサービスの対応速度が向上し、顧客満足度が高まるでしょう。

RPAで業務を自動化するメリット

ここでは、RPAで業務を自動化するメリットを4つご紹介します。

1. 人件費の削減や人員不足の解消

RPAは、繰り返し作業を自動化することで、業務効率を大幅に向上させます。その結果、必要な人員を減らすことができ、人件費の削減につながります。

RPAは、定型的なデータ入力や情報の整理、簡単な計算など、繰り返しの多い作業を自動化できます。その結果、業務に従事する人員を減らすことができ、労働コストを削減できるでしょう。

また、24時間365日稼働できるため、作業時間を大幅に短縮できます。通常の業務時間外に行っていた作業をRPAに任せることで、残業や追加人員の必要性を減らし、結果的に人件費の削減が可能です。

2. 人的ミスの減少

RPAは、プログラムされたとおりに作業を実行するため、ヒューマンエラーの発生を最小限に抑えます。人間が行う作業では、疲労や注意力の欠如によりエラーが生じることがありますが、RPAはそうした要因に左右されません。

RPAは、データの入力や転記、計算、集計などの作業を正確に行います。人間によるデータ処理では、誤入力や計算ミスなどが起こりやすいですが、RPAは正確にタスクを遂行します。

また、エラーチェックやエラーロギングの機能を備えていることが多く、異常が検出された場合には警告を発することが可能です。その結果、問題を早期に発見して修正できます。

3. タスクの余裕

RPAによって自動化されたプロセスは、通常の業務時間外でも実行可能なため、業務効率が向上します。従業員は他の重要なタスクに集中でき、より価値のある作業に取り組めるようになるでしょう。

タスクの余裕が生まれると、従業員は業務の改善や新しいアイデアの創出に時間を割くことができます。従業員は創造性を発揮しやすくなり、組織全体でのイノベーションの促進が期待できるでしょう。

また、従業員が繰り返しのタスクから解放されることで、顧客対応により多くの時間を割けるようになります。これにより、顧客サービスの質が向上し、顧客満足度も高まります。

4. コア業務の対応

コア業務とは、企業や組織の主力となる活動や事業であり、ビジネスの成長と成功に直結する重要なタスクです。RPAを導入することで、繰り返し作業や定型業務を自動化できるため、従業員は本来のコア業務に集中する時間とリソースを確保できます。

RPAが繰り返し作業を自動化することで、従業員は本来の職務に多くの時間を割け生産性が向上するでしょう。その結果、業務全体の効率が高まり、組織はより多くの成果を出せるようになります。

また、コア業務には、創造力や戦略的思考が求められます。RPAによってルーティンワークが減少することで、従業員はクリエイティブな活動に専念でき、ビジネスのイノベーションや新しいアイデアの創出を促進します。

RPAで業務を自動化するデメリット

ここでは、RPAで業務を自動化するデメリットを4つご紹介します。

1. シナリオの誤りに気づかない場合がある

シナリオの誤りにより、RPAが意図しない動作を行い、誤った結果を出力する可能性があります。業務に混乱を引き起こしたり、重要なビジネスプロセスに悪影響を与えたりするリスクがあります。

また、RPAが誤ったデータを生成したり、既存のデータを破損したりする可能性があるでしょう。データの一貫性が失われ、ほかの業務プロセスにも影響を及ぼすおそれがあります。

RPAの導入時に十分なテストが行われていないと、シナリオの誤りに気づかないまま稼働してしまうケースがあります。テスト不足は、RPAが予期せぬ動作をする原因となります。

そのため、RPAを導入する際には、十分なテストとバリデーションを行い、シナリオが正確に動作することを確認するのが重要です。

2. 定期的なメンテナンスや運用保守体制が必要である

RPAシナリオが古くなったり、現在の業務フローに適合しなくなったりする可能性があるので、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。

RPA自体や関連する業務システムがアップデートされると、RPAシナリオが正常に動作しなくなることがあります。RPAの保守や再構築が必要となるため、適切な運用保守体制を確立することが求められるでしょう。

また、RPAのメンテナンスや運用保守を適切に行わないと、手動での対応が必要となるケースがあります。これにより、人的リソースの追加や予期せぬコストが発生する恐れがあります。

データの漏洩や不正アクセスなど、重大なセキュリティ問題が発生するリスクを抑えるためにも、定期的なメンテナンスと運用保守体制が必要です。

3. 体制構築が必要である

RPAを効果的に導入するためには、まず既存の業務プロセスを理解し、最適化する必要があります。業務の流れや各プロセスの詳細を把握し、RPAが効果的に自動化できるようにプロセスを再設計することが重要です。

RPAは固定的なものではなく、業務の変化に合わせて改善や変更が必要です。そのため、RPAの稼働状況を監視し、問題や改善点を見つけた際には迅速に対応できる体制を整えましょう。

また、RPAの導入と運用には、専門的なスキルと知識が求められます。自動化のスクリプトの作成やメンテナンス、問題解決に対応できる専用のRPAチームを構築することが理想的です。

4. 導入にコストがかかる

RPAを稼働させるには、ハードウェアやインフラの整備が必要です。既存のシステムと連携する場合、追加のハードウェアやインフラ投資が必要なケースもあるでしょう。

そのほか、業務プロセスの理解、設計、設定、テストが必要です。これらの作業には専門的な知識と時間が必要であり、専門家への依頼や内部のリソースの割り当てに伴うコストが発生します。

また、RPAを効果的に運用するためには、従業員へのトレーニングと教育が必要です。新しいツールに慣れるための時間や、トレーニング費用が追加コストとして発生します。

RPAの導入範囲を慎重に選定して無駄なコストを抑えたり、内部のリソースを活用して導入コストを削減したりすることがポイントです。

まとめ

RPAは、繰り返し作業を自動化し、効率化を図る技術です。部門共通の作業から、経理・財務、人事、受発注、CRMなど、さまざまな業務を自動化できます。

RPAのメリットとして、人的コストの削減や人的ミスの減少、タスクの余裕やコア業務への集中が挙げられます。

一方、シナリオの誤りや定期的なメンテナンスの必要性、体制構築や導入コストなどの注意点が考えられるでしょう。

RPAを導入する際、これらのメリットとデメリットをバランスよく考慮し、適切な体制を整えつつ導入を進めることが重要です。