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RDS for MySQL 8.0の延長サポート料金はいくら?2026年8月から始まった課金の止め方と8.4への移行手順【2026年版】

2026.09.29

/最終更新日:

Amazon RDS for MySQL 8.0の標準サポートは、2026年7月31日に終了しました。8月1日以降も8.0のまま動いているDBインスタンスは、RDSの延長サポート(RDS Extended Support)に登録され、通常のインスタンス料金とは別に追加料金が発生しています。

東京リージョンの単価は、1 vCPUあたり1時間0.120ドルです。2 vCPUのインスタンス1台で月に約175ドル、Multi-AZ構成ならその2倍になります。さらに2028年8月からは単価が2倍に上がります。8月分の請求を見て、見慣れない費用に気づいた企業も多いはずです。

本記事では、RDS for MySQL 8.0の延長サポートでいくらかかるのか、自社の課金状況を確認する方法、延長サポートを外すときの注意点、MySQL 8.4へ移行する手順を整理します。

目次

想定読者

  • AWSの請求に「Extended Support」の項目が増え、原因と金額を確認したい情報システム担当者・インフラ担当者の方
  • RDS for MySQL 8.0を使い続けており、延長サポートで延命するか、8.4へ上げるかを判断したい方
  • MySQL 8.4へのアップグレードで、アプリケーションに何が影響するかを事前に把握したい方
  • 同じAWS環境にあるOSやミドルウェアの期限もあわせて整理したい方

RDS for MySQL 8.0の標準サポートは2026年7月31日に終了した

AWSの公式ドキュメントでは、RDS for MySQL 8.0のサポート期限が次のように定められています。

項目 MySQL 8.0 MySQL 8.4
コミュニティ版のサポート終了 2026年4月30日 2029年4月30日
RDSの標準サポート終了 2026年7月31日 2029年7月31日
延長サポート1年目の料金開始 2026年8月1日 2029年8月1日
延長サポート3年目の料金開始(単価が上がる) 2028年8月1日 2031年8月1日
延長サポートの終了 2029年7月31日 2032年7月31日

MySQLの開発元であるOracleは、2026年4月30日にMySQL 8.0のコミュニティ版のサポートを終えています。RDSではその3か月後の7月31日まで標準サポートが続き、8月1日から有償の延長サポートに切り替わりました。

8月1日から自動で延長サポートに登録されている

延長サポートは、申し込まなくても自動で登録されます。インスタンスの作成時や復元時に延長サポートを無効にしていなかった場合、標準サポートの終了日を過ぎた時点で自動的に登録され、翌日から課金が始まります。

登録されてもデータベースのエンジンは変わらず、インスタンスが止まることも性能が落ちることもありません。そのため、請求書を見るまで気づかないケースがあります。

延長サポートで提供されるもの

延長サポートの期間中、AWSは次の対応を続けます。

  • 深刻度がCriticalとHighの脆弱性(CVE)に対するセキュリティ更新
  • 重大な不具合の修正とパッチ
  • 通常のRDSのサービスレベルでのサポートケース対応

MySQLのコミュニティは8.0の新しいマイナーバージョンをもう出しません。そのため、延長サポート中の修正は「8.0.46-RDS.20260908」のようなRDS独自のバージョンとして提供されます。


延長サポートの料金はいくらかかるか

延長サポートの料金は、vCPU数×稼働時間で計算されます。単価は、エンジンのバージョン、リージョン、標準サポートの終了から何年目かで決まります。

東京リージョンの単価

AWSが公開している価格情報(2026年9月24日時点)では、東京リージョン(ap-northeast-1)のRDS for MySQL 8.0の単価は次のとおりです。

期間 単価(1 vCPU・1時間あたり)
1年目・2年目(2026年8月1日〜2028年7月31日) 0.120ドル
3年目(2028年8月1日〜2029年7月31日) 0.240ドル

構成別の月額の目安

1か月を730時間として、東京リージョンでの延長サポート料金を試算すると次のようになります。インスタンスの利用料金は含まず、延長サポートの追加分だけの金額です。

構成 1〜2年目の月額 3年目の月額 1〜2年目の年額
2 vCPU・シングルAZ 約175ドル 約350ドル 約2,100ドル
2 vCPU・Multi-AZ 約350ドル 約701ドル 約4,205ドル
4 vCPU・Multi-AZ 約701ドル 約1,402ドル 約8,410ドル
8 vCPU・Multi-AZ 約1,402ドル 約2,803ドル 約16,819ドル

Multi-AZ構成では、スタンバイのインスタンスにも延長サポートの料金がかかります。本番と検証の両方で8.0を使っている場合や、リードレプリカを置いている場合は、MySQL 8.0で動いているインスタンスをすべて数えて試算してください。

延長サポートの料金は、8.0から標準サポート中のバージョン(8.4)へアップグレードするか、インスタンスを削除した時点で止まります。アップグレードが1か月遅れるごとに、上の表の月額がそのまま積み上がると考えてください。


自社の8.0インスタンスと課金状況を確認する

まずは、どのインスタンスが延長サポートに登録されているかを洗い出します。

AWS CLIで一覧を取る

次のコマンドで、MySQLのDBインスタンスごとのエンジンバージョンと延長サポートの登録状況を確認できます。リージョンごとに実行してください。

aws rds describe-db-instances \
  --query "DBInstances[?Engine=='mysql'].[DBInstanceIdentifier,EngineVersion,DBInstanceClass,MultiAZ,EngineLifecycleSupport]" \
  --output table

EngineLifecycleSupportが「open-source-rds-extended-support」で、エンジンバージョンが8.0で始まるものが課金対象です。

Cost Explorerで金額を確認する

実際にいくら請求されているかは、AWS Cost Explorerで確認します。サービスを「Relational Database Service」に絞り、使用タイプに「ExtendedSupport」を含むものを表示すると、延長サポート分だけの金額が分かります。東京リージョンのMySQL 8.0であれば、使用タイプは「APN1-ExtendedSupport:Yr1-Yr2:MySQL8.0」です。

複数のAWSアカウントを使っている企業では、アカウントごとに確認が必要です。検証用のアカウントに放置されたインスタンスが、延長サポートの料金だけを払い続けていることもあります。


延長サポートを外すと自動でアップグレードされる

請求額を見て、すぐに延長サポートを外したくなるかもしれません。しかし、ここには注意が必要です。

AWSのドキュメントでは、標準サポートの終了日を過ぎたインスタンスで延長サポートを無効にすると、次のメジャーバージョンへ自動的にアップグレードされると明記されています。つまり、MySQL 8.0のインスタンスで延長サポートを外すと、事前の検証なしに8.4へ上がります。

MySQL 8.4には8.0と互換性のない変更があります。アプリケーション側の確認をしないまま自動アップグレードが走ると、接続できない、SQLがエラーになるといった障害につながりかねません。

また、延長サポートは標準サポートの終了から最長3年、2029年7月31日までです。その日を過ぎても8.0のままであれば、AWSが自動でメジャーバージョンをアップグレードします。いずれにしても、8.4への移行は自社で計画して実施するしかありません。延長サポートは、その準備期間を買うためのものです。


取り得る3つの選択肢

8.0のインスタンスが見つかった場合の対応は、次の3つに整理できます。

選択肢 概要 向いているケース 注意点
延長サポートのまま使い、計画的に移行する 料金を払いながら、検証を済ませてから8.4へ上げる アプリケーションの改修や検証に数か月かかる基幹系 月額の料金が続き、2028年8月からは単価が2倍になる
インプレースで8.4へアップグレードする 既存のインスタンスをそのまま8.4へ上げる 小規模で、メンテナンス時間の停止を許容できるシステム アップグレード中はデータベースが停止する。失敗時は8.0へロールバックされる
Blue/Greenデプロイで8.4へ移行する 8.4の環境(グリーン)を別に作り、同期させてから切り替える 停止時間を短くしたい本番環境 一時的に2環境分のインスタンス料金がかかる

どの選択肢でも、最初にやることは変わりません。本番とは別の環境で8.4へのアップグレードを試し、アプリケーションが動くかを確認することです。


RDS for MySQL 8.0の棚卸しや、8.4への移行計画でお困りでしたら、c3index にお気軽にご相談ください。


MySQL 8.4へのアップグレードで確認すること

RDSは、8.0から8.4へのアップグレードを始める前に、互換性の事前チェック(precheck)を自動で実行します。問題が見つかった場合は、インスタンスを止める前にアップグレードを中止し、詳細を「PrePatchCompatibility.log」というログファイルに記録します。事前チェックは省略できません。

事前チェックで引っかかりやすい項目

AWSのドキュメントに挙げられている主な非互換は次のとおりです。

  • 廃止されたデータ型や関数を使っているテーブル
  • 定義者(DEFINER)が欠けている、または不正なトリガー
  • MySQL 8.4で新たに予約語になったキーワードを、テーブル名や列名に使っている
  • sql_modeに廃止されたモードが設定されている
  • 255文字または1,020バイトを超えるENUM・SET型の要素
  • 64文字を超える外部キー制約の名前
  • MySQL 8.4で削除された機能を使っている

本番で実行する前に、スナップショットから復元した検証用インスタンスでアップグレードを試し、PrePatchCompatibility.logに何が出るかを確認しておくと、本番当日のやり直しを防げます。

認証方式の既定が変わる

MySQL 8.4のRDSでは、新しく作るユーザーの認証方式の既定がcaching_sha2_passwordになりました。8.0からアップグレードした既存のユーザーは、従来のmysql_native_passwordのまま使えます。

注意が必要なのは、アップグレード後に新しく作ったユーザーです。caching_sha2_passwordのユーザーで接続するにはSSL/TLSが必要です。また、古いMySQLクライアントライブラリや、古いバージョンのORM・ドライバーは、この認証方式に対応していないことがあります。アプリケーションのサーバー側で使っているライブラリのバージョンを確認しておきます。

文字コードとログ

utf8(utf8mb3)は非推奨になっています。AWSは、utf8mb3を使っているオブジェクトをutf8mb4に変えることを勧めています。また、古いクライアントはutf8mb3で不明な文字セットのエラーを受け取ることがあるため、データベースより先にクライアントを更新するよう案内しています。

メジャーバージョンのアップグレードでは、slow_logとgeneral_logのテーブルが空になります。調査用にログを残しておきたい場合は、アップグレード前に退避してください。

旧世代のインスタンスクラス

旧世代のインスタンスクラスのままでは、8.4へアップグレードできません。先に現行世代のインスタンスクラスへ変更してから、エンジンのバージョンを上げる必要があります。インスタンスクラスの変更にも再起動が伴うため、2回の作業を1回のメンテナンスで済ませるかどうかも計画に含めます。


8.4への移行を進める5つのステップ

移行は、次の順序で進めます。

  1. 棚卸し:全アカウント・全リージョンで、MySQL 8.0のインスタンス、Multi-AZの有無、リードレプリカ、インスタンスクラスを一覧にする。Cost Explorerで延長サポートの月額も押さえる
  2. 検証環境でのアップグレード試験:本番のスナップショットから検証用インスタンスを復元し、8.4へアップグレードする。PrePatchCompatibility.logの指摘を解消し、アップグレードにかかる時間も測る
  3. アプリケーションの接続試験:アプリケーションを検証用の8.4に接続し、ログイン・主要な画面・バッチ処理・帳票出力まで確認する。クライアントライブラリ、ORM、文字コードの影響をここで洗い出す
  4. 本番の切り替え:停止を許容できるならメンテナンス時間にインプレースで、停止を短くしたいならBlue/Greenデプロイで切り替える。切り替え前に手動スナップショットを取っておく
  5. 切り替え後の確認:エラーログとスロークエリを数日監視する。翌月のCost Explorerで、延長サポートの料金が止まったことを確認する

小規模なシステムであれば、棚卸しから切り替えまで数週間で終わることもあります。アプリケーションの改修が必要な場合や、インスタンスが多数ある場合は、2〜3か月を見込んでおくと安全です。


ほかのOS・ミドルウェアの期限もあわせて確認する

RDSのエンジンを確認するタイミングで、同じAWS環境のOSやミドルウェアの期限も整理しておくと、停止の調整とテストを1回にまとめられます。

  • Amazon Linux 2023の標準サポートは2027年6月30日に終了する(メンテナンスフェーズは2029年6月30日まで)
  • Windows Server 2016は2027年1月に延長サポートが終了する
  • SQL Server 2017は2027年10月に延長サポートが終了する

移行先のMySQL 8.4も、RDSの標準サポートは2029年7月31日までです。今回の移行作業を手順書やコードに残しておけば、次のアップグレードの手間を減らせます。


よくある質問

Q. 延長サポートに登録されていても、インスタンスはそのまま動きますか?

A. 動きます。延長サポートへの登録でエンジンが変わることはなく、停止や性能の低下もありません。変わるのは料金だけです。

Q. 延長サポートを外せば、料金はすぐに止まりますか?

A. 止まりますが、標準サポートの終了日を過ぎた8.0のインスタンスで延長サポートを無効にすると、8.4へ自動的にアップグレードされます。検証をしないまま本番で8.4に上がるため、先に検証を済ませてから、自社のタイミングでアップグレードする方法をおすすめします。

Q. 延長サポートはいつまで使えますか?

A. RDS for MySQL 8.0の延長サポートは2029年7月31日までです。その後も8.0のままであれば、AWSが自動でアップグレードします。また、2028年8月1日からは単価が2倍になります。

Q. Multi-AZ構成では料金が2倍になりますか?

A. なります。Multi-AZ構成のスタンバイのインスタンスにも延長サポートの料金がかかるため、同じvCPU数のシングルAZ構成の2倍になります。

Q. 8.0から8.4へのアップグレードに失敗したらどうなりますか?

A. 事前チェックで非互換が見つかった場合は、インスタンスを止める前にアップグレードが中止されます。事前チェックを通過したあとに失敗した場合は、RDSが自動で8.0へロールバックし、原因をupgradeFailure.logに記録します。いずれの場合も、本番の前に検証環境で試しておけば、当日の失敗を避けられます。


まとめ

  • RDS for MySQL 8.0の標準サポートは2026年7月31日に終了。8月1日から延長サポートに自動で登録され、追加料金が発生している
  • 東京リージョンの単価は1 vCPUあたり1時間0.120ドル(2028年8月からは0.240ドル)。2 vCPUのMulti-AZ構成で月約350ドル
  • 延長サポートを外すと8.4へ自動でアップグレードされる。2029年7月31日を過ぎた場合も自動でアップグレードされる
  • 8.4では事前チェック、認証方式の既定の変更、utf8mb3の非推奨、旧世代インスタンスクラスの扱いを確認する
  • 移行は棚卸し → 検証環境でのアップグレード試験 → アプリケーションの接続試験 → 本番の切り替え → 課金停止の確認の5ステップで進める

延長サポートの料金は、アップグレードを先送りした月の分だけ積み上がります。まずはCost Explorerで今の月額を確認し、検証環境でのアップグレード試験の日程を決めるところから始めてください。


c3index に相談する

c3indexは、AWSアドバンストティアサービスパートナーとして、RDSの棚卸しからMySQL 8.4への移行設計・検証・切り替え、移行後の運用代行までを一貫してご支援しています。延長サポートの料金を早く止めたい、アプリケーションへの影響を事前に確認したいといったご相談も、まずはお気軽にお問い合わせください。