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CakePHP・Laravelのサポート期限|期限切れの版で動く業務システムを、PHPと一緒にどう更新するか【2026年版】

2026.11.04

/最終更新日:

PHP 8.2のサポートが2026年12月31日に終わります。PHPを8.4に上げようとして、「今のフレームワークの版では新しいPHPが動かない」とわかるケースが増えています。

業務システムの多くは、CakePHPやLaravelといったフレームワークの上に作られています。フレームワークにも版ごとにサポート期限があり、対応するPHPの範囲も決まっています。CakePHP 2.xや3.xはPHP 8系に対応していません。Laravel 10はPHP 8.3までです。これらの版では、PHPより先にフレームワークを上げる必要があります。

本記事では、CakePHPとLaravelのサポート期限と対応するPHPを版ごとに一覧にし、期限切れの版で動いているシステムをどう更新するかを、版ごとに整理します。自社のシステムの版を確かめる方法や、更新が終わるまでの守り方も扱います。

想定読者

本記事は、次のような方を想定しています。

  • CakePHPやLaravelで作られた業務システムを使っており、PHPのサポート終了への対応を求められている情報システム担当者
  • 保守会社から「フレームワークが古いので作り直しが必要」と言われ、その理由を理解したい方
  • 社内に開発者がおらず、自社のシステムが何の版で動いているかを把握できていない方
  • 2026年10月のPHPの脆弱性をきっかけに、古いシステムの扱いを見直している方

CakePHP・Laravelのサポート期限一覧(2026年11月時点)

まず、版ごとのサポート状況と、対応するPHPの範囲を確認します。どちらも公式の情報(CakePHPはGitHubのwiki、LaravelはRelease Notesの「Support Policy」)をもとにしています。

CakePHPの版とサポート状況

版 対応するPHP サポート状況
2.x 5.3〜7.4 終了
3.x 5.6〜7.4 終了
4.0〜4.5 7.2〜8.3 終了(4.4・4.5は2026年9月9日に終了)
4.6 7.4〜最新 サポート中(CakePHP 6.0が出るまで)
5.0 8.1〜8.3 終了(2025年3月29日)
5.1 8.1〜8.4 終了(2026年7月19日)
5.2以降 8.1または8.2〜最新 サポート中(新しいマイナー版が出ると、古い版から順に修正が止まる)

CakePHPで注意が要るのは、2.xと3.xです。どちらも対応するPHPの上限が7.4で、PHP 8系では公式には動きません。PHP 7.4のサポートは2022年11月に終わっているので、2.xや3.xで動いているシステムは、PHPもフレームワークも修正が出ない状態にあります。

4.xは、4.6だけがサポートを続けています。4.6のサポートは「CakePHP 6.0が出るまで」とされていて、2026年11月時点で6.0はまだ出ていません。終了日は決まっていないものの、いつかは終わる前提で計画を立てる必要があります。

Laravelの版とサポート状況

版 対応するPHP リリース 不具合修正 セキュリティ修正
8 7.3〜8.1 2020年9月 終了 2023年1月24日に終了
9 8.0〜8.2 2022年2月 終了 2024年2月6日に終了
10 8.1〜8.3 2023年2月 終了 2025年2月4日に終了
11 8.2〜8.4 2024年3月 終了 2026年3月12日に終了
12 8.2〜8.5 2025年2月 2026年8月13日に終了 2027年2月24日まで
13 8.3〜8.5 2026年第1四半期 2027年第3四半期まで 2028年第1四半期まで

Laravelは毎年1回、新しいメジャー版を出します。どの版も、不具合の修正は18か月、セキュリティの修正は2年で終わります。以前は長期サポート(LTS)の版がありましたが、今のポリシーにはありません。2026年11月時点で、セキュリティの修正を受けられるのは12と13だけです。12も2027年2月24日に終わります。

「サポート終了」で何が止まるのか

サポートが終わっても、システムがその日に止まるわけではありません。止まるのは、開発元からの修正です。新しい脆弱性が見つかっても、修正版は出ません。

業務システムで困るのは、PHP本体とフレームワークの両方が古いケースです。PHPの脆弱性が見つかってPHPを上げようとしても、フレームワークが新しいPHPに対応していないため上げられません。2026年10月のPHPの脆弱性で、修正版が出たのは8.2以降だけでした。7系や8.1で動くCakePHP 2.x・3.xやLaravel 8〜9のシステムは、PHPの修正を当てる手段がありませんでした。


フレームワークの版が、PHPの更新を止める

PHP 8.2のサポートは2026年12月31日に終わります。8.3は2027年12月、8.4は2028年12月までです。今から上げるなら、移行先は8.4が基本になります。

ところが、フレームワークの版によっては8.4で動きません。今の版のまま8.4に上げられるかを、次の表にまとめました。

今の版 PHP 8.4で動くか 8.4に上げるために必要なこと
CakePHP 2.x 動かない CakePHP 5かLaravelへ作り直す(実質的に新しく作る作業)
CakePHP 3.x 動かない(上限7.4) 4.6まで上げてから、PHPを8.4に上げる(変更点が多く、作り直しと比べる価値がある)
CakePHP 4.0〜4.5 動かない(上限8.3) 4.6に上げてから、PHPを8.4に上げる
CakePHP 4.6 動く PHPを上げられる。6.0が出た後に備えて5系への移行を計画する
CakePHP 5.2以降 動く PHPを上げられる。マイナー版を最新に保つ
Laravel 8〜10 動かない(上限8.1〜8.3) 版を1つずつ上げて12か13にしてから、PHPを8.4に上げる
Laravel 11 動く(上限8.4) PHPは上げられるが、11自体のサポートが終わっている。12か13へ上げる
Laravel 12・13 動く PHPを上げられる。12は2027年2月までに13へ上げる

この表のとおり、PHPを上げる作業は「フレームワークを上げる作業」とセットになることが多くあります。保守会社の見積もりが「PHPのバージョンアップ」で想定より大きくなるのは、多くの場合このためです。


自社のシステムの版を確かめる

対応を考える前に、今のシステムが何の版で動いているかを確かめます。保守会社に聞くのが早いですが、サーバーに入れる担当者がいれば、自分で確かめることもできます。

PHPの版

サーバー上で次のコマンドを実行すると、PHPの版が表示されます。Webサーバーとコマンドラインで別のPHPが動いていることもあるため、保守会社にも確認しておくと確実です。

php -v

Laravelの版

Laravelのシステムでは、プロジェクトのフォルダで次のコマンドを実行します。「Laravel Framework 10.48.4」のように表示されます。

php artisan --version

コマンドを実行できない場合は、プロジェクトの直下にある composer.lock の中で「laravel/framework」の行を探すと、使っている版がわかります。

grep -A 2 '"name": "laravel/framework"' composer.lock

CakePHPの版

CakePHP 3以降は、composer.lock の中の「cakephp/cakephp」の行で版がわかります。

grep -A 2 '"name": "cakephp/cakephp"' composer.lock

CakePHP 2.xはComposerを使わずに入れられていることが多く、その場合は lib/Cake/VERSION.txt の最後の行に版が書かれています。

tail -n 1 lib/Cake/VERSION.txt

保守会社に聞くときにそろえる項目

自分で確かめられない場合は、保守会社に次の項目を聞きます。版の更新を相談するときにも、他社に相見積もりを取るときにも、同じ情報が必要になります。

  • PHPの版(本番とテスト環境の両方)
  • フレームワークの種類と版
  • サーバーのOSと版(CentOS 7やAmazon Linux 2など、OSのサポートも終わっていないか)
  • Composerで入れているライブラリの一覧(composer.json と composer.lock)
  • 最後にフレームワークやライブラリを更新した時期

版ごとの進め方

ここからは、今の版ごとに、どう進めるかを整理します。

CakePHP 2.x:作り直しに近い作業になる

CakePHP 2.xと3.xの間では、フォルダ構成やデータベースの扱い方が大きく変わりました。2.xから5.xへ移る作業は、版を上げるというより、同じ機能を新しいフレームワークで作り直す作業に近くなります。

移り先は、主に次の2つです。

  • CakePHP 5:CakePHPの考え方に慣れた開発者が多い場合や、画面の構成を大きく変えたくない場合
  • Laravel:対応できる開発会社や技術者の数、情報の量を重く見る場合

どちらを選ぶかは、今の保守会社や社内の体制、今後どこに保守を頼むかによって変わります。作り直しを機に、使われていない機能を整理し、業務に合わなくなった部分を見直すこともできます。

なお、有志がPHP 8で動くように改修したCakePHP 2.xの互換版や、有償で延長サポートを提供するサービスもあります。どちらも作り直しまでの時間を稼ぐ手段で、公式のサポートではありません。使う場合は、いつまで使うかを決めておきます。

CakePHP 3.x:4系を経由して上げるか、作り直しと比べる

3.xから4.xへは、公式の移行ガイドがあり、版を上げる道が残っています。4.6まで上げれば、PHP 8.4でも動きます。

ただし、3.xのシステムはPHP 7系で動いているため、フレームワークとPHPの両方を大きく上げることになります。使っているライブラリが新しい版に対応していなければ、置き換えも必要です。さらに、4.6のサポートは6.0が出るまでなので、その後は5系への移行も控えています。3.xから4.6、さらに5系へと2段階で上げる手間と、5系やLaravelで作り直す手間を並べて比べてから決めてください。

CakePHP 4.0〜4.5:4.6に上げてからPHPを上げる

4.0〜4.5から4.6へは、同じ4系の中での更新です。2.xや3.xからの移行に比べれば作業は小さく、4.6に上げればPHP 8.4でも動きます。

ただし、4.6のサポートは「6.0が出るまで」です。4.6に上げたら、続けて5系への移行を次の計画に入れておきます。4.xから5.xへの移行は、2.xから移るよりは小さいものの、フレームワーク側の変更に合わせた修正が必要です。

Laravel 8〜10:1つずつ版を上げる

Laravelの公式のアップグレードガイドは、1つ前の版から上げる手順として書かれています。8から12に上げるなら、9、10、11、12と順に上げ、そのたびに動作を確かめます。

このとき、PHPの版も途中で上げる必要があります。Laravel 8はPHP 8.1まで、12は8.2以上です。どの段階でPHPを上げるかを、版ごとの対応範囲を見ながら決めます。

作業の量を大きく左右するのは、Laravel本体よりも、一緒に使っているライブラリです。開発が止まっていて新しい版に対応していないライブラリがあると、別のものに置き換える作業が発生します。

Laravel 11・12:13への更新を計画に入れる

11はセキュリティの修正が2026年3月に終わっています。12は2027年2月24日までです。どちらも、13へ上げる計画を早めに立てておきます。13のセキュリティ修正は2028年第1四半期までです。

Laravelは毎年新しい版が出て、2年で修正が止まります。1〜2年に一度は版を上げる作業が来る前提で、保守契約の範囲や予算を決めておくと、慌てずに済みます。


フレームワークとPHPの版の確認や、更新の進め方についてお困りでしたら、c3index にお気軽にご相談ください。


版を上げるか、作り直すかを判断する

同じCakePHP 4.xでも、版を上げて済むシステムと、作り直したほうがよいシステムがあります。判断の材料になるのは、フレームワークの版だけではありません。

版の更新で済みやすいシステム

  • フレームワークの作法に沿って作られていて、フレームワーク本体のファイルを書き換えていない
  • 自動テストがある、または画面ごとの確認手順が残っている
  • 使っているライブラリの多くが、今も開発が続いている
  • 今後も5年以上、今の業務の形のまま使う見込みがある

作り直しを比べたほうがよいシステム

  • フレームワーク本体のファイルを直接書き換えている、または独自の改造が多い
  • 作った開発者がいなくなり、仕様書もなく、どこを直すと何に影響するかがわからない
  • 業務の流れが変わり、システムの外でExcelや手作業の補いが増えている
  • サーバーのOSもサポートが切れていて、サーバーの入れ替えも同時に必要になる

保守会社から全面的な作り直しを提案された場合は、上のどれに当てはまるのかを聞いてみてください。理由が具体的に示されれば、提案の妥当性を判断しやすくなります。

OSとサーバーの期限も同時に確かめる

フレームワークとPHPの更新を考えるときは、サーバーのOSの期限も一緒に確かめます。CentOS 7やAmazon Linux 2など、OSのサポートがすでに終わっていると、新しいPHPを入れること自体が難しい場合があります。OSの入れ替えとPHP・フレームワークの更新を別々に進めると、テストを2回行うことになります。期限が近いものはまとめて計画したほうが、手間を抑えられます。


更新が終わるまでの守り方

版の更新や作り直しには時間がかかり、作り直しなら数か月から年単位になることもあります。その間は、修正の出ない版のまま使い続けることになります。その間に、外から攻撃される入口を減らしておきます。

  • 公開範囲を絞る:社内や取引先だけが使うシステムなら、接続元のIPアドレスを限定する、VPN経由にするなどで、インターネット全体からは触れないようにする
  • WAFを入れる:Webアプリケーションへの攻撃を手前で止める仕組み(WAF)を置き、既知の攻撃の型を防ぐ
  • 今の状態を調べる:公開している画面に、すでに知られた脆弱性がないかを外から確かめる

c3index では、ログインや入力フォームのある公開中のWebアプリケーションを外部から自動でスキャンし、入金確認から24時間でレポートをお渡しするWeb脆弱性クイックスキャンを提供しています。版の更新や作り直しを決める前に、今のシステムの状態を短期間で確かめたい場合にお使いください。


よくある質問

Q. サポートが終わったCakePHPのままでも、システムは動きますか?

A. 動きます。サポートの終了で止まるのは開発元からの修正で、システムそのものは動き続けます。ただし、新しい脆弱性が見つかっても修正は出ません。PHPも古い版のままになるため、PHP側の脆弱性にも対応できなくなります。使い続ける間は、公開範囲を絞るなどの守りを重ねたうえで、更新の計画を立ててください。

Q. CakePHP 2から移るなら、CakePHP 5とLaravelのどちらがよいですか?

A. どちらにも向き不向きがあります。CakePHP 5は、CakePHPの考え方に慣れた開発者がいる場合に移りやすくなります。Laravelは、対応できる開発会社や技術者が多く、将来の保守先を選びやすい点が強みです。今後の保守を誰に頼むか、社内に開発者を置くかを先に決めると、選びやすくなります。

Q. Laravelは毎年版を上げないといけないのですか?

A. 毎年でなくてもかまいませんが、2年以内には上げる必要があります。Laravelはどの版もセキュリティの修正が2年で終わり、長期サポートの版はありません。1つの版にとどまれるのは最長2年なので、1〜2年に一度は版を上げる作業を、保守の計画と予算に入れておくのが現実的です。

Q. 社内に開発者がいません。版の確認から相談できますか?

A. できます。サーバーやソースコードを見せていただければ、PHP・フレームワーク・OSの版と、使っているライブラリの状態を調べ、版の更新で済むのか、作り直しを比べたほうがよいのかをお伝えします。今の保守会社から受けている提案があれば、その内容を確かめるところからでもかまいません。


まとめ

本記事のポイントをまとめます。

  • CakePHPは2.x・3.xと4.0〜4.5のサポートが終わっている。4.6は6.0が出るまで、5系はマイナー版ごとに順に修正が止まる。2.xは作り直しに近く、3.xは4.6経由で上げるか作り直しと比べる
  • Laravelはどの版もセキュリティ修正が2年で終わる。2026年11月時点で修正を受けられるのは12と13だけで、12も2027年2月24日に終わる
  • フレームワークの版によっては、PHP 8.4で動かない。PHPを上げる作業は、フレームワークを上げる作業とセットになることが多い
  • まず、PHP・フレームワーク・OSの版と、使っているライブラリを確かめる。そのうえで、版の更新で済むか、作り直しを比べるかを判断する
  • 更新が終わるまでは、公開範囲を絞る、WAFを入れる、今の状態を調べるといった守りを重ねる

フレームワークの期限は、PHPの期限と同じくらい、システムの寿命を左右します。PHPの対応を考えるときは、フレームワークの版も一緒に確かめてください。


c3index に相談する

c3index は、業務システムの受託開発・保守と、他社が作ったシステムの引き継ぎや作り直しを行っているシステム会社です。CakePHPやLaravelで作られたシステムの版の確認、PHPとフレームワークの更新、作り直しの検討まで、どの段階でもお気軽にご相談ください。